| アキュラ重役「ZSXが発売されることはない」 |
アキュラのブランドリーダー、Emile Korkor氏がメディアに語ったところによると、「ベイビーNSX」こと「ZSX」は登場しないだろう、とのこと。
この「登場しない」というニュアンスには「発売するつもりはない」というところも含まれるようで、つまりZSXは幻に終わることがこれで決定的に。
今後しばらくホンダからスポーツカーは出ない?
ホンダはこれまでにもZSXのデザインをパテント登録したり、「ヴィジョン・グランツーリスも」を公開しており、その都度「ベイビーNSX」への期待が高まっていたものの、あまりに残念(残酷)な結果になったということですね。
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なおアキュラによると「ガソリンエンジンは過去のもので、これからはハイブリッドパワートレーンに注力する」としており、これはホンダのカナダ法人重役が語った「S2000の属するカテゴリは過去のもので、今はSUV」という内容にも似ています。
アメリカではホンダはじめ各メーカーに対して「スポーツカー発売」「レース参戦」の要望が強いようですが、実際のところスポーツカーのマーケットは小さく、利益の薄いカテゴリ。
そのため自社で新規開発を行うとコストを吸収することができず、トヨタ86とスバルBRZ、トヨタ・スープラとBMW Z4との共同開発といった事情が発生することになりますが、その意味では「次期マツダ・ロードスター」もどこか(トヨタ?)と共同開発となりそうですね。
もしS660の人気が継続していたり、NSXがもうちょっと売れていれば風向きも変わったのかもしれず、しかし今のホンダは「エレクトリックと環境一辺倒」なのは間違いなさそうです。
さらに近い将来「ガソリンエンジン車」はその終焉を迎えることになりそうですが、となるとホンダのスポーツカーを購入できる(NSXとシビック・タイプRしか残されていませんが)のも今の世代が最後、ということになるのかもしれません。
ホンダS660はなぜ軽規格で登場してしまったのか
なお、ぼくがいつも思うのは「ホンダはなぜS660を軽規格で作ったのか」。
軽自動車枠にとどめておくと開発費用が安く済み、スポーツカーを安価に発売できるというメリットは理解できるものの、「軽自動車は日本でしか販売できない」という現実も。
スポーツカーの市場は日本よりも北米、欧州のほうが大きく、グローバルで考えたほうがいいんじゃないか、ということですね(マツダ・ロードスターのように)。
つまり、S660が国内でヒットしようともそれを輸出できず、しかし1000ccあたりにスケールアップしようと考えても、そもそも安全基準などが「軽規格」なのでこれをアレンジして海外に輸出するのは難しいと思われます。
つまりS660は「その先の展開がない」クルマであり、おそらくは”限られた予算の中において”「国内市場で、日本で開発したスポーツカーを発売したかった(NSXはアメリカホンダ、シビック・タイプRはUKホンダの開発)のだろう、と考えています。