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新型TVRグリフィスの生産がさらに遅れ、具体的な時期が不明に。いったいなぜこんなことに

2019/06/22

| 自動車メーカーを立ち上げるのは本当に難しい |

TVRは2017年に新型グリフィスを発表し、2018年には生産を行う予定だったもの、それがずっと遅れており、さらに今回「また遅れる」と発表。

今回の生産遅延の背景にあるのは「欧州の規制」。
ただしこれはエンジンの排出する二酸化炭素の問題ではなく、「生産する工場そのものが規制に対応しなければならなくなったため」。

政府が出資すると話がややこしいことに

なぜ今この問題が出てきたかというと、今回ウェールズ政府(イギリス)がTVRの株式3%を買い取り、さらに2億8000万円を出資。
これによってTVRはウェールズ政府の言うことを聞かなければならなくなったということを意味しますが、同時にEUにて定められる「政府の出資による規定」にも従う必要が発生しています。

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その詳細は不明ではあるものの、おそらくは「透明性」を図るために工場の建設業者などの選定や入札に関してクリーンさを保つ必要があると見られ、そのためウェールズの運輸建設大臣であるケン・スケーツ氏は「現在最適な建設業者を選定しているところ」。※もしくは設備の問題か。防火装置、貯水タンクに問題が見つかったとも報道される

ただ、今からTVRを作る工場を建設するということは、裏返せば「生産工場すらこの時点で存在しない」ということになり、今回の問題以外にも「生産の遅れ」については大きな原因があるのかもしれません(それを解消するためにウェールズ政府が出資したということになりそうですが)。

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ウェールズ政府は重工業誘致に積極的

なお、ウェールズというと、ほかにもアストンマーティンの工場を誘致しています。
これは今まで空軍が使用していた基地を安くアストンマーティンに払い下げ、アストンマーティンの新工場をそこに持ってきて、そこで発生する雇用によってウェールズの経済を回復させようという政策のひとつですね。

そしてアストンマーティンはウェールズにて行われる様々なイベントに出席したり、ティーザーキャンペーンを開始している「DBX」のボディサイドにも大きくウェールズの紋章を掲げ「INVESTING IN WALES」の文字を入れるなど、ウェールズ政府の意向を強く反映していることがわかります。※ウェールズはかつて工業で発展した地方であり、その流れをくんで工場建設に積極的なのかも。なお土壌の問題で農耕には向かないとされる

現在、TVRグリフィスの生産開始時期は不明ではあるものの、TVRはすぐにでも生産を開始したい意向を持っており、「もうじき、生産開始をお伝えできると思う」というコメントを発しています。

TVRグリフィスはこんなクルマ

TVRグリフィスのエンジンはフォード製5リッターV8をコスワースがチューンしたもので、500馬力を発生。
車体重量は1250キロと非常に軽量で、重量配分は前後50:50、トランスミッションはMTのみ。

0-100キロ加速は4秒以下(MTなので遅く見えるが、MTでこのタイムを出せるのはかなり稀)、そして最高速度は321km/h。

ボディサイズは全長4314ミリ、全幅1850ミリ、高さ1239ミリ、アウターパネルはカーボンファイバー製、車体そのものはスチールとカーボンとを結合させた「iStream(ゴードン・マレーの設計による)」。

現代まれに見るスパルタンなクルマであり、どんどん乗りやすくなり、ドライバーズエイドとデュアルクラッチによって「本当の姿」がわからなくなってしまった近年のスーパースポーツに対するアンチテーゼだとも言えそうなクルマですね。

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