
| 新車購入時のカスタムにいったいどれくらいを投じたのか想像もつかない |
現在レストア済み、走行距離はわずか106キロ
さて、わずか1年(1997−1998年)しか生産されなかった993世代のポルシェ911ターボSのうちの1台、そしておそらくはもっともカスタムされた911ターボSが中古市場に登場。
文字通り内外装ともに「手が入っていないところはない」というほどのカスタムが施されていますが、これはクウェートの第6代首相であるシェイク・ナーセル・アル・モハメド・アル・サバ殿下が、ポルシェ・エクスクルーシブ(ポルシェのパーソナリゼーション部門)を通じてカスタムを依頼した車両だと紹介されています。

ボディカラーはバニライエロー
このボディカラーは(もちろんカスタムカラーの)バニライエローだそうですが、見た感じではミントグリーンのようにも見える美しい色合いでもありますね(80年代はこういったパステル調が比較的好まれたようだ)。

993世代の911ターボSは1997年モデルとして登場しており、欧州仕様では444PS、北米仕様で424PSを発生し、911ターボに比べるとリアフェンダー上にインレットが設けられたりリアウイングが大型化したりテールパイプが4本になったりという変更が与えられます。

これ以上カスタムされた内装はポルシェ史上存在しないだろう
そして驚かされるのがこの内装で、おそらくポルシェ史上これ以上のカスタムがなされた個体はないんじゃないかという印象です。

使用されるカラーはオレンジとイエロー、そして素材だとレザーにウッド。

カーペットはライトタン。

そしてこのカラースキームはどこまでも追求されており、シートベルトはもちろん、アンカーにもオレンジのレザーが巻かれ、イエローのクロスステッチによる装飾つき。

シートバックもレザー仕上げ、そしてレバーにもレザーが張られます。

ルームミラーまでもがイエローのレザー張り。

ドアリリースレバーはウッド。

ステアリングホイールやダッシュボードもイエローとオレンジのレザー張り。

センターコンソール、シフトレバー、シフトブーツもやはりオレンジとイエロー。

そして驚かされるのはこういったスイッチ類にまでオレンジやイエローのレザーが張られていること。
たしかにポルシェには「エアコン吹出口のルーバーにもレザーを貼る」といったオプションが存在するものの、ここまで手を入れた車両は見た記憶がないというのが正直なところ。

ダッシュボードの一部にはウッドが用いられ、ノブの外周にもレザーが巻かれるものの、中央は(光を透過させる必要があるからか)標準仕様のブラックです。
CDプレーヤーはおそらく「内装で唯一手が入っていない」部分かも。

メーターも完全なるカスタム仕様。

フロントトランクはモコっとしたカバーで覆われ、フロントメンバーもレザーで覆われて塗装部分が見えないように加工されているようですね。

このポルシェ911のレストアにかかったのは約4年
なお、このポルシェ911ターボSはドイツのポルシェ・クラシック部門にてフルレストアがなされているといいますが、それにかかった期間は約4年(2010〜2014年)。

レストアにかかった費用は44万6500ユーロ(日本円で約5700万円)だといい、その後にはわずか106キロしか走行していない、とのこと。

この911ターボSは現在88万8888ドル(約1億100万円)にて販売されていて(オリジナルの書類とレストア時のインボイスが付属する)、レストア費用、その希少性、カスタム度合いから見てお買い得と言っていいかもしれませんね(カスタム内容が万人受けするかどうかは別として)。

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参照:Pfaff Reserve