| これでレースを走れば宣伝効果が最大化しそう |
さて、様々な「未来派」レンダリングが登場する昨今ですが、今回はグラフィックデザイナー、ウエイン・ジュン氏による「メルセデス・ベンツ・レッド・サン」が公開に。
これは2045年のメルセデス・ベンツ製レーシングカーをイメージしたものだそうですが、パワーソースはなんと「太陽光」。
現代の基準でいう「太陽電池」は見当たらないものの、おそらくはボディパネル全体がソーラーバッテリー化されているのだと思われます。
とにかく前後左右「スリーポインテッドスター」
そしてこの「レッドサン」の特徴の一つは”スリーポインテッドスター”。
これは言わずと知れたメルセデス・ベンツのエンブレムですが、フロントにドン!リアにもドン!という感じで発光エレメントとして配置されていて、もしこのクルマがサーキットを走り、その様子が中継されることになれば、どんなスポンサーのロゴよりも宣伝効果が高くなりそう。
そしてホイールにもベンツマーク。
車体そのものはまだ常識的な形状を保っているようですね。
未来におけるAMGの価値は?
ここでふと思ったのが「将来的にAMGの存在価値はどうなるんだろうな」ということ(今回のレンダリングは、ハイパーフォーマンスカーであるにもかかわらず”AMG”ではなくメルセデス・ベンツブランドだったので)。
AMGはもともとメルセデス・ベンツとは別の会社であり、チューナーであったわけですが、1999年にそのチューニングノウハウを見込んで(ダイムラーに)買収され、現在ではメルセデス・ベンツ内のハイパフォーマンスブランドとして機能しています。
ただ、「見込まれた」のはガソリンエンジンのチューンをはじめとする「当時の」技術であり、「これからの」エレクトリック技術に関しては特に優位性はなく(当時はこんな時代がくるとは予想できなかったので当然ですが)、そうなると今後はAMGの技術的優位性の多くが失われることになる、とも考えられます。
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もちろんサスペンションなどドライバビリティに関するノウハウはあるものの、これからのエレクトリックカーはシャシーが「スケートボード型」になったり、そもそもドライブトレーン自体が全く新しいものとなってゆくため、AMGのノウハウは今後十分に強みを発揮できるとは思えず、むしろクルマそのものを開発し製造するメルセデス・ベンツ本体へとノウハウが蓄積されそう。
よって、未来のAMGは、実際に機能する組織というよりは、メルセデス・ベンツが「より高価格なクルマを売るため」の単なる”バッジ”となってしまう可能性があるのかも。
加えて、今後のモータースポーツ活動についても、コロナウイルスの影響にて大きく計画の変更を余儀なくされると思われ、その意味においてもAMGの重要性は低くなってしまうのかもしれません。
ほかにもある、メルセデス・ベンツの「未来派」レンダリング
メルセデス・ベンツは「自動車を発明した」会社として有名ですが、それだけに多くのアーティストがその「未来」を予測する模様。
そしてメルセデス・ベンツはモータースポーツにおいてもリッチなヘリテージを持っており、「ネタ」としても事欠かないのかもしれません。
ただし今回の「レッドサン」ほどメルセデス・ベンツのマークを押し出した例はほかになく、その意味でもこのレッドサンは評価されるべきだとも考えています。
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VIA: Behance