スポンサーはボールペンの「パイロット」
生産わずか3台のみとされる「フェラーリF40LM」の一台、シャシーナンバー74045”パイロットF40”が競売に登場。
フェラーリF40そのものは1987年に発表された限定モデルで、当初350台限定の予定だったものの、あまりに大きな反響があったために生産を延長して1992年までに1,311台を生産しています。
デザインはピニンファリーナ、そしてエンツォ・フェラーリが手がけた最後の限定フェラーリということで今なお高い人気を誇るほか、「そのままレースに参加できる」というコンセプトをそのまま再現したため、あまりに運転が困難なことでも有名ですね。
出力はなんと最大で780馬力
そんなF40ですが、レース用として「F40 LM」が3台、F40コンペティツォーネが16台がミケロット(レーシングカーコンストラクターで、現在でもフェラーリのレーシングカーを手がける)によって生み出され、これはより大きなIHI製のターボチャージャー、そして発生する熱に対応するためのインタークーラー、ウェーバー・マレリ製のインジェクションシステム、レース用ブレーキシステム、そしてこれもレース用のトランスミッションを持っています。
その結果出力はノーマルの478馬力から一気に700馬力以上にまで増加し、中には780馬力を発生する個体も。
このパイロットF40はF40LMとしては「3台目」で、もともとプリプロダクションプロトタイプとしてフェラーリが使用していたものをミケロットへと(フェラーリが)送り込んでレーススペックへと改造したもの。
この個体は多くのレースに参戦し、1995年と1996年のル・マンをはじめ(1995年は総合12位、GT1クラスで6位)各種GTシリーズでも活躍することに。
コンディションは「トップクラス」で、各種ヴィンテージレーシングイベントへの参加はもちろん、フェラーリの開催する「クラブGTコンペティツォーニ」への出場も可能だそう。
スポンサーは文房具の「パイロット」(フロントフードにペンの絵が描かれている)。
ボディカラーは「フレンチブルー」だとされますが、パイロットコーポレーションは好んでブルーを用いているため(ロゴもブルー)、このボディカラーはパイロットの意向なのかも。
ブレーキペダルには滑り止めが施され、アクセルペダルは当時「当たり前」だったケーブル式(アクセルワイヤー)。
このワイヤーの取り回しもけっこうスロットルレスポンスに影響したりして、当時乗っていたクルマの「ワイヤーの滑り」を良くしたり、ということに腐心していたことを思い出します。
シートはスパルコ。
競技用なのでもちろん消化器も。
メーターもシンプルなレース用。
たしかにインタークーラーは「巨大」。
エキゾーストパイプの取り回しはかなり独特ですね(左右から出しても良さそうですが、なぜかトランスミッションの上を通ってセンター出し)。
シフトノブにも滑り止めっぽい模様が。
ドアを開くときはこのケーブルを「引っ張る」ことで行います。