| 完全に分解を行い文字通り新車コンディションに |
マツダは初代(NA)ロードスターのレストアサービスを開始していますが、今回その「4台目」が完成し、完成状態を公開。
このロードスターの年式は1992、ボディカラーはNEO GREEN。
クラシカルなワイヤースポークホイールを装着しており、幌はNBロードスター用のグレーを使用している、とのこと。
インテリアは復刻レザーを使用
インテリアも完全にレストアが行われていますが、特徴的なタンレザーは「復刻した生地」を使用。
ステアリングホイール、シフトノブ(ナルディ製)は新品に交換されているそうです。
こちらはエンジンルーム。
エンジン本体はオーバーホールが施され、車体同様に新車同様のコンディションへ。
なお、ボディカラーについては「変更」もできるそうですが、このオーナーさんはネオグリーンからネオグリーンへと再ペイントを行っています。
塗装に関しては「ラインでの流れ業」ではなく手作業となり、ワンオフ車を作るのと同じ工程を経ていることがわかります。
マツダはなぜロードスターのレストアを開始?
マツダのロードスターレストア事業については、”NAファンの「NAロードスターを永く乗り続けたい」という愛情と熱意、そして、「長く愛されてきたクルマを愛でる文化を育てたい」というマツダの願い”から、2015年にまず検討を開始する段階からスタート。
とはいっても順風満帆にスタートできたわけではなく、サプライヤーの協力、レストアを行うショップとの打ち合わせ等々様々な壁を乗り越え、2017年13月13日に晴れて事業開始。
現段階においてもまだ「できないこと」があるそうですが、経験値とともに「できること」が今後増えてゆくものと思われます。
なお、「コレクションに値するクルマがあるか」「乗り続ける価値があるクルマを持っているか」がその自動車メーカーのブランドバリューを決定すると言ってよく、マクラーレンやジャガー、アストンマーティン、フェラーリそしてランボルギーニも「過去の資産の上に」現在の高いブランド力を構築している、とも考えられます。
それを知るからこそ、上述の各社とも自前の「クラシックモデルのレストア部門」を持っているということになりますが、日本の自動車メーカーも遅ればせながらそこへ参入し、自社の価値を高めようという動きを見せているわけですね。
現時点だとマツダのほか、ホンダと日産が過去のクルマ向けにパーツ供給をアナウンスしているものの、レストアを行っているのはマツダのみ。
しかもロードスターは「累計生産100万台」を達成し、世界中で愛されているモデルというのは他メーカーにはない大きな強み。
その「初代」をしっかりしたコンディションにて後世に残すということは、マツダのブランド価値を高めるために「もってこい」の手段と言えるかもしれませんね(古かったり、多く売れたりすればいいというわけではなく、人々に愛されるクルマでなければ、そもそもレストアしようとは考えない)。
ロードスターのレストアはどうやって行うの?
なお、マツダ・ロードスターのレストアについてはややハードルが高く、「審査」が設けられています。※状態が悪かったり、改造されているとレストアを受けてもらえない
流れとしては、WEB申し込み→書類審査→車両確認→受付(広島/横浜)→レストア開始(広島)→TUV認定→納車(広島/横浜)、というもの。
そしてレストア作業自体はまずパーツを全部バラすところから(画像は3号車)。
その後洗浄を行い、塗装の剥離を行います。
正直、これがいちばん手間のかかる作業かも。
そしてパネルを処理した後に下塗り開始。
そして内装までもしっかりペイント。
塗装が完了したらパーツ組み上げを行って完了。
ちなみに上記はレストアの「基本メニュー」となりますが、その内容は下記の通り。
この内容にて費用は2,547,000円〜とのこと。
・車両診断 ・全塗装 ・フタ物新品交換 ・ランプ/ワイパー等交換 ・復刻ソフトトップへ張替 ・小ダメージの板金処理 |
そのほか、オプションメニューは下記の通り公開されています。
オプションメニューA(713,000円〜) ・インパネ/トリム類 ・シート表皮張替 ・カーペット交換 オプションメニューB(815,000円〜) ・エンジンOH ・吸排気部品交換 ・冷却系部品交換 ・トランスミッション交換 ・ドライブシャフト交換 ・デフ調整 オプションメニューC(408,000円〜) ・サスペンション交換 ・ブッシュ類交換 ・ベアリング類交換 ・ブレーキ部品交換 オプションメニューD(255,000円〜) ・エアコン関連部品(一部リビルト品使用) ・オプションメニューE(204,000円〜) ・復刻アルミホイール ・復刻タイヤ(1台分) |
VIA:MAZDA