| ポルシェもいずれは自動運転を取り入れてゆくことに |
アメリカで開催されたポルシェの祭典「レンシュポルト・リユニオン」にて、ポルシェの北米法人CEOであるクラウス・ツェルマー氏がカーメディア「Motor Authority」に語ったところによると、将来的に自動運転化が進み、ポルシェも自動運転を取り入れてゆくだろうが、どうなろうともステアリングホイールとペダルを無くすようなことはしない、とのこと。
加えて「我々の考えとしては、ドライバーは常にクルマと繋がっているべきであり、それはステアリングホイール、ペダル、ときにはマニュアル・トランスミッションによるべきであって、それらはクルマによって操作されるべきではない」とも語っています。
一方で「渋滞など、運転を楽しめない状況ではクルマにドライブを任せたほうがいい場合もあるし、それを望む顧客も存在するだろう」とも述べていて、やはり自動運転について部分的に取り入れてゆくのは間違いなさそうですね。
以前、ポルシェは自動運転に否定的であったが・・・
なお、2016年前半あたりだとポルシェは自動運転については否定的で、こにれはほぼ関心がなかった模様。
ただし、「最適な速度でカーブを曲がる」ことで渋滞を減らす(人が運転すると遅すぎたり、早すぎる侵入による急ブレーキが渋滞を引き起こしているとの判断に基づく)という自動運転技術は比較的早期からコンセプトとして掲げていますね。
https://intensive911.com/?p=45729
ただ、その後フォルクスワーゲングループが「エレクトリック」「自動運転」へと大きくシフトしたことを受けてポルシェもその波に飲まれているのが現在の状況ですが、今回のコメントではひとまず「自分でクルマをコントロールする」「マニュアル・トランスミッションは継続」ということになりそうです。
ただしマニュアル・トランスミッションは年々減少中
ちなみにマニュアル・トランスミッションは「死に体」で、言い換えると「オワコン」。
こんな感じで(アメリカ市場の統計で、CARMAXによるもの)減少を続けており、販売されるクルマの5%以下と言った状況です。
この5%はほぼ商用車やスポーツカーに集中していると思われるものの、あれだけマニュアルが好まれたシボレー・コルベットでも「ほぼ選択されていない」ということが明らかになっていますし、今後さらに減少を続けそう。
BMWはすでに「マニュアル廃止」を宣言していますが、逆にマニュアル継続を表明しているのはポルシェとアストンマーティンで、しかしそれらにおいても「ほぼ」マニュアル・トランスミッションを選ぶ人がいないという現実を考えると、マニュアル・トランスミッションはメーカー側の判断ではなく、市場の判断によって消え去るのかもしれません。
VIA:Motor Authority
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ポルシェが明言。「我々は可能な限りMTを作る。たとえMTのシェアが10%になろうとも」
ポルシェ911ターボなど4WD系のエンジニアリング部門責任者によると、「我々は可能な限りマニュアル・トランスミッションを作り続ける」とのここと。
現在はポルシェにおいてもPDKが主流であり(現在はポルシェの85%がPDK)、そもそもPDKは自動車業界でもポルシェがかなり早い段階で(レース用として)開発した技術(その後VWに渡り、VWがDSGとして製品化)ですが、ポルシェの市販車への採用は比較的のちになってから。
その際、ポルシェから「もうMTに存在理由は見いだせない」という発言があったりして存続が危ぶまれたMTですが、今回はその将来に明かりが灯ったと考えてよいでしょう。
発言によると「たとえそのシェアが10%になろうと、顧客にとって、とくに感情面においてMTは重要だ。ことに北米マーケットにおいては。そのため、我々は可能な限りMTを存続させる」とのこと。
なお北米というのは特殊な市場で、ATが主流ながらもスポーツカーにおいてはMTが非常に好まれるという特性があります(つまりなんでもかんでもAT、というわけではない)。
逆に日本市場は「なんでもかんでもAT」で、スポーツカーであってもATが好まれる傾向にあるようですね。
なおポルシェもVWのディーゼル不正問題の影響を人事面で大きく受けており、またどこかで翻意がある可能性も考慮する必要があるかもしれません(かつてGT3においてもMTを必ず作ると言っていたことがある。その際も感情面や”ドーナツターンができなくなるから”という面白い理由からだった)。