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ランボルギーニ「これからは加速や最高速ではなく、ハンドリングがトッププライオリティだ」。たしかに技術の進歩やEV登場によって「加速」「最高速」はスーパーカーでなくても高いレベルで実現可能に

ランボルギーニ・ウラカンSTO

| スーパーカーはどんどんその優位性を奪われていっていると考えていい |

さて今回、ランボルギーニのアジア・パシフィック地域を統括するフランチェスコ・スカルダオーニ氏が、メディアに対しちょっと興味深い内容を語っています。

その内容とは「エレクトリックカー時代が到来するにあたり、もはや加速は以前ほど重要な意味をなさなくなってきている」というもの。

同氏が語るには、「10年前を思い起こしてみるといい。我々が”ハイパフォーマンスカーの性能を測るパラメーターとは何か”と聞かれたとき、まずは最高速、そして加速、次いでハンドリングだったはずだ。そこから加速性能が最重要視されるようになって最高速は二の次になった。そしてこれからは加速性能はほぼ意味をなさなくなる。なぜならば、EVにおいて非常に速い加速を実現させることは(誰にとっても)非常に容易になるからだ」。

誰にでもできることに意味はない

なお、これについてはぼくもまったくの同意見。

たとえば、1980年代や1990年代では「時速300キロ」という世界は限られた(足回りが固く、車高が低く、エアロダイナミクスに優れた)スーパーカーのみしか成し得なかったものの、その後2000年代に入るとエアロダイナミクス性能が向上し、足回りが電子制御化されて超高速域でも安定するセダンやSUVが登場し、これらは容易に「時速300キロ」の壁を突破しています。

加速性能についても同様で、セダンやSUVが、高性能エンジンの出力を確実に路面に伝えることができるトラクション性能を持つに至って、”スーパーカー同様の加速を実現する(アダプティブサスペンションやトルクベクタリング4WD、トラクションコントロールなどの恩恵で)ケースも珍しくはなく、EVに関していえばテスラ・モデルSやモデルXのように、スーパーカーでも敵わないクルマも登場することに。

つまり、今までは”特定の目的のために割り切ったパッケージングやエンジン、足回りを持つ”スーパーカーしかできなかったことが、テクノロジーの進化によって「他のクルマにもできるようになり」、つまりスーパーカーはその存在意義を失いつつあるといえるかもしれません(ただし、そのエキゾチックな外観から、セレブ御用達アイテムとしての”ブランド品”的ポジションをゲット)。※これは「人」も同様で、IT技術の進化によって、一部専門職の存在意義が低下している

ランボルギーニ・ウラカンSTO

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スーパーカーに残されたのは「ハンドリング」「サーキットにおけるパフォーマンス」しかない

ただ、その存在意義を覆されつつあるといえど、スポーツカーやスーパーカーに残された領域もあって、それは「ハンドリング」。

ハンドリングについては(現在のところ)物理の法則が大きく作用しており、つまり車高が高い(重心が高い)、前後左右の重量バランスがよろしくない(ロールセンターが適正でない)、重量が重いクルマは、慣性重量によってその挙動が不安定となってしまい、どうしても旋回速度が落ちてしまうわけですね。

こればかりは現在のトルクベクタリング技術、サスペンション制御によってもスポーツカー、スーパーカーの持つ利点を覆すことができず、たとえばニュルブルクリンクのランキングを見てみると、セダンがようやく登場するのは28位のジャガーXE SVプロジェクト8。

ただしこれは「セダンなのに2シーター」という反則モデルなので、これを除くと次にセダンが登場するのは43位のメルセデスAMG GT 63S。

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さらにSUVだとこれは顕著であり、現在ニュルブルクリンク最速SUVの座をほしいままにするアウディRS Q8であろうとも、スーパーカーやスポーツカーの中においては「95位」。

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こういった事例を見ても、スーパーカーやスポーツカーに残された最後の聖域は「ハンドリング(コーナリング性能)である」ということがわかりますが、これについてもさらなる技術の進歩がもたらされたり、重量バランスや重心という点でガソリンエンジン車に対して優位性を持つEVであれば、セダンだろうがSUVだろうがスーパーカーの座を脅かすことになるのかもしれません。

なお、前出のフランチェスコ・スカルダオーニ氏は「現在、ハイパフォーマンスカーの優劣を決する要素は”ハンドリング”しか残されていない。いかに加速が優れようとも、重いクルマは優れたハンドリングを実現できない。よって、現時点では、我々の意見として、ハンドリングはランボルギーニにとって最上位にあるパラメーターだ」。

たしかに最近のランボルギーニは「アヴェンタドールSVJ」しかり「ウラカンSTO」しかり、またサーキット走行限定モデルのエッセンツァSCV12、そしてSC20のように「ハンドリング」に特化したモデルを多数リリースしており、こういった発言を裏付ける行動も確認できます。

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