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BMWは新型Z4の加速タイムを”スープラ超え”に上方修正。新型スープラのスペックよりも劣るのが我慢できなかった模様

2019/01/16

BMW Z4の0-60マイル加速タイムが4.4秒から3.9秒に修正される

トヨタは先日デトロイト・モーターショーにて新型スープラを発表しましたが、その際に公表したのが「0-100km/h加速4.3秒」という数字。
アメリカだとキロではなく「マイル」が使用されるため、「時速0-60マイル(時速96キロ)」が「0-100キロ」の代わりに用いられるのが一般的ですが、この「0-60マイル」だと新型トヨタ・スープラは4.1秒という数字を誇ることになります。

BMWとトヨタとの共同開発は「今後もうない」かもしれない

そして、どうやらその数字が気に入らなかったのがBMW。
BMWとトヨタは今回共同にてスポーツカーを開発し、BMWは「Z4」として、トヨタは「スープラ」としてそれぞれ発売する運びとなっていますが、BMW Z4(M40i)はスープラよりも先に発表されており、その際に「0-60マイル加速は4.4秒」とアナウンスされています。

そこへ来てトヨタが「スープラは4.1秒」と発表したことが癪に障ったようで、BMWはなんと発表済みの「4.4秒」から「じつは新型Z4の0-60マイル加速タイムは3.9秒だった」といった具合に修正を行うという事態へと発展。

この「数字の修正」はもちろんBMWがスープラを意識したからに他ならないと思いますが、BMWとしては「エンジン含むドライブトレーンはBMW製であり、本家BMWが供給”先”であるトヨタに遅れることがあってはならない、ということなのでしょうね。

なお、新型トヨタGRスープラ、新型BMW Z4は共同開発と言えど「BMW色のほうが濃い」のも事実。
プラットフォームはともかくとして、上述のように新型スープラのエンジン、トランスミッション含めたドライブトレーンはBMW製で、内装のパーツもステアリングホイールなどを見る限りBMW製。

そしてインフォテイメントシステムもやはりBMW製で、外装だとドアミラーもBMWを採用するなど、新型スープラの大半はBMWだと言っても過言ではないほど。

そういったこともあってBMWはトヨタに対して「コンポーネントを供給してやった」という意識が強いのは間違いなく、実際のところ同じエンジンを搭載しながらもZ4は「385馬力」、スープラは「350馬力」。

プラットフォームやトランスミッションも同じであり、となると排気管の取り回しにも差異はないはずで、つまり出力の違いが生じるような構造の差異はなく、しかし実際に「35馬力」の差があるということは、BMWがトヨタに対して優位性を保つために「意図的に」差をつけたということになりそうです(メルセデスAMGと、そのエンジンを使用するアストンマーティンとの間にも同様の現象が見られる)。

実際のところ、新型Z4/新型スープラの発表前から両者の主張は相容れないものがあり、BMWは「トヨタは何も言ってこない。スープラもZ4もBMWが開発した」「BMWは最高のスポーツカーで、スープラとは異なる」と主張。

一方でトヨタは「BMWとは初期の段階でサイズなどを決めた以外は連絡を取っておらず、スープラの開発は日本で進めた」「スープラはピュアスポーツカーでありZ4とは違う」とコメント。

要するに「仲が悪い」のだと思いますが、それだけにBMWとしては「スープラがZ4の上を行く」のが我慢できなかったのでしょうね。

ちなみにZ4の出力は385馬力、車体重量は1,561キロ。
対するスープラの出力は350馬力、車体重量1,540キロ。
パワーウエイトレシオだとZ4が4.05、スープラが4.4なので、オープンモデルという(ボディ剛性に劣る)ハンデを考慮してもZ4のほうが加速に優れるのは頷けるところでもあります。※両者は駆動方式、重量配分、トランスミッションに差はなく、トラクションコントロールも同一だと思われるため

トヨタは今後、おそらく「スープラGRMN」を発売することになると思いますが、場合によってはBMWが「Z4 M」でこれに対抗する可能性もあり(BMWはZ4のMモデルはない、と”今のところ”語っている)、BMWとトヨタとの仁義なき戦いがここに始まるということになりそうですね。

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