| その出来は内外装ともに純正をリスペクト。さらにワンオフ感も漂う |
歴史上、「フェラーリをワゴンにカスタム」した車両はいくつか存在しますが、ここにまた新たな一台が登場することに。
これはVandenbrink Designが公開したもので、ベースは612スカリエッティ。
正直、「最初からこうだったんじゃないか」と思えるほどの自然さを持っており、無理やりっぽさがまったく感じられないカスタムカーです。
なお、もとのフェラーリ612スカリエッティはこんなクルマ。
ベースはフェラーリ612スカリエッティの中古、販売価格は3700万円
Bandenbrink Designは今回のコンバージョンについて詳細を公開していないものの、ルーフの延長に伴いリアクォーターウインドウの形状も変更しているようですね。
ベースとなったのは2005年モデルのフェラーリ612スカリエッティで、走行距離は28,867km、そして販売価格は邦貨換算にて約3700万円(コンバージョン費用を考えると、けっこう安いような気もする)。※日本における612スカリエッティの新車価格は3660万円だった
延長されたルーフにはガラスが埋め込まれますが、その形状、周囲の「窪み」がまた秀逸。
フェラーリ612スカリエッティがもともと持っているサイドのキャラクターラインと一致するような形状を持ち、デザイン的な統一感を出しているほか、コンセプトカーのようなエキゾチックな雰囲気を出している、と思います。
リアゲートにはルーフスポイラーが取り付けられ、リアウインドウは熱線入り、そしてワイパーも装備するなど実用性も兼ね備えます。
フロント、サイドは大きく変わらず。
Cピラーにも「窪み」が与えられることになり、これによって面積の大きなCピラーを立体的に見せています。
ちなみにフロントのフェラーリエンブレムはBandenbrink Designのものへと置き換えられているようですね(フロントグリル、リアの跳ね馬=プランシングホースはそのまま)。
フェラーリ612スカリエッティは2004年から2011年までに販売されたV12モデルで、エンジン搭載位置はフロント、駆動輪は後輪のみ。
5.7リッターV12は540馬力を発生します。
もともとのボディサイズは全長4902ミリ、全幅1957ミリ、全高1344ミリとかなり大きなクルマ。
「V12エンジンをフロントに搭載するクーペ」というパッケージングではその後継モデルは存在しないものの、「V12をフロントに搭載する4人乗り」という意味だと、「FF」がその後継に該当するかもしれません。
ボディデザインはピニンファリーナが担当し、当時ピニンファリーナに在籍していたフランク・ステファンソン氏(後にマクラーレンMP4-12Cをデザイン)、ケン・オクヤマ氏(エンツォ・フェラーリをデザイン)が関わった、とされています。
”Bandenbrink Design”フェラーリ612スカリエッティ・ワゴンのインテリアもオリジナル重視
そしてこの612スカリエッティ・ワゴンのインテリアもルーフ延長、荷室拡大によって大きく後ろ半分が変更されていますが、これもまた「フェラーリ純正」と言っても差し支えないレベル。
タンレザー、厚みのあるパッドの入る内張り、ラゲッジルーム内のレールも「純正然と」仕上げられた部分ですね。
なお、Bandenbrink Designは今後数台を製造する予定があるそうで、「FFではなく」あえて612スカリエッティをワゴンで乗りたいというオーナーには朗報かもしれません。