| ハマーは日本でも人気があっただけに、大きな話題を呼びそうだ |
過去に何度か出てきた、「ハマーがエレクトリック化されて復活」というウワサ。
ハマーはもともと軍用車であるハンヴィー(HMMWV=High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle=高機動多用途装輪車)をアーノルド・シュワルツェネッガー氏の要望にて公道用に改造した「H1」がそのルーツ。
ハンヴィーを製造していたAMゼネラルは1999年にその商標権をGM(ゼネラルモータース)へと譲渡されたことを機にH2、H3へとラインアップを拡大していますが、その後湾岸戦争が勃発し、燃費の悪いハマーは「産油国を儲けさせるだけだ」として非難の対象となり、ハマーやハマーディーラーを爆破する「ハマー・ボマー」なる(アメリカ)愛国者も登場したほど。
更にその後環境問題も表面化し、原油価格が高騰したこともあってハマーは社会的に存在を許されなくなって2010年に消滅していますが、この際には中国の自動車メーカーがハマーブランド買収に興味を示したものの、結局は売却話がまとまらなかったようですね。
ハマーがエレクトリックブランドにて復活というウワサが再び。GM内でキャデラックと車体を共有し、プレミアムSUV/トラックブランドへ
ハマーはある意味で「運が悪かった」
ただ、その後にシェールオイルの実用化によってアメリカ国内の原油価格が大きく下がり、これによって「燃費の悪い」SUVが売れるようになったのは大きな状況の変化(2010年前後はSUVが敬遠されていた。今からは信じられないけど)。
こういった事情の変化を見るに、「ハマーももううちょっと頑張っていれば消滅せずにすんだのにな・・・」と思ったりするのですが、とにかく数奇な運命をたどったのがハマーブランドだと言えそうです。
ちなみにハマーを民生用車として世に送り出したアーノルド・シュワルツェネッガー氏本人は自身の出資する会社にて「ハマーをフルエレクトリック」へとコンバートしており、さらにはメルセデス・ベンツGクラスもエレクトリック化するという動きを見せているのは興味深いところ。
どうやらハマーは本当に復活するようだ
そして今回これとは別に出てきたのが今回、本家本元のGMがハマーをエレクトリックブランドとしてリブートするという話で、以前にはGM社内で「プロジェクトO」と称してかなりの段階まで進んでいる、とも言われます。
そして新たにウォールストリート・ジャーナルが報じたところでは「GMはレブロン・ジェームズをイメージキャラクターに起用し、スーパーボウルにてエレクトリックブランドとしてのハマーをPRする」。
そして実際にエレクトリックハマーが路上を走るのは2021年となり、「ワイルドで、ジープ・グラディエーターのようなピックアップスタイルを持ち、オフロード愛好家に向けたクルマ」になる」とも。
そしてハイパフォーマンスバージョンは1年後、そのもう1年後にはSUVボディも登場すると報じられていますが、要は(FCAグループの所有する)ジープに対抗したいということだと思われ、しかしガソリンエンジンでは競争力を発揮できないので、エレクトリックで行こうとなったのでしょうね。
そして「10年以上ブランクのある」ハマーだけに、新生「ハマー」はスタンドアローンブランドではなく、GMの人気ピックアップブランド「GMC」のサブブランドという位置づけとなり、「ハマー・バイGMC」と表記される、という報道もあるようです。
つまりは相当に具体的な話が出てきているうということになり、ここまで情報が出揃うと「どうやら本当にハマーが復活しそうだ」という感じ。
日本でもハマーは一定の人気を誇っていただけに、たとえエレクトリックと言えども”復活”となれば大きな注目を集めることになるのかもしれません。