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| パガーニ「オフロードスーパーカーは今のところ計画なし」 |
しかし顧客の要望次第でその可能性も「ゼロではない」
アートとパフォーマンスが融合したスーパーカーで知られるイタリアのパガーニ。
しかし、ポルシェ911ダカールやランボルギーニ・ウラカン・ステラートのような「オフロード走行も可能なスーパーカー」という新たな潮流に乗る予定は、今のところないようです。
パガーニは「今のところ」その計画はないというが
これは先日開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてパガーニが公式にコメントしたもので、CarBuzzのインタビューに答えたパガーニの広報担当セバスチャン・ベリディ氏はこう語っています。
「現時点ではそのような計画はありません。ただし、将来の可能性に対して心を閉ざすつもりもありません。“絶対にやらない”とは言い切れません。」
Pagani S.p.A. is delighted to announce the revival of Modena Design, the company Horacio Pagani founded in 1991 to develop technologies in the field of composite materials.
— Pagani Automobili (@PaganiAuto) September 11, 2024
Read the press release: https://t.co/bp3M8cLquq pic.twitter.com/LA6f5vIsFl
ポルシェやランボルギーニが切り開いた「悪路対応スーパーカー」の新境地
昨今、オフロードを備えたスポーツカーへの需要は確実に高まっており、実際、以下のようなモデルが市場で注目を集めていますが、両者とも発売前までは「いやちょっと・・・」と言われていたものの、発売されると大人気となったモデルです。
- ポルシェ 911 ダカール:ラリー仕様の911といえる存在で本格的なオフロード走行も可能
- ランボルギーニ ウラカン・ステラート:スーパーカーにしてオフロード仕様を持ち、このジャンルの先駆け的存在
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このトレンドは、低車高ゆえに日常的な段差や傾斜で苦しむ従来型スーパーカーに対する実用的な解答とも言え、単なるスーパーカー、そしてハイパーカーに「飽き足りない」富裕層にとっての新しい選択肢であるとも考えられます。
Image:Lamborghini
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パガーニの立場:生産台数の少なさがボトルネックに
とはいえ、パガーニは年間生産台数が50台未満という超低ボリュームのブランド。
そのため、新モデルの開発や認証取得にかかる労力が膨大であり、SUVやEV、入門モデルを展開する予定もないと見られ、ベリディ氏によると以下の通り。
「当社はコンセプト発表から1年以内に納車を開始することを重視しており、それを守るためにもモデル数を絞っている。」
つまり、高品質なスーパーカーの提供に集中するために新たなカテゴリに手を広げないという明確な方針があり、現在は「顕在化している」需要を満たすためだけで十分に会社が成り立っているということなのかもしれません。
この状況であれば、今までのスーパーカーとはまったく異なる環境で使用され、まったく異なる要件を備えていなければならない「オフロード走行対応モデル」の開発やテスト、検証を行うためのリソースを確保できず、そしてリソース確保のために新しく人を雇ったり設備を拡大したとしても「モトが取れない」ということなのでしょうね。
Pagani S.p.A. is delighted to announce the revival of Modena Design, the company Horacio Pagani founded in 1991 to develop technologies in the field of composite materials.
— Pagani Automobili (@PaganiAuto) September 11, 2024
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「電動化」や「SUV路線」にも懐疑的なパガーニ
パガーニはまた、EV化や小型モデルの展開についても慎重な姿勢を示していますが、その理由は明確で、既存の顧客層がそれを望んでいないから。
ランボルギーニやフェラーリ、アストンマーティンがSUVを売れ筋商品にしている中、パガーニはあえて独自路線を貫いており、他社と競合しない方針を選んでいるように思われます。
Image:Pagani
まとめ:パガーニは「個」を守り抜く職人ブランド
パガーニは今後も、「芸術性」と「パフォーマンス」を極限まで高めたピュアスーパーカーに注力していくことが今回のインタビューから明確になり、現代スーパーカーブランドの中で、これほどまでにコンサバティブで“ぶれない”姿勢を貫いているブランドは希少かもしれません。
だからこそ、パガーニは唯一無二の存在であり続けているのかもしれず、独自の評価を確立しているのだとも思われます。
A sculpted profile, a featherlight soul, an unmistakable character.
— Pagani Automobili (@PaganiAuto) July 8, 2025
Introducing the Huayra Codalunga Speedster: an ode to timeless beauty.
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