| 歴史のないメーカーは歴史を求める? |
先日インフィニティが発表した謎のコンセプトカーの全容が公開に。
その名は「Infiniti Prototype 9(インフィニティ・プロトタイプ9」で、1930年代のヴィンテージレーシングカーをイメージしています。
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先日の記事の通り、「もし70年以上放置されたレーシングカーを発見したら」というのがデザイン的インスピレーションですが、1989年誕生のインフィニティにとっては「まさに謎」と言えるコンセプト。
インフィニティは日産とは独立した組織構成となっているものの、今回のコンセプトカー製作にあたっては日産の厚木デザインスタジオ、そしてオーテックもこれに参加している、とのこと。
予想された通り「オールエレクトリック」となり、モーターはリアにマウントされ148馬力を発生。
重量は890キロ、0-100キロ加速はわずか5.5秒というスペック。
なおサスペンションはリーフスプリング、ホイールはワイヤーが採用され、タイヤは見ての通りレトロなパターンを持っています。
フロントグリルはまさに「インフィニティ以外の何ものでもない」ことがわかりますが、一方でEVということを考えるといささか不自然な感じも。
そもそも1989年誕生のインフィニティが「1930年代」にそのインスピレーションを求めるというところ含めて「謎ばかり」ではありますが、ペブルビーチで正式発表される際になんらかの追加情報が出てくるかもしれませんね。
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シングルシーターのレースカーっぽい外観を持ちますが、歴史の新しいインフィニティがこういった「過去にモチーフを求める」のは非常に珍しいと思います。
なおコンセプトは非常に面白く、「もし、日本の南端で、人知れず70年間も放置された車を発見したとしたら?」というもので、インフィニティの「パワフル・エレガンス」をここに表現したもの。
インフィニティ(INFINITI)は1989年に日産の高級車ブランドとして誕生しており、主に米国での展開を行っていますが、「モータースポーツに参加しないと車を売りにくい」という性質を反映してか、様々なモータースポーツでその車やロゴを見ることに。
かつてはレッドブルとのコラボによる「Q50 オールージュ」を発表したこともあるものの市販化には結びついておらず、なかなかそのポジションを確立できていないようには思います。
ただ、今回のコンセプトカーを見ると、「インホイールモーター」を持っているように思われ、日産得意のエレクトリック関連技術を活かした「レトロなだけではない」スポーツカーであることも予想できますね。
なおインフィニティのデザイン自体は「うねった」面が特徴で、日産本体のシャープなデザインとは大きく異なり、オフィシャルフォトで用いるのも今回のように「メタリックグレー」が多く、独特の世界観をもっているようです。
このあたり、「日産に対するインフィニティ」、「トヨタに対してのレクサス」のように同じような位置づけながらも、レクサスがトヨタと一部共通するデザイン言語を持つのとは異なって、インフィニティにおいてはかなりの自由が許されているようにも思います。
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これはインフィニティCEOがメディアに語ったもので、完全新設計のプラットフォームを使用し、バッテリーは日産との共同開発のものを搭載する、とのこと。
外観は2012年に発表した「Emerg-e」コンセプトに似たものになる可能性が高いようです。
Emerg-eは後輪駆動を採用し、400馬力を発生するスポーツカーですが、1000馬力や4WDが目立つ新型EVに比べると比較的地味なスペック。
ただしこれは中国市場をターゲットに据えた計画だそうで、リーフとプラットフォームをシェアするEV、「LE」とともに世界戦略車として位置づけるのでしょうね(インフニティは中国重視のため本社を香港に移している)。
なおインフィニティのCEOは日産CEO、カルロス・ゴーン氏ではなく別の人ですが、インフィニティは「日産本社の意向に束縛されない」展開を行うとしています。