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シボレーが発売したばかりの「ブレイザーEV」をトラブル多発のため販売停止。GMと共同にてEVを開発するホンダにも影響か

2023/12/24

シボレーが発売したばかりの「ブレイザーEV」をトラブル多発のため販売停止。GMと共同にてEVを開発するホンダにも影響か

| 最大の問題は「インフォテイメントディスプレイ」であり、これに車両の操作を依存しているため、これが機能せずクルマが「動かなく」なることも |

現時点では新車販売復帰の目立は立たず先行きは不透明

さて、ゼネラル・モータースが発売したばかりのシボレー・ブレイザーEVの販売を停止する、と公式にアナウンス。

発端となったのはカーメディアによる試乗中のトラブルだとされ、これに続く形で様々な問題が連続して報じられ、GMの判断はこれを受けてのことだと報じられています。

なお、新型シボレー・ブレイザーEVは1,000台程度が販売されているそうですが、GMによると影響を受けるのは「限られた数」とのこと。

新型シボレー・ブレイザーの問題は「ソフトウエア」

報道によると、このブレイザーの問題はソフトウエアにあり、さらに追求すると「タッチスクリーン関連」。

「まれに、一部の公共の DC 急速充電器での充電中にも問題が発生する」といい、しかし実際に(上述の)カーメディアの試乗中にこの問題が発生してしまい、オハイオ州からノースカロライナ州へドライブしようとした際にこの問題が発生し、バージニア州の田舎にあるエレクトリファイ・アメリカ(充電施設提供会社)の充電ステーションにて「クルマを動かせなくなった」とのこと。

シボレーによれば「限られた数のブレイザーEV所有者がソフトウェアの品質上の問題を経験していることを理解しています。我々は、お客様に素晴らしい車両エクスペリエンスを提供していただくため、ブレイザーEV の販売を一時的に停止させていただきます。私たちのチームは修正プログラムの展開に向けて迅速に取り組んでおり、アップデートのスケジュールに関する詳細については、所有者に連絡させていただきます」。

加えてシボレーの副社長スコット・ベル氏は、「顧客満足が当社の最優先事項であるため、新規納入をしばらく休止する」としながら「本件の問題は安全関連ではない」ということを強調し、しかし現時点では納車再開の時期がまったくわからないという報道も。

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シボレー・ブレイザーにはどういった問題が発生するのか

そこでこのシボレー・ブレイザーの問題についてですが、単にタッチスクリーンの問題といえど様々な問題を含んでおり、たとえばウィンドウが昇降しなくなったり、インフォテインメントシステムのディスプレイが無限シャットダウンループに陥って操作できなくなったり、多数のエラーメッセージが表示されたりといった例が報告されており、多くの操作をインフォテイメントシステムに頼っているがために「このディスプレイが使えないと、クルマが機能をなさない」こととなるもよう。

なお、評価機関のエドマンズはこのブレイザーEVを痛烈に批判しており(実際にブレーザーEVを購入しテストを行っている)、「我々がこれまでに見た新車の重大な欠陥の単一リストとしては最長だった」とも。

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さらにこの問題は、ブレイザーEVのみではなく、GMが採用を拡大するUltium(アルティウム)プラットフォームを持つクルマすべてに影響する可能性があるといい、このプラットフォームは将来的にGMのすべてのEVに採用されることになり、GMの2035年までの「ラインアップの完全電気自動車化」という目標にとって極めて重要であると考えられ、GMの未来に暗い影を落とすことになるのかもしれず、同じくアルティウム・プラットフォームを採用するホンダにも影響を及ぼすことになるのかもしれません(ただしGMは追加にて、アルティウムやGoogle Built-Inとはこの問題が無関係であるというコメントを出している)。

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参照:Automotive News

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