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すべてがカッチリ。硬派なメルセデス・ベンツGクラス、G550に試乗する

2016/12/22

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メルセデス・ベンツGクラスに試乗。
かねてより欲しいと思いながら、なかなか試乗する機会のなかった車です。

Gクラスは35年の歴史を持ち、そのルーツは軍用車両という異色な背景を持つ車ですが、そのどくとくのスタイリングと比類ない走行性能にて非常に人気が高く、中古相場も非常に高値で推移していますね。

今回試乗したのは「G550」。
4リッターV8ツインターボを搭載し421馬力を発生。
このエンジンはAMGにて開発されたものですが、AMGモデルに搭載されるものは一人の職人さんが一基のエンジンを最初から最後まで組み立てるのに比べ、こちらは工場のラインにて組み立てられたもの(量産型エンジンと言える)。
それでもAMG GTと同じくVバンクの内側にターボを搭載する「ホットインサイドV」を採用し、重量バランスに優れるもので、高いパフォーマンスを持つことに変わりはありません。

全長4575ミリ、全幅1860ミリ、全高1970ミリと現代ではコンパクトとも言える部類。
重量は2550キロ、価格は1470万円。

外観は「昔ながら」の直線と平面で構成されたボディを持っていますが、LEDを採用したポジションランプ、現代のメルセデス風ドアミラーなど細部はアップデートされています。
さっそく乗り込もうとクラシカルなドアノブを引きますが、ドアは開かず。
Gクラスのドアを開けるにはドアノブ横のプッシュボタンを押す必要があり、最初からGクラスの洗礼を受けたことになります。

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ドアを開けて乗り込みますが、シート位置はかなり高く、これはファッションではなく実用としてのランニングボードの重要性を実感するところ(ランニングボードとルーフの取っ手?がないと乗り込めない)。

内装は豪華の一言で、改良に改良を重ねられており最新モデルはアンビエントライトも装備。
足元やドアノブに仕込まれたアンビエントライト、室内のスイッチ照明は上品なオレンジを採用しており、ふんだんに使用された本革やウッドとよく調和して上品な室内を演出していると思います。
室内の設計自体が古いものの、それが逆にクラシカルな雰囲気を出しているようですね。
最新のデザインこそがすなわち高級ではない、ということを改めて感じる内装です。

ドアを閉める音は空冷ポルシェのような「バチン」という音と「ガチン」という音の中間のようなイメージで、まさに精密機械同士が組み合わさるという印象。
この音だけでもオーナーは幸せになれるのでは、と思わせるところがあります。

フロントウインドウは今ではほぼ見なくなった「平面」。
そしてやたらと距離が近く、その影響かダッシュボードが非常に短いのも印象的。
室内のレザーはいくつかの種類が使い分けられており、シボのあるものやスムースレザーが用いられ、場所によってはシャーリングのような処理がなされており、こちらも上質な室内空間の演出に一役買っている模様。

エンジンの始動はオーソドックスなキーを差し込んでひねる方法で(やはりこのほうがGクラスに合っていると思われる)、いざ始動してみるとスポーツカーばりのサウンドにびっくり。
最近のメルセデス、とくにAMGは驚くような野太く大きな排気音を出しますが、これはG550も同様(さすがAMG GTと同じ設計のエンジン)。
ただし不快な振動はなく、心地よいサウンドのみが室内に入ってきており、「いかにも自動車」という感じがありますね。

パーキングブレーキはレバー式となっており、これを解除してDレンジに入れて車をスタート。
軽やかに滑り出しますが、日頃クイックなステアリングレシオを持つ車に親しんでいるぼくにとってはG550のステアリングレシオは特異に感じられ、最初はちょっと戸惑うことに(おそらくオフローダーはその性質上、ステリングレシオがスローなものが多いと思われる)。

座っている位置が高くボンネットやフェンダーを見下ろす視界は独特で、前方や横方向の視界はすこぶる良好。
ただしななめ後方の視界は太いCピラーの関係でちょっと見づらく、しかし慣れてしまえばそのスクエアなボディ形状からあまり死角がないこともわかります。
また最近のメルセデスらしく、ブラインドスポットモニターも装着しているので、まず困ることはなさそうです。

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セーフティという観点においては中距離・短距離・長距離レーダーを装備しており、これらが危険を知らせてくれることに。
バック時には標準のリヤビューカメラ映像がモニターに映し出され、パークトロニック(バックセンサー)とあわせてこれも嬉しい装備と言えますね。

車高が高く最低地上高もそれなりにあるので車線変更時やコーナリング時に揺れを感じますが、面白いのは「低速と高速で車の姿勢や動きが変わらない」ということ。
低速カーブで感じる車体の傾きと、高速カーブで感じる車体の傾きが同じで、これはちょっと新鮮な感覚。
「走行状況に応じて減衰力を最適に電子制御する可変ダンパーシステムを装備」とありますが、どんな状況でどんな速度でも同じような姿勢を保てるのはちょっと驚きで、四輪駆動システムとあわせて非常に優秀な車両制御を行なっていることがわかります。

そう考えると最初は(車高の低い車にばかり乗っているので)不安に感じた車体の傾きも安心に変わるのが不思議なもので、不安なく切り込んで行けるのも良いですね。
あわせて堅牢なボディと優秀なサスペンションのおかげで速度感が希薄(速度を上げても揺れたり振動が増加したりしない)に感じられ、低速でも高速でも同じように運転でき、とにかく「頼れる」印象。

通常は低速では低速なり、高速では高速なりの挙動を車が示すので、ドライバーはそれなりの操作が要求されるわけですが、G550に関してはどのような速度域でも同じ操作をすれば車が勝手に速度差による姿勢の変化を補正してくれるという感じですね。

レンジローバー・イヴォークでも感じたことですが、どのような状況で、どのような天候であっても、難なく確実に目的地に到達できるであろうという絶大な信頼を感じさせる車と言えます。

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スポーツカーが車との対話を楽しみ、正確なロードインフォーメーションをドライバーに伝えること、そしてドライバーの操作を的確に車に反映させることが重要だとすれば、オフローダーはその逆とも言え、「ドライバーがなんらかの操作をすれば、どのような状況・環境においても、確実に同じだけの走行状況を再現すること=対話ではなくドライバーの操作に応えうる能力を持つこと」が重要なのかもしれないと考えるに至り、そういった「考えさせる」稀有な車でもありますね。

しながら乗り味や運転した印象は無味乾燥なものではなく、きちんと操作に応えてくれ、いかにも「自動車を運転している」という重厚な感覚があるのが不思議。

なおそういった面からかオフローダーを作ることは非常に難しいとされ、単に車高を上げたり4WD化すれば良いというわけではなく、しかしGクラスはレンジローバーとともに「紛れもないオフローダー」としての地位を築いており、そこが登場から35年経っても未だに頂点とも言えるポジションをキープしている理由なのだろうと思います。

運転していて心から「楽しい」と思える車であり、また目に入る視界や内装の作りも独特のものであり、外観やプレステージ性から言っても「唯一無二」の存在と断言してよく、真剣に欲しいと思える車です。

ランボルギーニ、AMG、アルファロメオ、VW、ジャガー、ベントレー、ルノー、ミニ、フェラーリ、マクラーレン、テスラ、レンジローバー、スズキ、トヨタ、マツダ、スバル、ホンダ、レクサス、メルセデス・ベンツ、BMWなどこれまで試乗してきた車のインプレッション、評価はこちらにまとめています。

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