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北米仕様のBMW Z4 M40iは「380馬力」、でも日本は「340馬力」。ほかにもある、ボディカラーや仕様の日米差を見てみよう

2019/03/30

| そこには規制の差や嗜好、市場規模の差があらわれているようだ |

BMWの米国法人がカーコンフィギュレーター上に新型BMW Z4のトップグレード、sDrive M40iを追加。

日本においても先日新型BMWZ4が発売されましたが、日本では340馬力(0−100キロ加速は4.5秒)となっていて、しかし北米版は380馬力に(0−100キロ加速は4.1秒)。

なお、欧州に導入されるZ4のハイパフォーマンス版(M40i)も日本と同じ340馬力バージョン。

いろいろと調べてみると、欧州仕様は規制(2021年導入のユーロ7対応?)のためか出力がダウンしており、日本に入ってきているのはその出力ダウン版(北米仕様ではなく欧州仕様)のようですね。

ちょっと前にランボルギーニが「今後の規制に対応しようとすると、パワーアップどころか、現状のパワーを維持するのも困難」と述べていますが、思ったよりも欧州ではキツい規制が敷かれているということになりますね。

日本仕様のBMW Z4は選択範囲がかなり狭い

ほかにもけっこう違いがあり、ボディカラーの数や内容、内装色、ホイールなどの選択肢のほか、グリルの仕上げなどに差がある模様。

ここでその内容をざっと見てみましょう。

北米版BMW Z4のボディカラーは6色

北米版のSDrive Z4 M40iのボディカラーは6色。
まずはおなじみアルピンホワイトですが、日本では「アルピンホワイトⅢ」、しかし北米では「アルピンホワイト(Ⅲがつかない)」。
ただし同じカラーだとは思われます。

そしてブラックサファイア。
これも日本に導入されていて、カラー名も同じですね。

サンフランシスコレッドメタリックも日本と同じ。

そしてフローズングレーⅡメタリックですが、これは日本では限定色扱い、しかし北米では標準。※ただし日本での名称はフローズングレー
新型Z4と同じ工場で製造されるトヨタ・スープラにも似た色味の「ファントムグレーマット」なるカラーがありますが、トヨタは「BMWのカラーとは異なる」としています。

こちらは日本にはない「グレッシャー・シルバー・メタリック」。

そしてこちらも日本に設定されない「ミサノブルーメタリック」。

ルーフ(ソフトトップ)のカラー設定は日本と同じ

ルーフについては日本と同じ設定で、「ブラック」

そして「ムーンライト」。
グレーのようにも見えますが、日本では「アンスラサイト・シルバー・エフェクト」という呼称が用いられ、ブラックにシルバーのような糸が織り込まれているのかも。

インテリアカラーは6色から選択可能

日本でのZ4は「ヴァーネスカ・レザー・ブラック」のみの選択ですが、北米だと「ブラックセンサテック」「ヴァーネスカ・レザー/アルカンタラ コントラストステッチ(Mカラー)」「ヴァーネスカ・レザー・アイボリーホワイト コントラストステッチ/パイピング」「ヴァーネスカ・レザー・コニャック コントラストステッチ/パイピング」「ヴァーネスカ・レザー・マグマレッド コントラストステッチ/パイピング」という選択肢が存在。

加えてトリム(センターコンソールのパネル)は「ハイグロスブラック」「アルミニウム・テトラゴン」「アルミニウム・メッシュエフェクト」の3種で、日本は「クォーツシルバー・マット・トリム(おそらく”アルミニウム・テトラゴン”と同じ)」のみ。

ホイールの選択肢は4種類

そして日本だと1つしか選べない(北米には設定されない”Vスポーク・スタイリング768”)ものの、北米では4種類が選択可能で、その内容は「18" M Double-spoke orbit grey wheels」「19" M Double-spoke orbit grey wheels, style 799M」「19" M Double-spoke jet black wheels, style 799M」「19" M Double-spoke cerium grey wheels, style 800M」。

さらに北米版Z4 M40iには「ドライビングアシスタンスパッケージ」「プレミアムパッケージ」「エグゼクティブパッケージ」といったパッケージオプションのほか、リモートエンジンスタート、ワイヤレスチャージ、パークディスタンスコントロール、アクティブ・クルーズ・コントロール、パーキングアシスタント、といったオプションも。

そして外観上の大きな差異として、日本のZ4 M40iはエクステリアのアクセントが「ハイグロスブラック」ですが、北米仕様だと(チタンっぽいゴールド風味の)セリウム・グレー。

BMWは日本だと「販売台数重視」

なお、現在は各自動車メーカーとも「カスタム」の幅を広げ、それによって利益の拡充を目指したり、顧客の囲い込み、差別化を目指しているものの、こと日本においてはカスタムを押し出しておらず(”インディビデュアル”でカスタムできることを知らない人も多い)、基本的に「ツルシの仕様を売る」という方針のようです。

これは「カスタムを受けると受注時の手間がかかり、納車も遅くなり、対応コストが掛かったり販売を読みにくくなる」からだそうですが、つまり現時点では顧客満足度より「販売効率」を重視している、ということに。

そこが新型3シリーズやZ4のボディカラーが「3色しか無い」というところに繋がっているのかもしれません。

これは、裏返せばそれだけ本国からの「ノルマ」がきついんだろうな(同じ時間をかけるのであればより多くの台数を売る)ということを連想させますが、ここは「販売台数を伸ばすよりも一台あたりの利益を大きくする」フェラーリやマクラーレン、ランボルギーニと異なるところで、もちろんそのブランドの方向性やポジション、そもそものクルマの性質の差が出るところでもありますね。※現段階で、BMWは販売台数を絞る必要はなく、かつ1台あたりの単価を引き上げることも難しい(ライバルよりも割高にはできない)

加えて、日本市場はBMWにとって「そんなに規模が大きくなく」、そしてたとえカスタムを導入したとしても「日本では白と黒しか売れない」という事実もあり、現時点の戦略は「最大公約数を重視した」最適解なのかもしれません。

ただ、これは日本市場におけるアメ車と同じで、「売れないから投資できない(ディーラーやモデル数を増やせない)、投資しないから販売も伸びない」という負のスパイラルとしても捉えることができそうでもありますね。

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