| その販売手法は年々巧妙化している |
ポルシェの製造するクルマは非常に頑丈で、これまでに製造したクルマの70%が現役で走っているといいますが、そのぶん需要が高いのがメンテナンスや修理のためのパーツ類。
もちろんポルシェはこれらに純正パーツを使用することを推奨していますが、世の中には多くの「フェイク」パーツが氾濫し、ポルシェは現在、それらを締め出すための活動を強化してしている、とのこと。
偽物パーツの80%は中国から
現在ポルシェ本社には3名の「フェイク撲滅エキスパート」が在籍するそうですが、彼らは偽物パーツを発見しては追跡し、2018年だけで33,000種のスペアパーツを含む「20万アイテム」を差し押さえた、とのこと。
それらは金額にすると邦貨換算で73億円ほどになるそうですが、「こんなに偽物が出回っているのか」と思うと同時に、「その3名をもうちょっと増やしてもいいんじゃないか」と思ったり(忙しそうなので)。
なお、これらパーツを発見するのはe-bay、アマゾン、アリババがメインだそうで、たしかに「アリババはとにかくニセモノが多い」という印象。
最近のやり口としては、本物のパーツの品番や画像をネットに掲載して販売を行い、実際に送るのはニセモノということが多いようですが、ニセモノ販売の手口も年々巧妙化しているように思います。
ちなみにポルシェが困っているのは、「法の抜け目を突いた」フェイクパーツ。
製品の形状は同じでも、エンブレムの中央にある動物がポルシェの「馬」ではなく「羊」だったりすることも。
日本においても、amazonやヤフオク!ではポルシェのエンブレムを消しつつも「ポルシェ対応」を謳ったパーツがたくさん見られ、これらを著作権侵害で訴えるのは非常に難しい、とのこと(だからこそ横行しているのだと思われる)。
なお、ポルシェはこれらフェイクパーツの80%が中国で製造されていると指摘していますが(中国発が100%ではないことにもある意味で驚く)、たしかにぼくのところにもメッセンジャー(Facebook)経由でやたらとポルシェの”純正”パーツの売り込みが中国から舞い込んできます(Facebookにポルシェの画像などを載せているからだと思う)。
さらにポルシェは、こういった「中国製」パーツは中国の田舎の方や、ときには「自宅で」作られることもあると指摘していて、これはレプリカ工場と同じようなものかもしれませんね。
ただ、そういった田舎の人や、個人が独力で「ポルシェの純正パーツと互換性のあるパーツ」を製造するのは難しく、どこかに製造を指示している「元締め」があると思われ、末端の製造元は「トカゲの尻尾」なのだと思います。
なお、こういったフェイクパーツについて、中国製が氾濫する前は「イタリア製」が多く、意外とイタリアはモラル低いんだな、と思ったことも。