| ふと、日産リーフの中古を買おうと思った |
さて、現在の自動車メーカーが向かう先は「EV」だと決まってしまったような状態ですが、これはもうやむを得ない流れ。
というのも、欧州はじめ各国の規制が「EVを販売しないと達成できない」レベルであったり、そもそもガソリン車の販売を将来的に禁止するといった国が登場しているためで、さらに現在のところ「ガソリン車に代わる」動力源がエレクトリックモーターしかない、という実情を反映したものだと認識しています。
そこで各自動車メーカーともこぞってEVの開発と発売を行っているのが現状ですが、EVは現段階では同クラスのガソリン車に比較すると「(新車で)買うときは倍の価格で、売るときは半分の価格」といった問題があるのもまた事実。
なお、トヨタはハイブリッド比率が高いせいか欧州のCAFE規制についてさほど神経質ではなく、そして上述のような「高くて売れない」という現実を踏まえ、さほどEVには熱心ではない模様(EVを作らずに済むのであれば、それはそれでいいのかもしれない。ただし中国では一定割合をEVにしないといけないという規制があり、この限りではない)。
EV重視戦略は「やむをえず」
こういった事情を鑑みるに、現在自動車メーカーが「EV」を重視しているのも、「メーカーが作りたいから」ではなく、「EVを作らないとガソリン車の販売もできず、かつガソリン車自体が禁止されるから」という”消極的選択肢”によるものだと考えられます。
加えてEVに対する消費者の無関心度も特筆すべき事項であり、とにかくEVは「自動車メーカーにとっても、消費者にとっても」積極的な興味や関心を持てないたぐいの自動車ということなのかもしれません(新車がEVばっかりになると、もっとクルマが売れなくなって自動車生産国の経済が破綻しそうだ)。
実際のところ、それは中古車市場にもよく現れていて、というのも中古車市場は「新車価格に関係なく」人気のみで価格が形成されることになるのですが、日産リーフの中古車価格を見てみると、20万円台が「ザラ」。
とにかく人気がないんだなということがわかり、しかしここまで安いのであれば「足」として購入してもいいのではと思うこともあるわけですね。
というのも、リーフはEVなので多少税金が安く、かつガソリン車に比較して大幅にランニングコストが低く、さらにいくつかの施設で「タダで充電ができ」、おまけに特定の商業施設においてもEV専用スペース(混んでいても停めやすく、いい場所に設置されている)に駐車できて便利、加えて格安中古であればちょっとやそっとの傷も気にしなくていい、という実情も。
現在のぼくの悩みとして、「ポルシェ718ケイマンの走行距離が伸びすぎている」というものがあり、これは日常的に乗っているためであり、この距離を抑えるためにもリーフを「足」として導入して(718ケイマンの使用頻度を抑えて)もいいんじゃないかと考えています。
ちなみに格安中古EVの選択肢としては同じように「三菱i-MiEV(アイミーブ)」がありますが、こちらはなぜかリーフよりも(同じような年式や走行距離であっても)中古相場が高く、リーフよりはやや人気が高い模様(最安が20万円台か30万円台か、という差ですが・・・)。
参考までにボディサイズはリーフだと全長4,445ミリ、全幅1,770ミリ、全高1,545ミリ、バッテリー容量は24kWh(初期型)、i-MiEVは全長3,395ミリ(軽自動車枠)、全幅1,475ミリ、全高1,610ミリ、バッテリー容量は16kWh。
安全性や積載性、そしてバッテリー容量の面からするとリーフに分があるようにも思えます(おまけに価格が安い)。
こんな具合で「EVは新車、中古ともに不人気であり、そのため中古になると価格が”不当なほどに”安いと考えていて、クルマの維持費を気にする人、しかし移動手段としてクルマが必要な人であれば「中古EV」は最適な選択かもしれません。
ただ、いくつか懸念もあって、ひとつは「充電器」の問題。
自宅に充電器(充電スタンドやソケット)がなければ常に外で充電せねばならず、これはこれでけっこう面倒。
ただしぼくは以前にBMW i3を購入した際、充電スタンドを自宅に設置しているのでこの問題は完全にクリアしています。
そしてもうひとつの問題が「航続可能距離」。
年式が古かったり走行距離が長い個体であれば「バッテリーの劣化」が考えられ、電欠の恐怖が発生するわけですね。
なお、リーフ(前期型)は公称値だと一回の充電当たり航続可能距離が200kmくらい、i-MiEVだと120kmくらい。
ぼくはしばらくリーフを代車として乗っていたことがありますが、そのときの感覚だと80-100kmくらいといったところで、「80-100kmくらい」だと問題はないものの、劣化によって「50-70kmくらい」だとちょっとツライなあ、とも考えています。
このあたりはバッテリーの残存率をもって判断するしかありませんが、いくつかの不便を除けば中古EVはとんでもなく経済的な選択肢であり、「もっと人気化してもいいのにな」と思う次第です。
参照:カーセンサー