ボディパネルはフルカーボン
ポルシェチューナーとして知られるゲンバラ(Gemballa)が991世代の911ターボをベースにチューンした「ゲンバラGTR 8XX Evo-Rの実車を公開。
ゲンバラはすでに昨年、「構想」としてのGTR 8XX Evo-Rを公開していますが、この時点での「目標」出力は828馬力、0-100キロ加速2.3秒というスペック。
今回発表された実車はこれに少し届かず「810馬力」「2.38秒」とやや目標に遅れるものの、ノーマルの911ターボの出力「580馬力」はもちろん、911GT2RSの「700馬力」を大きく超えるスペックを持つのには間違いありません。
雰囲気は993世代のGT2
今回公開された画像を見るに、これまでに公開されたスケッチ同様に過激なオーバーフェンダーとリアウイングを持ち、雰囲気的には「911GT2(993)」の現代版といった感じ。
ダウンフォースを強化するため、フロントフェンダーに至るまでカナードが装着されています。
なお、これほどまでにダウンフォースを強化しながらも最高速度は370km/h。
これもまた911GT2RSの340mk/hを大きく超える数字ですね。
ゲンバラ911GT 8XX Evo-Rのボディパネルはすべてカーボン製で、ルーフ以外はおそらく「すべて」入れ替え(ホイールサイズは意外に小さい)。
フロントフードもベンチレーションが強化されたデザインへと交換され、フロントバンパーには大きなエアインテークが口を開けることに。
オーバーフェンダーはフロント30ミリ、リアでは片側50ミリ拡大し、リアフェンダー上のインテークはオーバーフェンダーにも”被る”ことに。
リアウイングの付け根にもエアインテークが設けられていますね。
エンジンとその周辺についても満遍なく手が入り、とくに吸気系は大幅にアップグレード。
ボディパネル同様に吸気系、そしてインテリアにもカーボンファイバーが多用されていますが、これのフィニッシュは「グロス」もしくは「フラット」が選べる、とのこと。
その外装に比較するとインテリアはかなりシンプルで、もともとの911ターボの雰囲気を色濃く残すことになり、リアには頑強なロールケージが追加され、その強大なパワーを受け止めるべく備えています。
こういったところを見るに、この911GTR 8XX Evo-Rは「ドレスアップ」要素はほぼ考えず、走行性能のみに特化したチューンドカーだと言えそうですね。
ゲンバラはこういった会社
ゲンバラはウーヴェ・ゲンバラ氏によって1979年に設立され、主にポルシェのチューンをメインに活動。
RUFと並んで語られるも経営難に陥ることになり、2010年に破産宣告を行なっていますが、この際に様々な黒い噂が噴出していて、同年にウーヴェ・ゲンバラ氏がすぐに別会社を設立しことから「計画倒産」だと言われたことも。
その後ゲンバラ氏は「失踪」したと報じられ、その後に南アフリカで死体となって発見され、マフィアによって殺害されたことが判明しています。
会社の運営資金をマフィアから調達し、返済ができなかったために殺害されたものと言われていますが、まさに映画のような話ではありますね。
なお、現代のゲンバラは新しい経営陣によって運営されており、このゲンバラ911GTR 8XX Evo-Rが久々の作品となります。