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ホンダがGMとの共同開発となるEV、「プロローグ」を発表。なぜプロローグという名なのか、なぜミッドサイズSUVを選択したのか、ホンダの戦略を考える

ホンダがGMとの共同開発となるEV、「プロローグ」を発表。なぜプロローグという名なのか、なぜミッドサイズSUVを選択したのか、ホンダの戦略を考える

| このプロローグは「ホンダが考えて考えて考え抜いた末の」戦略が反映されている |

スペックやデザイン、実用性については申し分ない

さて、ホンダが北米にて展開を行うBEV「プロローグ」を正式発表。

このプロローグ(Prologue=序章)というネーミングは、ホンダの"電動化戦略における重要な役割 "を象徴していますが、かつてホンダが「ホンダ・ベルノ」を立ち上げる際に用意したプレリュード(=前奏曲)を思わせる命名でもあり、ホンダの静かな決意が伝わってくるように思います。

なお、こプロローグはGMとの提携により、GMの有するUltium(アルティウム)ドライブトレイン技術とBEV3プラットフォームを活用して作られたクルマであり、提携の範囲を考慮すると、日本での発売は望めないかもしれません。

Honda-Prologue (8)

ホンダ・プロローグはこんなクルマ

そしてこのホンダ・プロローグを見てみると、外観としては「ホンダらしい」クリーンなデザインを持っており、CR-Vなど現行SUVと通じるものも。

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なお、リアの「Honda」ロゴは電動化時代に対応する新バージョンではあるものの・・・。

Honda-Prologue (7)

全体的なデザインは「ホンダe」とは異なって未来を連想させるものではなく、しかしこれは既存ラインアップからのスムーズな移行を想定したものかもしれません。

そしてホンダに限らずですが、ここ最近登場するEVは「無理に未来を押し出していない」モデルが多いもよう。

かつてEVといえば近未来的なデザインを持つものが多く、それによって「新しい選択肢であること」を強調しようという意図であったのだとは思われますが、消費者としてはむしろそこに拒否反応を示したという可能性がありそうです。

01 2024 Prologue Elite

アルファロメオ
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なお、ホンダがプロローグに採用したのは新しいデザイン言語である "ネオ・ラギッド "。

デザインを担当したのはロサンゼルスにある同社のデザイン拠点で、オフィシャルフォトを見てもわかるとおり、都市であっても郊外であっても、つまりどんな風景にも似合うようにデザインされています。

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そして一見するとEVっぽくは見えないものの、実際にはEVならではの構造的特徴が生かされており、フロントにエンジン、さらにはトランスミッションにエキゾーストシステムを装着する必要がないために前輪を大きく前に押し出すことが可能となり、全長はホンダ・パイロットよりも4インチ短いものの、逆にホイールベースは9インチ長くなっているのだそう。※プロローグのホイールベースは121.8インチ

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ホンダ・プロローグの航続距離は300マイル(482km)

スペック面を見てみると、今回発表されたグレード(ELITE)には85kWhのリチウムイオンバッテリーパックと、288馬力を発生するデュアルモーターが搭載され(後にFFバージョンも投入予定)、最大155kWのDC急速充電を可能とすることにより、10分間にて65マイル(105km)ぶんをチャージできます。

なお、先日発表のあったとおり、ホンダはテスラの充電規格(NACS)を採用するものの、このプロローグについては車体への組み込みが間に合わず、実際に車両にこのソケットが装着されるのは2025年以降。

それまでは別途アダプターを用意することで対応する、とアナウンスされています。

2024 Honda Prologue

EV
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ホンダが北米に投入する最初の量販EVとしてミッドサイズクロスオーバーを選択したことは非常に興味深く、つまりはコンパクトカーやスポーツカーを選ばなかったのは注目に値するところ。

このミッドサイズクロスオーバーは北米でもっともポピュラーなセグメントだとも言われており、そしてプロローグは「統計上、人々がEVに必要だと考える、300マイルの航続距離を満たし」「小さな子供がすでにいる家族にも、これから成長していく家族にも優しい、広々としたスペースを持ち」「行き過ぎないパワーで」「フォードF-150のベースモデルと同じ5,000ポンドの牽引能力を有する」というクルマ。

つまり、アメリカ人が求める要素を幅広く満たし、「最大公約数の人々を満足させることができる」電気自動車として企画したのだと考えて良いかもしれません。

04 2024 Prologue Elite

ホンダは時々「尖った」クルマを作ることで知られ、ついついそのイメージに引っ張られがちではあるものの、一方では「カブ」「シビック」のように多くの人の需要を満たすための実用的なバイクやクルマも多くリリースしており、このプロローグもそういった流れにある一台なのだと思われます(そしてプロローグの名の通り、これは単なる序章であり、ここからの展開を示すきっかけなのだと考えられる)。

よって、このプロローグは一見すると地味に見えるものの、ホンダが、熟慮に熟慮を重ねたうえでの「強い決断」だと捉えています。

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ホンダ・プロローグのインテリアはこうなっている

そしてこちらはホンダ・プロローグのインテリア。

雰囲気的には「他のホンダ車にも見られる、ホンダのおなじみ」といった感じですが、いくつかのスイッチやステアリングホイール等にGM製を使用しているために(ホンダにとっての)新鮮さも。

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さらにはホンダらしい人間工学に基づいた作り、刺激の少ない優しいデザインを持っており、とくに前席の着座位置や足元の広さについては肯定的な意見が見られます(一方で後部座席のヘッドスペースは長身の人にはキツいようだ)。

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加えて「プラスチックが目立つ」「建付けが良くない」というレビュー動画も見られ、このあたりは市販時にいくぶんの改善が見られるかもしれませんね。

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ホンダ・プロローグの公式動画はこちら

参照:Honda, CARBUZZ

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