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【驚愕】フェラーリは一台売って1060万の利益、ポルシェは209万、アストンは246万、ベンツは55万、そしてトヨタは21万、VWはわずか6万円

2019/03/30

| やはりフェラーリのブランド価値は圧倒的だった |

さて、少し前に「ランボルギーニの一台あたり販売額」をお届けしましたが、今回は「フェラーリの一台あたり利益」について。

ちょっとおさらいしておくと、2018年におけるランボルギーニの売上高は14億2000万ユーロで、これを販売台数の5,750台で割ると、1台あたりのおおよその販売額は3070万円。
一方でフェラーリの売上は34億2000万ユーロ、販売台数は9,251台なので、同じように計算すると一台あたりの販売額は平均4600万円ということに。

ただし両社とも、あくまでも「本社の出荷金額」をベースとしているため、ディーラーでの「平均販売金額」とは異なること、そしてベースとなる金額にはライセンス収入やその他「クルマの販売以外で得られる費用」が含まれることも考えておかねばなりません。

ランボルギーニ1台あたりの平均販売価格は3070万円!2018年の売上高が前年比+40%、14.2億ユーロであったと発表

フェラーリは1台売るごとに1060万円の利益がある

そこでフェラーリの「一台あたり利益」ですが、フェラーリは上場企業なので利益の開示義務があり、これによると2018年の営業利益は7億8700万ユーロだと公表していて、これは実に前年の+46%(売上高はそこまで伸びておらず、しかし利益が大きく伸長)。

そして販売台数9,251台でこれを割ると85,071ユーロとなり、邦貨換算すると10,581,810ユーロ、つまり”一台売ると約1060万円の利益が出る”ということになりますね。

ちなみに昨年(2017年)は「1台売って900万円の儲け」という計算でしたが、もちろん今年はそれを更新した、ということになります。

ただ、この利益の中には、上述のように「クルマ」以外の、たとえばフェラーリワールドやその他のライセンス収入、フェラーリストアでのグッズ販売など、そして「億を超える」値付けを持つ限定車の販売が含まれることは勘案する必要があります。

しかしながら、そういった「クルマ以外の」収入が大きいということは、それだけフェラーリのブランド価値が高いということも示していて、ここがフェラーリの圧倒的な強さということになりますね。

ポルシェ、マクラーレン、アストンマーティンの一台あたり利益は?

そしてポルシェの営業利益は43億ユーロ、販売台数は256,255台なので、これを同じように計算すると1台あたりの利益は2,087,104円。

なおマクラーレンは非上場なので営業利益の開示はなく計算不能。
アストンマーティンはまだ2019年発表の数字が出ておらず、2017年の営業利益(8700万ポンド)をベースに、これも2017年の販売台数5,117台で割ると2,461,034円。

ただしアストンマーティンは2017年にようやく黒字化しており、そして黒字化初年度でこの数字は非常に立派だと考えています。

加えてアストンマーティンはグッズやライセンス収入が殆どないと思われ、かつ「タワーマンション」「潜水艦」「新工場」「エレクトリック」「ヴァルキリーはじめとするミドシップハイパースポーツ」等、様々な先行投資を行っていて、これがまだ回収できていないであろうことを考えても大したものだ、という感じですね(逆に、今後は加速度的に利益が増加する可能性が高い)。

メルセデスス・ベンツ、VW、トヨタといった量販メーカーはどうなっているのか

そこで気になるのがほかのメジャーメーカーですが、まずメルセデス・ベンツだと2018年の営業利益は108億6400ユーロ、販売台数は6,244,900台なので、営業利益を台数で割って円換算すると、「1台あたりの利益は553,906円」。
この数字は昨年の「110万円」に比較すると大きく落ちていますが、これは「エレクトリック化に向けての投資」の影響が大きいと思われ、逆に考えると「その投資が回収できなければ(エレクトリックモデルが売れなければ)」相当に利益が減る、もしくは減ったままということですね。

そして次は「利益幅が小さい」ことで知られるフォルクスワーゲン。
こちらの営業利益(2018年)は32億ユーロ、販売台数は(VWブランドだけで)6,244,900台。
これを上記同様に計算するとなんと1台あたりの利益は驚愕の63,681円となり、わかってはいたものの「毎年ズルズル下がっている」ようです。※2013年は1台あたり8万円だった

golf

最後はトヨタですが、2018年度(2018/4-2019/3)見通しの数字しかなく、この間の営業利益は2兆2000億円、販売台数は10,594,000台(こちらは2018年通年、日野も含む)。
これをもとに計算するとトヨタの場合は「1台あたり207,664円」という数字になり、1台売って約21万円の儲け、ということに。

こういった数字を見るに、いずれのメーカーも「上級移行」したがるのもうなずけますし、ひたすらブランディングに力を入れているのもわかります。

ただ、フェラーリの「1台あたり1060万円」、ポルシェの「1台あたり209万円」という、トヨタの「1台あたり21万円」に比較してあまりに大きな利益は、やはりモータースポーツに多大な投資を行ってきた結果だと言え、他メーカーが「目に見える利益貢献がない」として撤退したところを「ずっと継続してきた」ことが数字となって現れているのかもしれません。

要は「目先の利益だけを見ていてはいけない」「継続は力なり」ということですが、営利企業といえども「数字として見える利益だけ」を求めていてはブランド価値は向上ぜず、永続的なブランドを構築したいのであれば、すぐには回収できない投資を覚悟してでも信念を貫くべきである、ということなのでしょうね(なにごとも合理的な判断が結果的に正しいとはいえない)。

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