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昨日の敵は今日の友?中国製EVに対し警戒を強めていたステランティスが中国新興EVメーカーと提携。もはや中国と「対立」しては生きて行けない

2023/10/28

昨日の敵は今日の友?中国製EVに対し警戒を強めていたステランティスが中国新興EVメーカーと提携。もはや中国と「対立」しては生きて行けない

| まさかこういった「解決方法」をステランティスが採用するとは思ってもみなかった |

ただし現在の状況を鑑みるに、中国と対立するのは得策ではない

さて、現在欧州にて大きな脅威となっているのが「中国製のEV」。

環境意識の高い欧州では「日常的に移動手段で乗る」クルマにも高い環境性能を求める傾向が強く、よって多くの消費者がEVを選びたいと考えていると言われますが、そこで懸念となるのがその車両価格。

つまりEVはガソリン車に比較して高価であり、趣味としてのクルマであればまだしも、「足がわりの」クルマに割高な費用を(いかに環境意識が高いといえど)支払うのは避けたく、そこで欧州の人々が注目しているのが「欧米の自動車メーカーのEVに比較し、大幅に割安な中国製EV」。

消耗品である移動手段であれば安い方がいいということで、事実として多くの人が中国製EVを選んでいるわけですね(イギリスでは、中国製EVは欧米メーカーの同クラスのEVに比較して37%ほど安いという統計がある)。

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ステランティスは中国製EVに強い警戒心を示していたが

そしてこの中国製EVに対し、強い警戒を見せていたのがステランティスのカルロス・タバレスCEO。

ステランティスはフィアット・クライスラー(FCA)とプジョー・シトロエン(PSA)とが合併してできたグループですが、そのブランド構成からして普及価格帯のクルマが多く、よって中国製EVに「モロに」シェアを食われているというのが現状です。

ブログ
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よってステランティスは様々な方法によってこれら中国製EVに対抗する手段を講じているものの、それらはすぐに結果が出るわけではなく、そこで今回発表されたのが「中国のEVメーカーとの提携」。

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アルファロメオ
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これはまさに「昨日の敵は今日の友」ともいうべき事実であり、ステランティスの発表によれば、ステランティスは15億ユーロを投資して急成長中のEVスタートアップ、リープモーターの株式21%を取得するとのこと。

そして(ステランティス本社のある)オランダに新たな合弁会社を設立し、そのうち51%をステランティスが所有することになると発表しています。

なお、この会社ではリープモーターの車両を中国国外に輸出、販売、製造する独占権を有することになり、つまりステランティスは(昨日までの)自らの敵のクルマを欧州はじめ他の国や地域で販売することで利益を得るのだと思われ、つまりは「そうでもしないと利益を失う一方」ということなのかもしれません。※見方を変えると、この新しい会社は欧州市場での車両販売価格をコントロールする権利を有することになるので、ステランティスのクルマを脅威から(ある程度)守ることができるようになるのかもしれない

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上述の通り、中国製EVは欧州へと進出しているものの、現時点では「まだ一部」のブランドしか上陸しておらず、その理由は主に中国の新興EVメーカー側の「準備が整っていない」状況にあるとも言われていて、そしておそらくはリープモーターも「自社のみでは十分な準備を行うことが難しい」状況にあったのだと思われます。

そういった状況において、今回のステランティスとの協業は(リープモーターにとって)渡りに船であったとも考えられ、今後発表されるであろう事業内容についても期待したいところ。

参考までに、中国の新興EVメーカーが「輸出」を目指すのは、すでに中国国内の競争があまりに厳しくなっていて利益を確保できず、であれば価格優位性のある外国へと販路を拡大し、そこで販売を伸ばしてゆこうという意図に基づいているといい(新天地を求めている)、今後ますますその傾向は強まってゆくものと思われます。

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中国に対する接し方は各社様々

なお、こういった中国の情勢、中国の自動車メーカーに対する姿勢は各社さまざまで、たとえばテスラは「真っ向から勝負」。

一方でステランティスは「中国車の販売を手助け」することとなっていますが、フォルクスワーゲンはまた違った方法で中国の自動車メーカーと協力していて、その方法とは「中国の新興EVメーカーとの車両共同開発」。

フォルクスワーゲン
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現時点でこの「共同開発車両」の販売は中国国内にとどまるようですが、この目的としては「中国内でも通用するような安価な車両を作るには(開発や製造の投資を含め)自社のみでは難しく、かつ自社のこれまでの手法でも難しい」という思惑があったのだと思われ、もしかすると将来的には中国で製造したクルマを他の国へと「輸出」しようという計画も持っているのかもしれません。

ただ、いずれにせよ、現在の中国は「自動車市場」としても「製造元(あるいは輸出元)」としても大きな魅力を持っていることは間違いなく、あらゆる自動車メーカーにとって「中国を基準に物事を考えてゆかなければならない」時代に突入したということなのかもしれませんね。

フォルクスワーゲン
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参照:Stelantis

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