| 価格は約410万円、走行可能距離は482km、0-100km/h加速は2.9秒のハイコストパフォーマンス |
ヘンリク・フィスカー氏率いる自動車メーカー、「フィスカー・オートモーティブ」が発売予定のエレクトリックSUV、「オーシャン(OCEAN)」。
すでに1月はじめにラスベガスにて開催された家電見本市「CES」にて概要が公開されていますが、今回は追加にて画像そして情報が公開に。
そして今回公開された情報そして以前に公開された情報をまとめると、フィスカー・オーシャンは80kWhバッテリーを持つピュアEV。
駆動方式は4WD、0-100キロ加速は驚きの2.9秒、一回の充電あたり総効可能距離は482km。
なお、30分あれば321kmぶんの充電を行うことが可能で、ルーフパネルに設置した太陽電池は「年間で1,600キロが走行可能な」電力を発電可能だとアナウンスされています。
フィスカーは一応「実績のある」自動車メーカー
そのほかわかっていることは「ホイールは20インチ、オプションで22インチ」、エントリーレベルのオーシャンだとその価格は37,499ドル(約410万円)、納車は2022年から、「リース」プログラムもある、ということ。
そのデザインはシンプルながらも「大胆」だと言えるもので、大きなグリル、それに反して小さなヘッドライトが特徴的。
ホイールアーチは大きく、収められるタイヤも巨大です(22インチには見えない)。
ちなみにこのオーシャンには「カリフォルニア・モード」なる機能があり、これをONにするとフロントウインドウ以外が「全開」になるというもの。
サイドやサンルーフはもちろん、リアクォーターウインドウ、リアウインドウもオープンとなり、カリフォルニアの日光や風をぞんぶんに楽しめるほか、サーフボードも積むことができる、という内容です。
そのデザイン、性能、価格を考えると「かなり魅力的」ではありますが、例によって頭に浮かぶのが「本当に発売できるのか」。
フィスカーはこんな人
ヘンリク・フィスカー氏はBMWではZ9、アストンマーティンではDB9やヴァンテージのデザインを行った人物。
その後自身の会社「フィスカー」を立ち上げ、「カルマ」をリリースしています。
これはPHEVに分類されるクルマで、レオナルド・ディカプリオ氏はじめ多くの著名人が購入したものの、致命的な欠陥があったとされ、その後中国企業へ会社ごと売却。
現在、この「フィスカー・カルマ」は名称を「カルマ・レヴェーロ」と変えて市販バージョンを再度リリースしています(生産拠点は以前と同じカリフォルニア)。
中国資本にて再建中の「カルマ」。レヴェーロGTがP-51マスタング戦闘機のカラーを身にまといゴールドラッシュ・ラリーを走る
そしてヘンリク・フィスカー氏はまた別のプロジェクト「サンダーボルト」を立ち上げるものの、こちらが「アストンマーティンに似ている」としてアストンマーティンがヘンリク・フィスカー氏に対して訴訟を起こし、これはアストンマーティンが自社のかつてのデザイナーを訴えた、ということに。
↓こちらがヘンリク・フィスカー氏とサンダーボルト
ただフィスカー氏は「似たような車ばかりをデザインする」人物なので、アストンマーティンをパクる意思はなく、単にアストンマーティンでもサンダーボルトでも「自分の好きなデザインで車を作ったらそうなった」というだけなのかもしれません。
その後「フォース1」という車の計画を同氏が公開するも、これに対してやはりアストンマーティンが訴えを起こし、さすがに怒ったヘンリク・フィスカー氏がアストンマーティンを相手取って訴訟を起こすという泥沼に。
ちなみにその後、アストンマーティンは「ヴァンテージ」を発表していますが、これは逆にフィスカー・カルマそっくりのリアを持っています。
まずこちらはアストンマーティン・ヴァンテージ。
そしてこちらはフィスカー・カルマ(現レヴェーロ)。
リアデッキやテールランプは「偶然」では済まないレベルであり、このあたりはヘンリク・フィスカー氏とアストンマーティンとの間でなんらかの「裏取引」があったのかも。
そして最近ヘンリク・フィスカー氏が立ち上げたのが自身の名を冠する「フィスカー・オートモーティブ」で、ここからは第一号車となる「エモーション(eMotion)」がすでに公表され、今回の「オーシャン」はプロジェクト第二号。
色々な経緯はあったといえど、過去にPHEVを実際に市販していること、自動車業界に明るくメジャーメーカーにて重責を務めたということを考えると、フィスカーはそのほかの並み居る「新興EVメーカー」に比較して”市販にかなり近い位置にいる”と考えて良さそうです。
とにかくこの「オーシャン」はなかなかに魅力あふれるクルマに見え、実際に発売されればかなりの人気を博する可能性もあって、北米ではその発売を心待ちにしている人も多いのかもしれません。
さすがにこれまで数々のスポーツカーをデザインしてきた人物だけに、EVそしてSUVといえどもスポーティーなルックスを持っており、価格的な競争力を考慮しても魅力的な選択肢でもありますね。
インテリアは比較的シンプルで、センターのインフォテイメントシステムは16インチ、ステアリングホイール前方のメーターが9.8インチ。
ヘッドアップディスプレイも装備し、EVらしくインテリアはサステイナブルな素材で構成され、”ヴィーガンフレンドリー”を謳っています。