| ランボルギーニ・ウラカンSTOはどう見てもレーシングカーにしか見えない |
さて、ランボルギーニはつい先日、超絶スパルタンな「ウラカンSTO」を発表していますが、大阪でもそのお披露目が行われることになり、実車を見にランボルギーニ大阪さんへ。
ウラカンSTOはその価格4125万円という高額っぷりではあるものの、ひとつひとつその内容を見てゆくとむしろ「安いんじゃないか・・・」と思えてくるほどで、これはランボルギーニが「うまく価格と装備のバランスを考え、特別感を持たせた」成果だとも言えそうです(もしくは、ぼくがランボルギーニの策略にハマっている)。
なお、ウラカンSTOはひとまずオンライン上にて公開されているものの、実車がお披露目されるのはなんと日本が「初」。
日本はランボルギーニにとって2番目〜3番目の販売台数を誇りますが、そのぶん日本を重視してくれているということになりますね。
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正直、ウラカンSTOは予想のずっと上を行っていた
そして今回ウラカンSTOを見た第一印象ですが、「完全に予想よりも上」。
市販車のウラカンEVOをハードコアに仕立て上げたというよりは、その名の通り(STO=スーパートロフェオ・オモロガート)レーシングカーの公道仕様といった印象です。
まず正面から見るとこの顔つき。
ウラカンSTOは後輪駆動なので「ウラカンEVO RWD」との共通性が持たせられているのだと思われますが、それにしてもこの迫力。
なお、このオレンジ部分は塗り分けではなく別体式です。
ランボルギーニ・ウラカンSTOではエアロダイナミクスとクーリング重視
とにかく「空気を吸って(取り入れて)それを排出する」という考え方が視覚的にわかるデザインを持っており、いたるところにエアを取り入れて流し、排出する構造が見られます。
なお、こういった構造はちょっと前から(ランボルギーニの属する)フォルクスワーゲングループではよく見られるようになっており、ポルシェにも同様の変化が見られます。
フロントから取り入れたエアはフロントフード上から排出。
フロントフェンダーからも排出。
ルーフ上にはシュノーケルが設けられ、これはエンジン吸気用。
吸気経路が短くなっており、ロスが30%低減されているそうです。
リアフェンダー上にはNACAダクト、そしてリアフードには安定性向上、エアフロー効率化を狙ったシャークフィン、そして放熱用のルーバー。
リアサイドも整流のために疑似ロングテール化。
リアのホイールハウスからエアを抜くための開口部も設けられています。
リアフェンダーの嶺は「フィン」のような形状(フロントフェンダーも同じような峰がある!)。
リアウイングはスワンネック形状。
エアロダイナミクスに関する考え方は新型ポルシェ911GT3とも通じるところがあるようで、やはりグループ内にてなんらかの情報や技術の共有があるのかもしれませんね。
リアグリル面積、そして開口部は排熱のためにかなり大きくなっているように見えます(リアグリルには”STO”文字が再現されている)。
リアウイングは「二段」構造。
フロントフード「コファンゴ」は圧巻
そしてフロントバンパー、フェンダー、ボンネットが一体となった「コファンゴ」はガバっと開く!
これを開くにはフードの後ろ端にあるロックを左右2箇所解除して持ち上げることになりますが、実際に持たせてもらうと非常に軽く、そしてこれだけのサイズを持つのにまったく捻れることがない強固さを持つことがわかります。
なお、これはかのミウラと同じ開閉方法でもありますね。
裏面を見ると、このコファンゴはカーボンファイバー製(その軽さにも納得)。
ウラカンSTOはフロント周りとリア周り(つまりドアとルーフ以外)はすべて専用となりますが、これら変更される部分のほとんどにはカーボンファバーを使用しており、そのためボディ表面の75%がカーボンファイバー製とのこと。
そして内側のほとんどはエアの抜け道に費やされ、収納スペースは中央の「ヘルメットホルダー」くらい。
とんでもなくスパルタンなクルマということになりますが、室内にもモノを置く場所はほとんどなく、よって手荷物はここへ収めることになり、そして駐車場などでこのフロントカウルをガバっと開いて荷物の出し入れをしていると、周囲の人は「いったい何事か」と思うかもしれませんね。
ちなみにコファンゴほか、ボディ上に再現されるラインや「STO」文字はステッカーではなく塗装で再現(しかも段差なく塗り分けられている)。
これはランボルギーニやフェラーリなどイタリアのスーパーカーメーカーにおける一つの特徴でもあり、非常に手間のかかる手法ではあるものの、芸術性を重視しているのでしょうね。※逆に、ポルシェなど質実剛健なドイツのスポーツカーには見られないようだ
一方でイタリアンフラッグは立体で再現するなど、サーキット志向のクルマであるにもかかわらず、かなり手の込んだ作りを持っているようです。
リアから見るとこう。
今までランボルギーニは(設立当初、会社としてモータースポーツ活動を行わないという決定事項があったためか)モータースポーツに直結した車両を発売することが少なく、しかしCEOが(スクーデリア・フェラーリから来た)ステファノ・ドメニカリ氏へと交代して以来、モータースポーツ部門であるスクアドラ・コルセの活動を活発化させるなど”モータースポーツ色を強める”ことに。
そして今回のウラカンSTOはランボルギーニ史上もっともレーシングカーに近い市販車だと言えそうですが(さすがにディアブロGTには一歩譲るかもしれない)、「これで車検が通るのか・・・」という不安、そして驚きすら感じます。
そのほかランボルギーニ・ウラカンSTOの細部はこうなっている
ウラカンSTOに採用されるホイールは20インチのマグネシウム製。
ブレーキローターはCCM-Rだとアナウンスされ、これまでのウラカンに採用されるカーボンセラミック製ローターとは異なり、競技に耐えうる強度を持つようですね。
ハードコアなクルマではあるものの、ちゃんとバックカメラつき(オプションかもしれない)。
リアディフューザーはカーボン製。
ほかの画像はFacebookのアルバム、「ランボルギーニ・ウラカンSTO」に保存しています。
最後になりましたが、いつもイベントに呼んでいただくランボルギーニ大阪さんには心よりお礼申し上げます。