| ポルシェとアウディはより親密な関係に |
アウディとポルシェはかねてよりEVにおいて協調体制にありますが、今回新プラットフォームについての情報を公開。
これは以前にも話題となった「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(Premium Platform Electric=PPE)」で、これについては「かれこれ10ヶ月ほど開発を進めている」とのこと。
このプラットフォームを採用するモデルは3つで、二つはアウディとポルシェの共同、残る一つはポルシェの単独プロジェクトとなる模様。
EV向けプラットフォームは合計4種類?
これについては当然ながらEV専用プラットフォームとなり、ホイールベースの延長やフロアの高低について自由度があり、セダン、クロスオーバー双方に対応できる、としています。
この「PPE」プラットフォームを採用した最初の車は2021年登場とされ、このプロジェクトに関してはアウディから550名、ポルシェから300名が担当している模様。
ポルシェのオリバー・ブルーメCEOによると「ポルシェだけでこれを行っていれば、コストは30%ほど高くなっていた」と語っており、アウディとの共同作業による効率を主張しており、作業は順調に進んでいる、と言えそうです。
なお、ほかにEV用としては普及価格帯向けの「MEB(modular electrification platform)」、スポーツカー向けの「SPE」が計画されていることも明かされており、そしてさらに「もうひとつ」EV向けプラットフォームを開発することにも言及しています。
今回の「PPE」に該当するモデルが何なのかは不明で、ポルシェのほうは「ミッションE」かもしれず、しかしこれは2019年の発売予定なので、今回アウディの言う「2021年」とは時間的なズレも。
アウディの方ではe-tron quattroを2019年に発売するとしているものの、このe-tron quattroのプラットフォームも時期的に今回公表されたものに該当しない可能性が高く、となるとそれらは「過渡期の一台限り」のモデルなのか、それともそれらは次世代モデルにてPPEプラットフォームへと吸収されるのか、とにかく疑問が増すばかり。
とりあえず「MEB」「PPE」「SPE」のほかにもうひとつプラットフォームが追加され「合計4種類」を持つことになり(ミッションEやe-tron quattroのぶんを入れるともっと増える)、これは「将来的にプラットフォームは一種類」としているBMWとは大きく戦略が異なるところですね。
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ポルシェ「ミッションEの次は準備してある。アウディと協力して長期的EV戦略を進めている」
| ポルシェはミッションE発売を機に一気にイメージ変化? |
ポルシェはすでに「ミッションEVの次」を考えている模様。
ミッションEは2018-2019年あたりに発表されると言われますが、その次としてマカンのEV版を検討しており、次世代911(992)においてもエレクトリックモデルを投入、ということもポルシェ自身によって語られています。
さらにミッションEは2018-2019は相当数のバリエーションを持つと言われ、ミッションEの登場によってポルシェという会社のイメージは大きく変わりそうですね。
今回ポルシェの生産部門担当役員、アルブレヒト・レイモルド氏が語ったところによると「すでに(ミッションEVの次となる)ピュアエレクトリックモデル追加も念頭にあり、アウディと協力して長期的な未来の為に開発に取り組んでいる」とのこと。
ミッションEは一回の充電あたりの走行距離が500キロ、0-100キロ加速は3.5秒、価格は1000万円程度となり、ポジショニングは「911とパナメーラとの間」。
よって「スポーツカーとサルーン」との性格をある程度満たすことになり、そのため「次のEVはこれと被らないSUV=マカンをベース」というのが現在の方向性となっています。
なお、ミッションEの走行性能を支えるのが急速充電器で、これは「バッテリーの80%を15分程度で」充電するもの。
ポルシェが「ターボチャージング・システム」として開発し、他の自動車メーカーにもこの規格への適合を求めたもので、現在メルセデス・ベンツ、BMW、フォード、もちろんアウディもこれに賛同。
テスラや日本勢は無視といった状態ですが、EV(車体)同様、充電規格についても「戦国時代」となりそうですね。
ポルシェとアウディが今後より広い範囲で協業。ポルシェCEOはアウディのクローンになることを懸念
アウディとポルシェが2025年に向け、車両の開発技術についてより深い範囲で提携することを発表。
これはプラットフォーム、ソフトウエア、自動運転に関するもので、「優れたブレーンを持つ二社が共同開発を行うことで、優れた車を開発できる」とメディアに語っています。
一方でポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏は「ポルシェがアウディのクローンになることを恐れている」とし、慎重に両ブランドの差別化を図る必要がある、とも。
今回の協業について、どの車種やどのプラットフォームを共通化するかは公開されていないものの、「2025」というところからすると(この時期に欧州の多くの地域でガソリン車の販売ができなくなる)EVやハイブリッド車であろうことも想像可能。
おそらくミッションEの兄弟車がアウディからも登場することになるのだと思われますが、一方でアウディの持つハイブリッド技術とポルシェとのハイブリッド技術との融合、ポルシェではあまり手を付けていないと思われる(しかしアウディは研究を重ねている)自動運転技術、インターフェースに関する技術などをポルシェに供与することが考えられます。
すでにアウディでは一部エンジンの開発を停止し、ポルシェの開発したエンジンを搭載するようになっており、グループ内での技術やリソースの共有化が今後は加速しそうですね。
次期アウディR8は1000馬力のピュアEVに?ポルシェと共同開発のプラットフォームを使用か
| アウディは次期R8をピュアエレクトリック”e-tron”として発売? |
アウディはR8の後継モデルについて「ない」「いや、やっぱりある」と発言が二転三転している状況ですが、英国Autocarによると、フルエレクトリックモデル、つまり「e-tron」の一員として発売される、とのこと。
ちなみにアウディは以前に「Audi R8 e-tron(上の画像)」を発売しており、その時の価格はなんと1億2000万円。
もちろんバッテリーや開発コストが異常に高くついたためですが、さすがに今だと「もう少し」は安くできそう。
このアウディR8 e-tronの発売は2015-2016年の1年のみで(打ち切られた)、販売台数は100台程度(それでも100台も売れていた!)とされています。
ちなみに一回の充電当たりの航続可能距離は450キロ、最高速度は210km/h。
アウディR8の将来は不透明
なおR8は一旦「終了」との報道がなされ、その際には「アウディはスポーツカーから撤退」という話も出ており、そのライフがあやぶまれたものの、最近の報道ではポルシェ911、そして次期ランボルギーニV10、次期アウディR8とがプラットフォームを共有、という話も出ていて、まさに「何が本当なのかわかならない」状態。
さらにはアウディ自らが「スーパーEV」の発売について言及したりと、この1年以内でも大きく話が二転三転しており、本当に「わからない」のが現状です。
なお、今回出てきた話だと次期R8は「ピュアエレクトリック」、しかも1000馬力。
となるとポルシェ911とプラットフォーム共有というウワサもちょっと怪しくなってきて(次期ポルシェ911のプラットフォームははプラグインハイブリッドに対応しているとはいえど、さすがにピュアEVには対応していないと思われる)、まさに情報は混乱を極めている、という感じです。
次期アウディR8が登場するとしても2022年となりそうですが、デザインは先日公開された「PB18 e-tron」を強く意識したものになるとされ、これが事実だとすると相当に面白いクルマとなりそう。
ちなみにポルシェとアウディはEV向けプラットフォームをいくつか共同開発しており、この中には「スポーツカー向け」プラットフォームも含まれることが明らかになっていますが、新型アウディR8"e-tron"はこのスポーツカー向けプラットフォーム”SPE”を使用するのかもしれませんね。