| ブランドホイールから補修用品、消耗品まで様々 |
「麻薬を売る」よりはまだいいのかもしれないが、そうも言っていられない
さて、現在「偽造された自動車部品市場が活況を呈している」との報道。
メルセデス・ベンツ(ダイムラー)の法務製品知的財産責任者であるフロリアン・アド氏によれば、2020年には170万点以上の偽造品が押収され、550件以上の捜査が行われた、とのこと。
ちなみにこの数値は前年に比較すると「微増」ではあるものの、コロナウイルスのパンデミックの影響なのか、多くの裁判所が一時的に閉鎖されたため、多くの捜査が延期されたままになっているとも報じられています。
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偽物パーツの取引自体は大幅増加
なお、こういった「偽造品の押収や捜査」件数自体は微増ではあったものの、実際の市場での取引は3倍程度に伸びているといい、これもまたコロナウイルスの影響で急増したオンライン取引が一役買っているようですね。
その少なくはない部分がアマゾン上での販売によるものと思われますが、アマゾンでは多数の「これは本物ではないだろう・・・」というパーツが多数出品中。
メルセデス・ベンツではこういったオンラインプラットフォームから138,000点もの偽物パーツを削除させたとのことですが、これは「いたちごっこ」なのかもしれません。
参考までに、今やこういった偽物パーツ市場はそうとうに大きくなっており、「麻薬よりも儲かる」場合もあるのだそう。
麻薬に比べるとそのネガティブインパクトは小さいのかもしれませんが、粗悪パーツは(麻薬同様に)使用者の健康や生命を脅かす場合もあり、一刻も早い撲滅が望まれます。
「消耗品」には要注意
偽物パーツの中には「消耗品」も多く、たとえばスパークプラグやブレーキパッドといったパーツが代表的な例だとされ、スパークプラグの6割が品質不良、そしてブレーキパッドだと停止距離が「著しく長く」、ストレステスト後の摩耗も大きく、純正品とはほど遠いレベルとなっている模様。
これら偽物パーツについては、巧妙に「純正品であるかのように」見せている場合も多く、それと知らずに購入し、結果的に「不良品だった」と正規ディーラーに文句を言い、そこではじめて「偽物を掴まされた」ということが判明するケースもあるといいます。
話をメルセデス・ベンツに戻すと、「AMGホイール」の偽物も多く、実際にメルセデス・ベンツがこれらを購入してテストを行ったところ、テスト中にスポークが割れてしまったものも。
フェイクパーツによってメルセデス・ベンツが「本来得るはずだった利益を得ることができなくなった」ことはもちろんですが、販売されている製品を本物だと信じて購入した人が被る損失、それによるブランドのイメージダウンは測りしれず、メルセデス・ベンツのみならず、多くの自動車メーカー、アフターパーツメーカーにとっては頭の痛い問題だとも考えられそう。
なお、オンライン販売の場合、販売時には「本物」の画像を使用しており、実際に届いたら偽物だったという例も多くあり、「発送元が海外」というのは要注意だとは思います(発送元が海外になっていても、ちゃんと正規品を扱っている場合もある)。
日本だと、「BBSのホイール」について、多くのフェイクが出回っているとも報じられていますね。
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