| サイバートラックのリコールのほとんどは「無線アップデートでは改善しない |
それでもテスラは(いつもどおり)真摯に不具合と向き合っている
さて、テスラ・サイバートラックが発売以降「6度目の」リコール。
テスラはもともとリコールが少なくはない会社ですが、「1車種あたり」として考えるとサイバートラックは比較的多いほうで、しかもそのリコールの内容が(モデルYなど)ほか車種とは異なって「オンラインアップデート(無線アップデート、OTA)」では改善できない物理的なたぐいのものが多くなっています。
ただ、ぼくとしてはこれについてネガティブな意見は持たず、これだけ物理リコールが多いのは「テスラがサイバートラックへ、新しい構造やデバイスを盛り込んだ」つまりチャレンジを行っているからで、「不具合が出ない」使い古されたデバイスやコンポーネントを使用していればここまでのリコールは出ず、よってこのリコールの多さはテスラの進歩を表しているのだと捉えているから。
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今回のサイバートラックのリコールはこうなっている
6回目のサイバートラックのリコールにつき、対象となるのは2,431台で、その原因は「駆動インバーターの不良」。
修理は来月初旬に始まり、技術者が駆動インバーターを無料で交換しますが、この「不良」インバーターを使用し続けると(今現在問題がなくとも)駆動力が失われる恐れがあるといい、もしそうなった場合には車両ディスプレイへと表示がなされ、安全のために路肩に停車するようにという指示が行われるのだそう。
この問題は7月31日に顧客からの苦情を受けたことに端を発しており、調査の結果、10月末には「MOSFETを使用した駆動インバーターの故障率の増加」を特定し、その1週間後にリコールの決定を下しています。※駆動インバーターに金属酸化物半導体(MOSFET)が使用され、これらのインバーターに「故障」が発生すると、トルクを生み出すことができなくなる可能性がある
テスラは少なくとも5件の(同様の)事例について把握していますが、この問題により負傷者や死亡者、衝突事故は報告されておらず、対応が始まる12月9日までに何も起きないことを祈るばかり。
なお、上述のとおり今回のリコールはサイバートラックにとって6回目で、これまでのリコールにはリアビューカメラディスプレイの遅延、アクセルペダル、ワイパーモーター、そして落下する恐れのあるトリム部品等がリストアップされています。
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参照:NHTSA