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BMW「アートカー」とは?50周年を迎えた「世界を魅了する走るアート」の歴史と起源を探求する【動画】

2025/06/06

BMW「アートカー」とは?50周年を迎えた「世界を魅了する走るアート」の歴史と起源を探求する【動画】

| 一般に目にする機会が少ないためか「あまり馴染みがない」のがアートカーではあるが |

現在では「ひとつのジャンル」として確立されているといっていい

BMWアートカーとは、世界的に有名なアーティストがBMWの車体をキャンバスとして自由にペイント・デザインした「走る芸術作品」。

単なるペイントカーではなく、アートと自動車工学、さらにはモータースポーツの世界が融合したユニークなプロジェクトとして、世界中で高い注目を集めています。

BMWが記念すべき20台目のアートカーを製作すると発表。MハイブリッドV8ハイパーカーをベースとしてジュリー・メレトゥがデザインを担当
BMWが記念すべき20台目のアートカーを製作すると発表。MハイブリッドV8ハイパーカーをベースとしてジュリー・メレトゥがデザインを担当

| 現時点ではまだ「素」のまま、ここからレースに向けてデザインが調整されるものと思われる | ただし現状の「カーボンむき出し」状態であってもじゅうぶん「アート」のように思えるが さて、BMWはかねてよ ...

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起源:最初のアートカーはレース仕様だった?

BMWアートカーの始まりは1975年。フランス人レーシングドライバー、エルヴァン・アレクサンダーの依頼により、アメリカのポップアーティストアレクサンダー・カルダーがBMW 3.0 CSLをペイントしたのが最初です。

この車はル・マン24時間耐久レースに出場し、見た目だけでなく実際にレースに参戦した「走るアート」として注目を浴びています。

NMW (2)

Image:BMW

そしてBMWによるアートカーの存在を一気に知らしめたのがフランク・ステラによる「BMW 3.0 CSL ミリメートル(1976年)」で、これはその名が示す通り、「方眼紙」をモチーフにしたグラフィックが車体全体に施されていることが特徴です(当時はアナログな手法でハンドペイントを行っていたのだと思われ、制作には相当な時間がかかったことが推測される)。

NMW (3)

Image:BMW

BMW「アートカー」プロジェクトにはどんなアーティストが参加しているのが?

BMWアートカー・プロジェクトには、以下のような世界的アーティストたちが参加していますが、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンシュタインといった巨匠もその名を連ねており、BMWがそうとうに力を入れてきたこともわかりますね。

NMW (1)

Image:BMW

  • アレクサンダー・カルダー(BMW 3.0CSL/1975年)
  • フランク・ステラ(BMW 3.0CSL/1976年)
  • ロイ・リキテンスタイン(BMW 320i/1977年)
  • アンディ・ウォーホル(BMW M1/1979年)
  • エルンスト・フックス(BMW 635CSI/1982年)
  • ロバート・ラウシェンバーグ(BMW 635CSI/1986年)
  • ミハエル・ジャガマラ・ネルソン(BMW M3 グループA/1989年)
  • ケン・ドーン(BMW M3 グループA/1989年)
  • 加山又造(BMW 535i/1990年)
  • セザール・マンリケ(BMW 730i/1990年)
  • A.R.ペンク(BMW Z1/1991年)
  • エスター・マラング(BMW 525i/1991年)
  • サンドロ・チア(BMW M3 GTR/1992年)
  • デイヴィッド・ホックニー(BMW 850CSI/1995年)
  • ジェニー・ホルツァー(BMW V12 LMR/1999年)
  • オラファー・エリアソン(BMW H2R/2007年)
  • ジェフ・クーンズ(BMW M3 GT2/2010年)
  • ツァオ・フェイ(BMW M6GT3/2017年)
  • ジョン・ヴァルデッサリ(BMW M6 GTLM/2016年)
  • ジュリー・メレトゥ(BMW MハイブリッドV8/2024年)
BMW-ARTCAR (4)

この50年において、BMWは「20」ものアートカーを発表していますが、こうやって見ると、集中しアートカーを発表している時期、反対にしばらくアートカーを発表していなかった時期もあり、BMWがいつ、どうやって「アートカーを投入するのか」を決定しているのはちょっとナゾ。

しかしいずれもアーティストごとの個性が色濃く反映されたデザインが特徴で、すべて1点ものの芸術作品です。

BMW-ARTCAR (5)

なお、ひとくちに「アートカー」とは言っても、ボディはもちろんパーツ隅々にまで手が入ったもの、あるいは単に「ボディにペイントしただけ」で終わったものなど、まさに「アーティストによって表現の範囲がそれぞれ」。

Z1

Image:BMW

レースカーだけじゃない?現代のアートカー事情

近年では、レーシングカーだけでなく市販車やEV(電気自動車)にもアートカーの取り組みが広がっており、例えば2023年には、BMW i5がアーティストのジャスティン・スミスによって大胆にペイントされていますが(しかしこの車両はBMWによって”アートカー”にカウントされていない。いくつか同様の事例がある)、BMWのアートカーは単なる企業プロモーションではなく、「アートと未来のモビリティ」を融合させた文化的プロジェクトとして進化し続けています。

BMW-ART (2)

Image:BMW

アートとしての価値も高まる一方

BMWのアートカーは、美術館や現代アート展などにも展示されており、美術品としての価値も非常に高く、実際に、これらの車両はBMWのミュンヘン本社や国際的なアートフェアで定期的に展示され、多くの人々を魅了しているのもまた事実。

おそらく、これまでに製作されたアートカーは(オークションなどを通じて市場に出回ったことがないので)すべてBMWが所有しているのだと考えて良さそうですね。

BMW-ART (1)

Image:BMW

まとめ:BMWアートカーは「走るキャンバス」

BMWアートカーは、ただの車でも、ただのアートでもありません。

それは「走るキャンバス」として、世界の名だたるアーティストと共に進化し続ける、BMW独自のカルチャープロジェクトであり、モビリティそしてモータースポーツとアートが融合したこの取り組みは、今後もさらなる展開が期待されています。

BMW-ART (1)

BMWの「アートカー」50年の歴史を紹介する動画はこちら

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参照:BMW Group, BMW

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