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クライスラーが突如「ハルシオン コンセプト」を発表。昔の人が考えた未来のクルマっぽいネオレトロさを持ち、無限の走行距離を実現する「走りながら充電」も

クライスラー・ハルシオン・コンセプト
Chrysler

| クライスラーも現在ステランティス傘下にて再建中、今後の方向性を示すのがこのハルシオン・コンセプトだと考えられる |

大まかには「快適な移動手段」「サードプレイス」ということになりそうだ

さて、クライスラーが突如「パーソナライズされた運転体験と組み合わせた持続可能なデザイン、そして完全自動運転を組み込んだ、クライスラーの完全電動化の将来のビジョン」としてハルシオン・コンセプトを発表。

現在クライスラーはステランティスグループ傘下にありますが、このコンセプトカーは同グループの持つ「STLA Brain」「STLA SmartCockpit」「STLA AutoDrive」テクノロジーを統合した”ハーモニー・イン・モーション”なるシステムを持っており、これにより比類なき運転体験を提供する、としています。

Chrysler Halcyon Concept

クライスラー・ハルシオン・コンセプトはある意味で「レトロ」

このクライスラー・ハルシオンはピュアエレクトリックパワートレーンを採用し、その外観は一見すると未来的ではあるものの、「1970年代に考えられた未来のクルマ」のようなスタイリングを持っていて、ある意味ではレトロという印象も(もしかすると狙ったのかもしれない)。

The Chrysler Halcyon Concept exemplifies a fully electrified future of the Chrysler brand that embraces sustainability-driven exterior and interior design, full autonomy paired with personalized driving experiences and futuristic technology that expands o

フロントだと低いノーズ、エアブレードによってエアロダイナミクス性能を向上させ(EVにとって重要な)航続距離の伸長をもたらし・・・。

A warm Acrylic-tinted butterfly-hinged canopy serves as a third door for the Chrysler Halcyon Concept and works in conjunction with the red–carpet style side doors to offer spacious ingress and egress.

ドア開閉方法は「観音開き+バタフライルーフ」。※クライスラーではこの観音開きドアを「レッドカーペットスタイル」と表現している

A warm Acrylic-tinted butterfly-hinged canopy serves as a third door for the Chrysler Halcyon Concept and works in conjunction with the red–carpet style side doors to offer spacious ingress and egress.

この構造はインテリアへのアクセスを容易にするほか、オープンエアな雰囲気を生み出すのにも役立っているようですね。

A warm Acrylic-tinted butterfly-hinged canopy serves as a third door for the Chrysler Halcyon Concept and works in conjunction with the red–carpet style side doors to offer spacious ingress and egress.

クライスラー・ハルシオン・コンセプトは「高度な先進機能」を装備

なお、このハルシオン・コンセプトについては市販を標榜したクルマではなく、あくまでもクライスラーの進む方向性を示すために公開されており、その核となるのはスタイリングよりも「採用される技術」にあるもよう。

まず「環境」に対して強い意識が示されており、音楽CDを粉砕しリサイクルした素材を使用するなどインテリアの95%が「持続可能な素材」にて構成されています。

Brushed Black Copper door and door sill film accents provide an alternative to paint and lower the concept’s use of volatile organic compounds (VOCs) that are emitted during the painting process.

そのほか、ステランティス AI アシスタントによる「インテリジェント キャビン コンフォート機能」によって常に室内を快適な温度に保ったり、予測ナビゲーションを使用してリアルタイムでの交通ルーティングを行うこと、「ウェルカム/エントリー モード」では、生体認証を使用してLEDエクステリア照明アニメーション、パーソナライズされたエクステリア サウンド機能、インテリアスクリーン上でのコミュニケーションを演出することについても言及済み。

The rear of the Chrysler Halcyon concept also carries its own unique silhouette, with a water line that emphasizes the width and shoulders of the car, and the front’s cross-car read and LED-lit Chrysler Wing logo are mirrored in the rear.

加えて「パーソナライズされた車両サイマティクス」についても触れられていて、これは”ドライバーの行ったプリセットに基づき、穏やかなサウンドまたはエネルギッシュなサウンドを共有し、車両の雰囲気を設定する”と説明されていますが、さまざまな音の周波数により、対応する粒子の形状がコンソール画面に表示され、穏やかな周波数は粒子の分散パターンを作成し、ダイナミックな音はエネルギッシュな形状を表現するとのこと。

なお、同じステランティスグループにはアルファロメオも含まれており、アルファロメオは「ドライバーにフォーカスしたクルマを作ることに集中し、運転の注意を削ぐようなモニターや装備は必要ない」ともコメントしていて、同じグループ内であっても真逆の考え方を持つブランドが存在するのが面白い、と思います。

The interior of the Chrysler Halcyon Concept is an immersive environment with an almost 360-degree range of view, possessing a duality that delivers a “digital detox” cockpit through stress-free autonomous features.

アルファロメオ
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ユニークな機能としては「拡張現実星空観察モード」を備え、シートを後ろに倒すと不透明になる調光可能なガラスキャノピーやフロントガラスを持つそうですが、これはプラネタリウムのように(ガラス内側に)星空を投影することができる機能なのかもしれません。

The Chrysler Halcyon Concept’s lightweight, machine-faced 22-inc

これらのほかだと音声認識による各種操作と豊富なドライブモード(ただしスポーツ性能を追求したものではなく、自動運転の範囲を設定するもののようだ)、走行中のワイヤレス充電による「無制限の航続距離を可能とする革新的なダイナミック ワイヤレス パワー トランスファー (DWPT) テクノロジー」、800Vリチウム硫黄バッテリーの搭載に言及されており、特にこのバッテリーは”現在のクラス最高のバッテリーと比較して二酸化炭素排出量が推定60%削減される”とコメントされているため、やはり全体的に「パフォーマンスよりもエクスペリエンス、サステナビリティ重視」のコンセプトカーであり、そしてこれらのテクノロジーが今後様々な形でクライスラーのクルマに搭載されることになりそうですね。

Chrysler Halcyon Concept

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参照:Chrysler

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