| ただしテスラの場合、これはまったくマイナス材料とはならない |
テスラはいろいろな面で他の自動車メーカーとは全く異なる
さて、テスラ株が大きく高騰することとなった原因でもある「大手レンタカー会社、ハーツが10万台のテスラを導入する」という報道。
これによってテスラの時価総額が1兆ドルを突破し、ぼくのポートフォリオの評価額も過去最高額に達したわけですが、今回イーロン・マスクCEOが「ハーツとは何ら契約がかわされていない」と自身のツイッター上にてコメントすることに。
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朝起きたら資産が増えててびっくりした。テスラの株価が「ハーツレンタカーに10万台納入」に押されて暴騰し、企業価値が1兆円を超えてアップルやグーグルの仲間入りを果たす
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ただしこれはマイナス材料ではない
なお、ハーツがテスラのクルマ(この場合はモデル3だと思われる)を導入することについて好感されたのは「これでテスラの売上が伸びる」のではなく、「ハーツがテスラを揃えねばならないと判断したということは、もはやテスラは自動車業界において主流になった」「ハーツが、ほかのクルマを導入するよりも、テスラをラインナップしたほうがいいと考えたということは、テスラの製品が他社製品よりも優れている」という認識が客観的に示されたため。
ちなみに「ハーツが10万台のテスラを導入」という報道がなされた際にも、イーロン・マスクCEOに加え、少数のアナリストが「テスラにとって問題なのは需要ではなく生産能力であり、ハーツによって上乗せされた需要はプラス材料にならない」ともコメントしています。
そして今回のイーロン・マスク氏によるコメントもそういった見解をさらに強固にするもので、まず「ハーツとはなんら契約を交わしていない」こと、「そもそも現在のテスラの生産能力は需要に遠く及んでいない」こと、さらに「ハーツが10万台を注文しても、一般の消費者と同じ扱いになるので、割引は行わないこと」、そしてこういった状況から「ハーツの注文が、我々テスラに与える影響はゼロ(誰が注文しようと同じことで、テスラはウェイティングリストを解消するために生産を行うだけのこと)」だと述べています。
参考までに、この「ハーツとの契約がなされていない」というイーロン・マスクCEOのコメントの後にテスラ株は4%下落していますが、この報道が原因なのか、連騰を受けての利益確定売りなのかは判断がつきかねるところですね。
Super $tsla stonks. Thank you @elonmusk pic.twitter.com/L5oDtnQV1v
— Tesla Silicon Valley Club (@teslaownersSV) November 1, 2021
テスラは約12,000台をリコール
この「ハーツ」とは別の話題となりますが、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration=米国運輸省)の発表によると、テスラが約12,000台のリコールを実施。
これは2017年以降に発売された一部のモデルS、モデル3、モデルX、モデルYが対象となり、ソフトウェアの通信エラーにより、特定の事象が連続して発生した場合に、誤った前方衝突警告(FCW)および誤った自動緊急ブレーキ(AEB)イベントが発生する可能性があるというものです。
NHTSAによると、予期せぬAEBイベントが発生した場合、後続車との衝突の危険性が高まると警告していますが、幸いなことに、今のところこの問題に関連した事故や負傷者は確認されていない、とのこと。
テスラの調査によると、この誤検出につながる問題は、アーリーアクセスFSDベータ版の車両に対する2021.36.5.2の無線ファームウェアアップデートに関連していることが判明しているといい、このアップデートにより、2つのオンボードチップ間のソフトウェア通信が切断され、特に「セントリー」または「サモンスタンバイモード」から車両が回復したときに問題が発生する模様。
これらのモードでは、片方のチップが低消費電力のスリープモードになりますが、通信が途切れたことで、そのチップで動作するビデオニューラルネットワークの動作が安定しなくなる可能性が生じ、その結果として他の車両が存在するときに物体速度を否定的に検出してしまい、FCWやAEBの誤作動につながる可能性がある、と報じられています。
誤検知によるブレーキイベントが発生した場合は、警告音とメッセージがディスプレイに表示されるといい、テスラは顧客からの問題報告後にはアップデートの展開を中止し、現在この問題に対応したとする新たなアップデート(2021.36.5.3)を公開中。
もちろんこの問題は「ソフトウエアのアップデート」にて改善しますが、面白いのは、テスラのクルマは基本的に「無線アップデート(OTA)」となるためにユーザーがどこかにクルマを持ってゆく必要はなく、テスラの送ってくるデータをインストールするだけで問題が解決すること。
実際のところ、すでに99.8%の対象車にはアップデートを行ったとも報じられ、こういったところも「オーナーにとって非常に便利」な仕様なのでしょうね(いったん経験すると、もう元に戻れないと思う)。
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