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【試乗:ジムニーシエラ】ロールセンター・重心のバランスが良く安定性抜群!普通に乗れるオフローダー

2018/07/18

| より「乗用車的印象」が強いジムニー・シエラ |

さて、新型ジムニー・シエラに試乗。
グレードは二つあるうちの上位グレード「JC」で、トランスミッションは4AT、ボディカラーはパールホワイト。
ベースグレードの「JL」でも装備が拡充しているものの、軽自動車規格ではなく普通乗用車規格の「ジムニー・シエラ」を購入する人は、より装備の充実した「JC」を選ぶ場合が多いかもしれませんね。
※他の画像はFacebookのアルバム「新型ジムニー/ジムニー・シエラ」に保存中

ジムニー・シエラJC・・・1,922,400円(5MT)/2,019,600円(4AT)
(ジムニー・シエラJLに加えて)
・デュアルセンサーブレーキサポート
・LEDヘッドランプ
・へッドランプウォッシャー
・クルーズコントロールシステム
・LEDサイドターンランプ付きドアミラー
・15インチアルミホイールなど※ジムニーよりもジムニー・シエラの方がホイールサイズが小さい
ジムニー・シエラJL・・・1,760,400円(5MT)/1,857,600円(4AT)
・フロントマルチリフレクターフロントフォグランプ
・フルオートエアコン
・キーレスプッシュスタートシステム
・電動格納式リモコンドアミラー
・スモークガラス
・15インチスチールホイールなど

新型スズキ・ジムニー・シエラのスペックは?

新型ジムニー・シエラのスペックはこんな感じ。
軽自動車規格のジムニーに比較すると長さ155ミリ、幅170ミリ、高さ5ミリの差がありますが、これは(ハスラーとクロスビーのように)車体そのものに差があるわけではなく、前後バンパーやオーバーフェンダー、タイヤサイズによる差異のみで、基本となる構造(ラダーフレーム+キャビン、サスペンションなど)そのものは同一です。

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ボディサイズ・・・全長3550ミリ、全幅1645ミリ、全高1730ミリ
エンジン・・・1460cc/4気筒
出力・・・102馬力
駆動方式・・・4WD
トランスミッション・・・5MT/4AT
重量・・・1090kg
タイヤサイズ・・・195/80R15

新型スズキ・ジムニー・シエラの外観を見てみよう

すでに外観は多数で報じられているので、ここでは簡単に。
基本的にジムニー・シエラの外観はジムニーに準じますが、全幅拡大のためにオーバーフェンダーが取り付けられているのが特徴。
ただ、このオーバーフェンダーが異常に格好良く、薄いボディカラーだとコントラストが際立っているために(オーバーフェンダーはブラックなので)かなりイケてるんじゃないかという印象であり、正直これだけでも「ジムニー・シエラ」を選ぶ理由になりそうだと思えるほどです。

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↓新型スズキ・ジムニー/ジムニー・シエラの外装インプレッションはこちら

新型スズキ・ジムニー・シエラの内装を見てみよう

インテリアはシンプルの一言(ジムニーと同一の仕様・装備)。
ただし傷つきにくい素材や、反射しにくい素材を使用するなど実用性を考慮。
加えてドア内張りやダッシュボードに「水平」なデザインを取り入れることで、斜面や傾斜において「どれくらい傾いているのか」を把握しやすくするなど、オフロード走行に特化したつくりとなっています。

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メインのメーターもハードなイメージを持っており(航空機のメーター風)、そのクラスターの加工も「ヘアライン仕上げ」。
ここは常に目に入る部分でもあり、「かなり高く評価できる」部分ですね。

その他のスイッチ類も「最小限」。これは扱いやすさを意識したものだと思われます。

シートは簡素なインテリアに反し、比較的「豪華」。
かなり分厚く大きいということですが、スズキによると「悪路での乗り心地」「長時間運転でも疲れないよう」配慮した結果だとのことで、ジムニーに対する考え方が如実に現れている部分かもしれません。

