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テスラが米にてモデルS/モデルXを値上げ!先日の「台数販売のためには値下げもやむなし」発言を受けて株価が10%下落したことへの対策か

テスラ

| それでもまだモデルSとモデルXの価格は昨年末よりも安い水準にとどまる |

単なる値上げによる客離れを恐れたのか「無料スーパーチャージング」サービスも付与

さて、テスラが値下げから一転、モデルSとモデルXの価格を「値上げ」。

これは先週はじめに「第1四半期の利益目標を達成できなかった」ことに起因するものだと見られ、(イーロン・マスクCEOが「利益ゼロであっても販売台数を増加させるほうが重要である」と語っていたにもかかわらず)値上げによって利益を確保することで株価を維持しようという狙いがあるのかもしれません。※それでもモデルSとモデルXの価格は2022年末よりもずっと安いレベルにある

値上げの代わりに無料チャージも追加

今回の値上げ幅は前の週に比較して約2,200ドルから2,700ドル高く、モデルSは85,000ドルから、モデルXは95,000ドルからという設定となっていますが、テスラは「値上げだけ」だと顧客が離れると考えたのか、3年間の無料スーパーチャージングを追加することに。

なお、この「無料チャージング」はよくテスラが採用するプロモーション手法のひとつでもあり、これは「自前のチャージングシステムを持つ」テスラだからこそできる芸当なのかもしれません。

テスラは競合他社が絶対に持ち得ないアドバンテージを持っている。それは自社の充電ネットワーク「スーパーチャージャー」であり、これがある限りテスラの優位は揺るぎない
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ちなみにですが、上述のとおりイーロン・マスクCEOは「(将来の利益と長期的な戦略)台数のためには利益を犠牲にしてもいいという考え方を持っている」というコメントを行っていて、この直後にテスラ株は10%ほどの下落を招いたことが今回の値上げの理由だと考えられ、となるとイーロン・マスクCEOは(気にしてないようでいて)けっこう株価を気にしているのかも。

テスラ

テスラは今後「ソフトウェア」「サービス」で利益を得る?

ただ、この値下げに対する市場の反応(株価下落)はやや短絡的にも思われ、ドイツ人アナリストのエマニュエル・ロズナー氏は「テスラが価格を下げる余地は、単に優れたマージンを縮小することにとどまらず、このEVメーカーは、より遠い将来にソフトウェアを豊かに収益化することを期待して、近い将来にハードウェアを手放す準備が概念的にできているようだ」ともコメント。

つまりテスラの利益構造は「クルマを売る」から「ソフトウエアで利益を生み出す」方向へと移行している可能性を示しており、つまり「利益ゼロ」でクルマを販売したとしても、サブスクリプションなりオプションなりにて提供する機能(主にはフルセルフドライビング=FSD)、そしてスーパーチャージャーの利用料によって十分な利益を得ることができるであろうことを伺わせます。

テスラはこれまでにも「一般的な常識を覆して」成長してきたものの、今回の「利益ゼロでも台数を売る」というのもまた常識からすれば諸手を挙げて賛成できるものではなく、しかしもちろん「数を販売することでこそはじめて成り立つ」ビジネスがイーロン・マスクCEOの頭の中にあるのかもしれませんね。

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参照:Reuters

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