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マツダ「我々はさらにプレミアムを目指す」。なおマツダのデザイン部門トップはRX-7のデザイナーの息子、つまり親子二代でマツダ車をデザイン

2020/01/23

| 同じ会社で「親子二代がデザイナー」というのは極めて珍しい |

英国Autocarがマツダの常務執行役員、前田育男氏の言として「さらにプレミアム化を目指す」という内容を紹介。
これによると、「プレミアムとは高級で高額ということを意味するのではない。高いクオリティ、そして優れたドリバビリティを含む」とのことで、まさにそのとおりだと言えそう。

実際にマツダはここ数年「スポーツよりもプレミアム」路線を貫いており、マツダ3についても「プレミアム路線を採用するためにマツダスピードモデルを設定しない」と語っていますね。

マツダ「新型マツダ3にはマツダスピードを設定しない。スポーツよりもプレミアム路線を歩む」

現在のマツダの価格はあまりに高い

なお、よく言われるのが「マツダは高くなった・・・」という意見。
これについては否定できず、実際のところマツダ自身も「CASE対応等によってクルマの製造コストが上がっている」と述べています。
そして、マツダの車両販売価格がどんどん高くなっている理由については、(CASE対応等による)コスト増がベースにあるとしていて、ただしそれをそのまま車両に転嫁すると、消費者にとって「メリットなき値上げ」となり、そうなると消費者はこれを受け入れない可能性が大。

であればもうちょっとコストをかけてでも消費者にわかるような「プレミアム」を車両に与え、そのぶんもあわせて値上げするというのが現在の路線です。

「マツダは身の程知らずに値上げし、しかも値引きしなくなってユーザーにそっぽを向かれ売れなくなった」は本当か?その真相をマツダ副社長が激白

なお、この路線については欧州や日本では比較的受け入れられており、新型エンジン(SKYACTIV-X)搭載モデルについては受注が好調だとされますが、メインマーケットである北米ではかなり苦戦。
これは「いいものにはお金を払う」傾向がある日本、そして「環境性能が良ければ出費を惜しまない」欧州に比較し、「コンパクトカーは価格重視」という米国市場との性質の違いと考えられます。

マツダ欧州「SKYAVTIVE-Xエンジンの受注は予想を超える」。一方米国ではマツダ3そのものが低調。欧州は「環境性能」でクルマを選ぶが、米国は「価格」で選ぶ?

どこでどう間違えた?頼みの綱のマツダ3が予定どころか先代よりも売れず、マツダは北米にて赤字転落。4-6月は前年の1.5割の販売にとどまり戦略ミスを指摘される

SKYACTIV-X搭載のMAZDA3について、ボトムは「X PROACTIVE」の3,198,148円(~3,434,648円)、その上は「X PROACTIVE Touring Selection」の3,319,148円~3,555,648円、その上は「X L package」の3,380,463円~3,616,963円、トップレンジは「X Burgandy Selection」の3,451,963円~3,688,463円。 ※ちなみにトヨタ・カローラスポーツは2,169,200円〜もっとも高価なハイブリッドG”Z”でも2,824,800円

なお、メルセデス・ベンツAクラス(A180)の価格は3,340,000円から、BMW 1シリーズも3,340,000円から(ベンツと価格を合わせてきたな・・・)、アウディA1スポーツバックは3,650,000円から(いいのか?この強気な価格で)、フォルクスワーゲン・ゴルフが2,589,000円からなので、SKYACTIV-Xエンジン搭載のマツダ3は驚くべきことにフォルクスワーゲン・ゴルフどころかメルセデス・ベンツ、BMWと同じくらいということになりますね。

マツダが新型エンジン搭載のマツダ3発売!価格は320万円~、VWゴルフの259万円を超え、メルセデスAクラス/BMW 1シリーズの334万円に迫る。果たして売れるのか?

現マツダ常務は「親子二代」でマツダのデザイナーを務める

前田育男氏は「魂動デザイン」を発案した人であり、魂動デザインは2009年に「将来マツダをブランドとして確立したい。そのためにはデザインによるブランド様式の確立が必要」として考えられたもの。※2009年に、フォードから来ていたローレンス・ヴァン・デン・アッカーの後任としてデザイン本部長に就任
もちろん現在に至るまで魂動デザインはマツダの根底にあり、同氏が意図したとおり「マツダブランドの確立」に大いに貢献してきたことは疑いの余地がありません。

とにかくデザインに対する思い入れが強い人で、デザインによってマツダを変えると奮闘してきた「マツダの駄々っ子三人衆」の一人だとも言われており、そのデザインにかける情熱は「筋金入り」。
なお、父(前田又三郎)は初代RX-7のデザイナーであり、マツダのデザイン本部長にまで上り詰めているので、前田育男氏は生まれながらのマツダファンだとも言えそうです。

そして、同氏はエキセントリックなデザイナーにありがちな「主義主張が強いだけの」タイプとは異なり、周囲を説得する能力や調整力に優れ、なによりもマツダという会社の進むべき方向をよく理解していて、誰よりもマツダを愛している人物であり、だからこそ周囲も同氏の発言に耳を傾けるのかもしれません。

作品としてはRX-8、デミオ、3代目アテンザ、CX-5、コンセプトカーとしてはSHINARI、RX-VISION、ヴィジョン・クーペなどがよく知られるところです。

VIA:Autocar, NIKKEI BUSINESS

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