前ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏がCEOに就いてから大きな動きを見せる「アウディ・スポーツ」。
「クワトロ」社から社名変更したのを皮切りにインストア形式で「アウディスポーツ」を展開するなど、そのブランディングについてはこれまでと異なる動きが見られ、加えてレース用車両をカスタマー向けに拡販するなど「パフォーマンス」を強く押し出した方向性を見せています。
そのアウディスポーツですが、今回「R8」と「TT」向けに(外観の格好良さ向上が目的ではなく)機能向上を目的としたハードコアなパーツ群を設定し発売。
「R8とTT」に絞ったというのがミソだとぼくは考えていますが、R8はアウディのスポーツカーレンジにおけるフラッグシップ。
TTもR8登場以前から「スポーツカー」としての位置づけではありますが、現在の「三代目(8S)」では大きくR8に寄せたデザインへと舵を切っています。
そのぶん過去に見られた「TTらしさ」は薄れているものの、アウディのエンブレム「フォーリングス」がボンネット上に移されたり(このデザインを持つのはR8とTTだけ)、「デラックスエアコンディショナー(エアコン吹き出し口の中に温度表示などがある)」についても(おそらく)R8とTTだけ、その他細かいところもTTはR8を意識した部分が多く、現在のアウディにおけるラインアップ中では「R8とTTだけ」が切り離されたデザインを持っている、と考えても良さそうです。
そしてその「切り離された」境界線の意味するところは「スポーツ」で、アウディはR8とTTについては「リアルスポーツ」と考えているのだろう、と推測しています。
TT用エアロパーツだとフロントエアインテークガイド、フロントスプリッター、カナード、ボンネット上のダクト、サイドステップ、ドアミラー、リアウイング、リアディフューザー、リアフラップ。
これら全ては「カーボン製」で、かなり高価だと予想されます。
TTSとTTRS用にはアクラポヴィッチのチタンマフラーが用意される模様。
ほか画像にはありませんが「スポーツブレーキシステム」が発表され、これはスチールとカーボンセラミックローター両方をラインナップ。
キャリープレートが「チタン製」となるのが特徴で、これによって1キロ軽量化されている、とのこと。
加えてブレーキのクーリングパーツも追加されているようですね。
内装もアグレッシブで、リアシートを取り払って(-20キロ)カーボン製の補強バーが入り、ステアリングホイールなどがアルカンタラ巻きとなり(センターマークも入る)、やはりカーボンパーツも装備。
リアウイングのステーともどもですが、この補強バーは「芸術性」すら感じる形状だと思います。
R8用エアロキットも構成としてはTTとおよそ同じで、しかし時速330キロの時点でダウンフォースを250キロ(ノーマルの+100キロ以上)発生する、としています。
フロントスプリッター、ホイール、リアウイング、リアディフューザーにはレッドのアクセントが付与されていますね。
新形状の20インチホイールはTT用で7.2キロ、R8用で8キロ軽量。
内装もやはりカーボンとアルカンタラに。