| 目に見える部分、手に触れる部分がここまでハイレベルだと運転も楽しいはずだ |
ブルガリアの内装スペシャリスト、ヴィルナー(Vilner)が996世代のポルシェ911をカスタム。
996は1997年に登場した「5代目」911であり、最大の特徴は「はじめて水冷エンジンを採用したこと」。
加えて、その1年前に登場した「ボクスター」と同じヘッドライトを使用したことで猛烈なバッシングを受けたことでも知られます。
実際のところ、ポルシェはこのバッシングを受け、996後期においてヘッドライト形状を「911専用」の涙目に改めたほどですが、当時は(今では信じられないことに)ボクスターの地位がかなり低かったということがわかるエピソードでもありますね。
カスタム費用は中古での車両購入価格を超える?
そんな996世代の911ですが、中古だと「歴代911でもっとも安く買える」ポルシェでもあり、なにかとカスタムベースに使用されることも多い模様。
今回ヴィルナーでは、エクステリア/インテリアともに「フルカスタム」とも言えるレベルのカスタムを施しています。
ベースとなったのは後輪駆動の「911カレラ・カブリオレ」。
外装だとフロントバンパー、リアバンパー、そしてヘッドライトとテールランプが交換され、サイドステップとリアウイングが装着されています。
フロントバンパー内のインテークやルーバー、ホイール、リアウイング、テールパイプ等は「カッパー」。
ヴィルナーではこの「カッパー」を効果的に使用するカスタムを多く提案していますね。
「ブラックデビル」として恐れられたドイツの撃墜王が乗っていたフェアレディZ。死後にその自宅から出てきてカスタムされることに
ヴィルナー996のインテリアは「レトロ調」
そしてこちらがヴィルナーのカスタムしたポルシェ911のインテリア。
基本的にはヴィンテージ調のブラウンレザーが使用され、アクセントとしてボディカラー同様のブルー、そしてカッパーが使用されています。
ドアパネル、スイッチパネルなどは「ウッド」。
エアバッグカバーには独特の文様が型押されています。
そしてシートやメーターフードに使用されるのが、この「野球のグローブ風ステッチ」。
相当に手間のかかるフィニッシュではあるものの、その視覚的効果は抜群です。
メーターフードにもグローブ風ステッチ。
ブラウンレザーには明るいブルーの糸が組み合わせられています。
ステアリングホイールのトップはウッド、そしてブルーのセンターマーク入り。
センターパッドにはポルシェクレスト(エンブレム)のほか、ダッシュボード/ドアパネルのエアバッグカバー同様の型押しがなされ、ステアリングホイール下部にはヴィルナー(Vilner)の「V」文字がバッジにて装着されています。
シートのヘッドレストにもブルーの糸にてポルシェクレスト。
背部にも「PORSCHE」ロゴの入ったカッパー仕上げのプレートが装着されています。
シートを倒すためのレバーもカッパーに、そしてシートサイドにもグローブステッチ。
このグローブステッチがはじめて自動車に使用されたのは「初代TTロードスター」だと記憶していますが、摩擦にはめっぽう弱いようで、TTロードスターの中古車を探していると「ほぼすべての個体」のグローブステッチが擦り切れていたことを思い出します(修理は非常に困難)。
サイドシルのオープナー、シート横のスイッチもカッパー、そしてスイッチパネルはウッド。
マットも専用品に置き換えられ、レザーのトリミング、そして「補強レザー」がステッチとリベットにて固定されています。
VIA: Vilner