| ワルター・ロールが最初に買ったクルマは「金欠につき、エンジンがついていない中古のポルシェ356」だった |
ポルシェのクルマでレースに勝ち続けることによりポルシェのワークスドライバー、いまやブランドアンバサダーに
ポルシェがワルター・ロール氏が1981年にドライブしたラリーカー、ポルシェ924カレラGTSをレストアしたと発表。
ワルター・ロール氏は今こそ運転の天才だと評されるものの、若かりし日は資金不足にて「エンジンが取り外されたあとの車体」しか買うことができなかったといい、それでも自身でマシンを仕上げてレースに参戦し続けることに。※ポルシェ・ジャパンは「ヴァルター・レアル」と記載
その後(ポルシェのクルマで走ることが多かったため)同氏の活躍がポルシェの目に留まることになり、1981年からワークスドライバーを務めることとなっていますが、今回レストアを行ったのは「ワークスドライバーとして乗った第一号車」ということになりそうです。※同年、ワルター・ロール氏は4勝をあげ、ランキング2位を獲得している
ポルシェ924カレラGTSラリーカーのベースはホモロゲーション用スペシャルマシン
ワルター・ロール氏が1981年にドライブしたラリーカーのベースは、グループ4用に50台のみが製造されたホモロゲーションモデル、「924カレラGTS」。
これをベースにポルシェは9台のプロトタイプを作成し、ワルター・ロール氏がドライブしたのはそのうちの5台目なのだそう。
オイルパンとギアボックスの下にはスキッドプレートが追加され、アクスルリンクとリアトランスアクスルにはグラスファイバーの補強がなされ、928のフューエルディストリビューター等が採用されています。
レストアにあたっては当時の仕様を忠実に再現
当時ワルター・ロールがレースを走った後にはブルーに塗られたそうですが、今回、ポルシェのレーシング部門は、この924カレラGTSをゴールドとブラックのペイント(スポンサーの「モネ」カラー)に戻すなど、当時のままの仕様へと戻すことに。
加えてピレリなど、当時のスポンサーロゴも再現されているようですね。
そのほか、レストアにあたっては燃料供給システムを交換し、オリジナルのブレーキキャリパー、インタークーラーハウジング、KKK26ターボチャージャーをリビルドしたほか、オリジナルのレーシングクラッチ装備、オリジナルのトレッドパターンを持つ255/55 R15のピレリ製タイヤを装着しているようですね。
インテリアや内燃機関も当時のまま
なお、インテリアも当時を忠実に再現しており、見る限りではステアリングホイールやレーシングハーネスなど「当時のパーツ」もそのまま使用されているようですね。
エンジンも1981年のラリーシーズンに使用されたフォルクスワーゲン製2リッター4気筒(EA831)エンジンが「そのまま」搭載されている、とのこと。
ポルシェはワルター・ロール氏に対する74歳のサプライズプレゼントとして924カレラGTSをレストアしており、レアル氏自身も「私にとって、このプレゼントは大きな驚きです。40年前にこの車から降りて、それ以来一度もコクピットに座ったことはなく、まるでタイムスリップしたかのような感覚です。40歳若返った気分になりますね」とコメント。※ポルシェがワルター・ロール氏を紹介するコンテンツはこちら
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