| それでもBMW i3が果たした役割、貢献度は大きかった |
BMWのマーケティングディレクター、ピーター・ノータ氏によると「BMW i3の後継モデルは開発しない」とし、さらに「i3に残された日々は限られている」とコメント。
さらにピーター・ノータ氏によると、「現在、i3の後継について確固たるプランはない。我々は現在、よりメインストリームに対してエレクトリック化を進めている」。
EV黎明期には発揮できた強みも、今では通用しにくくなっている
この発言の意図としては、「より”売れる”層にフォーカスする」ということだと思われ、i3のような価格の高いEVは切り捨てる、ということになるのかも。
i3は、BMWはによると「サブコンパクト・ラグジュアリー」だと定義され、その価格は北米では44,450ドルから。
この価格は先日発表された「フォルクスワーゲンID.3」や「ホンダe」に比較してかなり高い価格(これらは3万ドルくらい)であり、もはや競争力を失ってしまった、という判断なのかもしれません。
ただ、i3は商業的に成功しなかったといえど一定の意義はあったと考えられ、そればBMWがエレクトリック化に熱心であり、環境に対しても強い関心を持つ企業だということをアピールできたから。
i3はその製造工場までを「カーボン(二酸化炭素)フリー」とし、水力発電や風力発電にて得た電力を使用するなど、相当なコストを投じています。
そして投入時(2013年)はまだEVという存在自体が珍しく、その環境の中でEVを「プレミアム」な乗り物だと位置づけてi8と一緒に売り出すことで大きな注目を集めたことになりますが、やはり価格が高すぎたこと、インフラ等周辺環境が追いつかなかったことで販売は伸びず。
そうこうしているうち、今回のVW ID.3やホンダeのような「普及価格帯(といってもまだ割高ですが)」のEVが登場するようになり、もはやi3の存在するゾーンは失われてしまったのかもしれません。
今後、BMWは2023年までに13車種のピュアEVを投入するとしているものの、こういった状況を鑑みてそれらは「同スペック、同セグメントのガソリン車と同じくらいの価格帯」となるのかも。
そのためか、今後登場すると思われる「i4」の外観はi3やi8とは大きく異なって「普通のBMW」っぽくも見えますが、デザインも含め、より普遍的な「メインストリーム」を目指すということなのでしょうね。
ただ、BMWはi3が「予想通り売れなかった」ことでややEVに対して悲観的になっており、フルエレクトリックよりPHEVを重視した戦略に切り替える、という報道も聞こえます。