そして新ブランド「R-Reforged」が誕生
先日、「2台セット」で販売する「センテナリーコレクション」を発表したばかりのアストンマーティン。
これはザガート100周年、アストンマーティンとザガートとの関係構築60周年を記念したもので、DBS GTザガートと(最初のアストンマーティンとザガートとのコラボ作品となった)DB4 GTザガート・コンティニュエーションとがペアになり、19セットが約8億8000万円にて販売されるもの。
アストンマーティンからライセンス供与を受け、レーシングチームが限定モデルを発売
そして今回発表されたのが「ヴァンテージV12ザガート・ヘリテージ・ツインズ(Vantage V12 Zagato Heritage Twins by R-Reforged)。
これはAFレーシングが立ち上げた「R-Reforged(Rリフォージド)」から登場する第一弾プロジェクトとなり、アストンマーティンが正式に認めた企画だそう。
AFレーシングはアストンマーティン等にてレース活動を行っていますが、その成果や実績が認められた結果だと思われ、DBZセンテナリーコレクション同様に19セットのみの発売となります。
なお、ザガートが活動をはじめたのは1919年(創始者はウーゴ・ザガート)、そして今年は2019年なので、「19」はこのあたりから決定されたのだと思われます。
セット内容を見ると、アストンマーティン・ヴァンテージV12ザガート”クーペ”に加え、ヴァンテージV12ザガート”スピードスター”にて構成されることに。
そしてここで注目すべきは、現行ヴァンテージではなく、先代ヴァンテージがベースとなっていること。
この「ヴァンテージV12ザガート・クーペ」は2012年に101台限定にて発売されており(予定していた150台よりも少ない)、その新車価格は約4100万円ほど。※中古市場では8000万円を超える
そしてこのヴァンテージV12ザガートは、アストンマーティンとザガートの初コラボレーションである「DB4GTザガート」の誕生50周年を記念して誕生したモデルという位置づけで、エンジンは6リッターV12、出力は517馬力。
ボディはもちろんザガートによるデザインと製造となり、アルミニウムとカーボンファイバーによって構成されます。
アストンマーティン・ヴァンテージV12スピードスターはおそらく「初」
そしてもうひとつのトピックは、ヴァンテージV12ザガート「スピードスター」がセットに含まれること。
「ヴァンテージV12ザガート」は公式にはクーペのみの生産であり、オープンモデルのヴォランテはもちろん、スピードスターも製造されていないので、これは大変な価値を持つことになりそうです。
なお、現行ヴァンテージでもヴァンキッシュでもDBSスーパーレッジェーラでもなく「先代ヴァンテージ」を選んだのは、現ザガートCEO、アンドレア・ザガート博士によると「ヴァンテージV12ザガートが、ザガート史上もっともレトロフューチャーなデザインを持っているから」。
たしかに最新の「ヴァンキッシュ・ザガート」に比較するとずいぶんレトロな雰囲気を持っていて、タイムレスな雰囲気もあると思います。
そしてぼく的に重要視したいのは、(おそらく)このモデルは、すでにアストンマーティンが製造を中止した「自然吸気V12エンジン」を積んでいるであろうこと。
これは2012年のヴァンテージV12ザガートがそうであったからという理由ですが、「レトロ」を重視しているのであれば、そして設計変更をしてまでV12ツインターボを積む必要性が感じられないことからも、このヴァンテージV12ザガート・ヘリテージ・ツインズは"もう二度と新車で手に入れることができない"V12自然吸気エンジン、そしてトランスミッションには「マニュアル」が(当時同様)採用されるだろう、と考えています。
なお、製造はAFレーシングにて行われると発表され、その価格については公表はなく、しかし相当な高額となるであろうこと、それにもかかわらず激しい争奪戦となるであろうことも容易に予想できます。