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サイバートラックの「ほぼ生産全台数」、11,688台がリコールされる。やはり固有の設計とパーツを持つだけに予見できないトラブルも多いもよう

テスラ

| しかしながらテスラにとっては「ある程度のトラブルは予想通り」なのだと思われる |

実際にこれまでにもテスラは「トラブルを解決しながら」ここまでやってきた

さて、テスラが昨年11月から今月までに製造されたサイバートラックのほぼすべて、最大で11,688台にリコールを届け出。

ほとんどの場合、テスラは無線アップデート(OTA)にて問題を修正するのですが、今回は物理的な故障ということもあって無線アップデートでは解決できず、よってサイバートラックのユーザーはテスラのサービスセンター、もしくは提携工場へと自身の車両を持ち込む必要がありそうです。

参考までに、テスラは自社のサービスセンターを「基本的に」持たず、代わりに(北米では)地元の修理工場、そしてGMのディーラーと提携してメンテナンスや修理を行っているといい、よってテスラに修理の必要が生じるとGMのディーラーが儲かるという不思議な構図ができあがっているとされ、今回のリコールではGMのディーラーにとっても「思わぬ利益」となるのかもしれません。

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今回テスラがサイバートラックにて届け出たリコールは2件

今回テスラがサイバートラックに関してNHTSAに届け出たリコールは2件あり、ひとつは少し前から問題になっていた「ワイパーの故障」。

「ワイパーを動かすモーターに過電流が流れることがあり、その結果としてワイパーが動かなくなる」という可能性があるとされ、これについては納車済みサイバートラックの全台数である11,688台が対象となっています。

そしてもうひとつは「荷台のトリムが剥がれる可能性がある」という問題で、これもやはり該当パーツについて物理的な修理もしくは交換が必要だと報じられ、(2024年5月までに製造された)11,383台がリコール対象に。

なお、(テスラの中で)サイバートラックのみがこうした物理的な修理を要するリコールの対象となるのには理由があり、それは「サイバートラックが、テスラの他のモデルとほぼ共通性を持たない新しい設計とパーツを持つから」。

よってテスラにとって今まで馴染みがなかった構造やパーツが使用されており、これが「予見できない」トラブルを引き起こすわけですね。

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さらに言うなれば、テスラの方針自体が「ベストエフォート型」で、つまり最大限の努力を行って製品を市場に送り出すものの、想定外の問題がこる可能性があり、そうなったときは都度都度対応してゆくというもの(つまりトラブルが起きることをあらかじめ想定している)。

この反対が「ギャランティー型」であり、これは日本や欧州の自動車メーカー見られる方針なのですが、「いかなる状況でも問題が起きないことを保証する」というもので、開発・設計時にありとあらゆる状況を想定したリスク潰しを行ったうえで発売するわけですね。

一見すると「ギャランティー型」のほうが正しいようにも思えるものの、現在の流動的な状況においては「開発に時間がかかりすぎて商機を逃してしまう」こともあり、であればある程度のリスクを覚悟の上で臨機応変な対応を行い、最短で商品を発売するという「ベストエフォート型」のほうがベターであると捉えることも可能です。

実際のところ、中国の新興EVメーカーはこの「ベストエフォート型」を採用しており、これによって既存自動車メーカーに比較して1/2~2/3程度の開発期間にてEVを市場投入することが可能となっていて、こういった方針が強い競争力の一因となっている、とも言われています。

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テスラ・サイバートラックにはその他の問題も指摘される

なお、サイバートラックには様々な問題が指摘されていて、つい最近ネット上を賑わせているのが「アクセルとブレーキ、ステアリングホイールが作動しなくなった」というもの。

走行できないのであれば(まだ)問題はないものの、走行中に「アクセルとブレーキ、ステアリングホイールの操作を受け付けなくなった」という例があるようで、実際にX上では「そのまま一直線に加速し、隣家に突っ込む」サイバートラックの様子もアップされています。

幸いなことにこの事故ではけが人が出ておらず、テスラが原因を調査している最中だとも報じられていますが、現時点でこのオーナーは自腹で修理を行うより他はなく、その修理費用は3万ドル(約480万円)、そして修理しようにもパーツの納期が1年以上先になるという連絡を(テスラから)受け取っている、とのこと。

まだまだ原因がどこにあるのかは不明ではあるものの(ユーザーの操作ミスの可能性もある)、サイバートラックは今のところ「何をしても話題になる」ため、こういったトラブルが拡散しやすいという状況にもあるようです。※加えて、トラブルを捏造し注目を浴びようとするケースも少なくない

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