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ポルシェ911ターボ「7世代」はこう進化してきた!「運転の天才」ワルター・ロールがそれぞれの特徴や思い入れについて語る

2020/12/31

7世代のポルシェ911ターボが勢揃い

| ポルシェ911ターボはいつの世も「最先端」の技術を搭載している |

さて、ポルシェが「運転の天才」と称するワルター・ロール氏(ポルシェ・ジャパンでは”ヴァルター・レアル”と表記)。

今回7世代にわたるポルシェ911それぞれについて解説、そして意見を述べるというコンテンツが公開されており、ここで要約を紹介したいと思います。

まずはワルター・ロール氏って誰?というところからはじめましょう。

ワルター・ロールはこんな人

ワルター・ロール氏はラリー競技において生ける伝説とも言える人物で、ポルシェにとっても「最も需要な」人物の一人。
同氏が最初に購入したクルマは中古のポルシェ356Bクーペだったそうですが、「できるだけ安い個体を探した」ためにエンジンが載っていなかったといいます。

その後ワルター・ロール氏はフォードやオペル、ランチア等のワークスドライバーとして活躍し、一方では「プライベーターとして」ポルシェ911にてラリーへ参戦し続け、1981年にはついにポルシェ契約ドライバーの座を獲得。

ラリーのみならずIMSAやパイクスピークでの優勝経験があるほか、ドライビングを「わかりやすく説明」する能力にも長けていて、それがポルシェにとってはこの上なくありがたく、実際に959、カレラGT、918スパイダーの開発にも参加することに。

なお、現在同氏はポルシェのブランドアンバサダーとして活動しており、2017年に70歳を迎えた際にはポルシェミュージアムにおいて、“Genius on wheels”(運転の天才)と題された記念展示もなされています。

930ターボ(1975ー1977)

まずは「初代」911ターボたる「930ターボ」。

ワルター・ロール氏は930ターボについて「エンジンはシャープで、熟練したドライバーにとってもそのドライブはファンタスティックなチャレンジそのもの」だと語っていますが、そのワイドなフレアフェンダー、巨大なウイングのアイコン性についても言及。

この初代911ターボ発売の4年後にようやく自身のお金で911ターボを購入できたといい(この時はまだポルシェのワークスドライバーではない)、それだけに思い入れもあるようですね。

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なお、「サイバーパンク2077」の作中にて、キアヌ・リーブス扮するジョニー・シルヴァーハンドが乗るのも930ターボですが、ゲーム製作陣が930ターボを選んだのはその「アイコン性」が理由だと述べています。

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964ターボ(1990-1994)

まずは3.3リッターエンジンにて登場した964ターボですが、この初期型について、ワルター・ロール氏いわく「964ターボは安全面含め930ターボから大きく進化を遂げたが、エンジンは当時でもやや時代遅れだった」。

これが中古市場においても初期型964ターボの人気が低い理由だとしており、しかしのちに登場する3.6リッターエンジン搭載モデルは今でも同氏の「ドリームカー」なのだそう。

なお、前期型だろうが後期型だろうが「とてつもなく美しい」と評しています。

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993ターボ(1995ー1997)

ワルター・ロール氏はこの993ターボの開発に関わっていたようで、初期段階から「480PSを扱うには4WDでないと無理」だと(ポルシェに)進言した、とのこと。

そのためポルシェは4WDシステムを開発して「初の」4WD搭載911ターボを世に送り出すことに。

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なお、ポルシェ一族、ウルフガング・ポルシェ博士は「お気に入りのクルマTOP5にこの993ターボを挙げています。

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996ターボ(2001ー2005)

993世代の4WDに続いて大きな進歩、「水冷化」が行われた996世代の911ターボ。

現代においても「素晴らしく速く、乗りやすく、しかも安価で手に入る」と評しており、しかし「目玉焼き」ヘッドライトはファンの間では不人気のようだ、とも。

なお、ワルター・ロール氏は「マニュアル・トランスミッションがお気に入り」とのこと(996世代ではじめて911ターボにATが搭載された)。

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997ターボ(2006-2012)

現在においても、そのルックス、メカニズムともに「じゅうぶん新鮮だ」とワルター・ロール氏が語る997世代の911ターボ。

後期型の997.2だと500馬力を超え、PDkが投入されたことでより魅力が増し、実際に運転しても「なんらネガティブポイントを見つけることができない」とも。

加えてアナログフィーリングが残っていることも評価しているようですね。

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991ターボ(2013ー2019)

997世代で「先祖返り」的ルックスを獲得した911ターボですが、991世代ではさらに先祖に近づき、大きなリアウイングが装備されることに。

ただしその内面においても大きな進化があったといい、ワルター・ロール氏いわく「4WDシステムの前後トルク配分の見直し、リアアクスルステアリングによってドライビングダイナミクスは新たな基準を打ち立てた」。

そこには改善すべき点を見出すことすら難しく、ただただ素晴らしいというより他はない、と述べています。

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992ターボ(2020ー)

そして最後は現行世代の992ターボ。

ワルター・ロール氏が言うには「991世代の911ターボを進化させることなど不可能だと考えていたが、驚いたことに、実際に運転してみると、あらゆる方面で進化している。その内容については言葉を失うほどだ」。

その速さはスーパースポーツの域に達しているものの、運転に際しては恐ろしさは微塵もなく、かつ「アンダーステアもなく、オーバーステアもなく、ただ単に”恐ろしく速い”。ポルシェの開発陣の前では帽子を脱ぐよ」。

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7世代に弥ポルシェ911ターボの動画はこちら

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参照:Porsche

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