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なお、インテリアはジムニー/ジムニー・シエラとも共通で、普通車と言えども軽規格のジムニーと同じく後部座席には「鉄板」がそのままむき出しとなっているところも。
ただ、これはジムニーの性格を考えるとマイナスだとは言い難く、むしろ(ボディカラーによっても色が変わるので)楽しめる部分ではないかと考えています。

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新型スズキ・ジムニー・シエラで走ってみよう

ジムニー・シエラはかなり特殊な車体構造を持っていて、ラダーフレームの上にキャビンを載せ、かつ最低地上高210ミリ。
つまり普通のクルマに比較して重心がかなり高いということを意味します。

ただし軽規格のジムニーに比較するとタイヤが「2センチ」太く、ボディ幅も14センチ広くなっていて、もちろんその分トレッドが拡大。
この効果は想像していたよりもずっと大きく、走ってみると車高の高さを感じさせない安定感を誇ります。

試乗車のトランスミッションは4ATですが、トルクが太いおかげでギア比はかなりオープンな設定となっているようですね。
軽自動車規格のジムニーは時速80キロで走行するのに3000回転だったのに対し、ジムニー・シエラでは同じ速度の場合「2000回転」。
この差はかなり大きく、静粛性や振動は「ジムニー・シエラの方がはるかに小さい」ということになり、したがって運転している時の印象はかなり変わることに。

ジムニーの場合は高い回転数で走行しているためにそこからアクセルを踏み込んでの加速性に優れていますが、ジムニー・シエラの場合はそこからトルクにまかせてゆっくり加速する感じ。

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なお同じコースを同じように走っても、5MTのジムニーより4ATのジムニー・シエラの方が(排気量は大きくともエンジン回転数が低いので)高い燃費を示していて、距離を走る人、高速道路をよく利用する人であればジムニー・シエラの方がランニングコストが安くあがるのかもしれません。

ハンドリングにおいてもジムニー・シエラの安定感は顕著に現れ、左右に揺すられる感覚もなく、まさに乗用車と同じ感覚で乗れるオフローダーだと思います。
よくよく考えると、ジムニー・シエラは軽自動車のボディにオーバーフェンダーを取り付けてトレッドを拡大しており、ということは最初から乗用車として設計された車よりは「(上モノが軽いので)重心が低く」「(ボディが狭いので)ロールセンターが集中」していると考えられ、むしろ乗用車より安定しているのは当然なのかもしれません。

同様の理由なのかサスペンションにおいてもジムニー・シエラの方が「どっしりと安定」しているという印象があり、ジムニーにさらに輪をかけて快適なフィーリング。

ブレーキはジムニーと同じくフロントがディスク、リアがドラム式となっており、車体重量が軽いためにまず不足は感じない容量を持っており、「軽規格のジムニーと同じボディ上モノ」が有利に働いている、と考えて良さそう。

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結局どうなの新型スズキ・ジムニー・シエラ?

ジムニー、ジムニー・シエラと乗ってみてぼく的に「いいな」と思ったのは普通車のジムニー・シエラ。
やはりエンジンのパワー/トルクがあって走りやすいこと、安定感があって普通に走れることが大きなポイント。
価格は「ジムニー(XC)」が17,444,200円、「ジムニー・シエラ(JC)」が1,922,400円なので18万円ほどの開きがありますが、購入するならばジムニーの場合は5MT、ジムニー・シエラの場合は4ATだと考えており、となると(ATは高いので)その価格差はさらに10万円広がって28万円。

維持費的なことに言及すると、ざっと計算したところ軽自動車のジムニーと普通車のジムニー・シエラでは年間3万円くらい差が出るんじゃないか、という感じ。

おそらく売却時の寝落ち率はジムニーの方が小さいと思われるものの、乗っている間の経済性や安定感、快適性を考えると「ジムニー・シエラ」を選んだ方がいいのではないかと考えています。

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