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テキサス州で「充電事業者に対しテスラの充電規格(NACS)を義務付ける」ことが決定。事実上、テスラ規格は新しい充電スタンダードとなる可能性も

2023/06/26

テスラ

| テスラの圧倒的市場支配力そして影響力を考慮すると、この動きを止めることは難しいだろう |

テスラは「EV販売」以外の思わぬ方向でその存在感を強めている

さて、先日はフォードとGMがテスラの充電規格(NACS)に対応すると発表し、それにリビアンが続いたこと、さらにはヒョンデとステランティスもNACS対応を検討中だと報じられていますが、今回はテキサス州において「今後、電気自動車(EV)充電事業者に対し、複合充電システム(CCS)規格に加え、テスラの北米充電規格(NACS)の導入を義務付けける」ことが決定したとの報道。

さらに「NACSを採用しないEV充電会社は、連邦政府資金を利用して高速道路の電化を目指す州プログラムの対象から外される」ことになるといい、事実上テキサス州においてはテスラの充電規格が標準仕様になるものと考えられます。

テスラ・スーパーチャージャーは北米で12,000台以上が設置済み

なお、現在北米(アメリカとカナダ)では12,000基ものスーパーチャージャーが設置されており、米エネルギー省によると、スーパーチャージャーは米国で稼働している急速充電器の約60%を占めています。

つまりテスラはその車両のシェアに加え「稼働する充電器のシェア」でもトップを走っているということになりますが、これは「タマゴとニワトリ」の問題ともよく似ているものの、テスラはその先行者利益をうまく活用していると考えて良いかと思います。

そしてテスラはさらに販売台数を伸ばすとともに充電器の数を伸ばすことになると予想され、GM、フォード、そしてリビアンはこれに「乗っかる」ことでEVユーザーの最大の懸念の一つである「充電に関する問題」を緩和することが可能となるわけですね。

もちろんテスラに対してNACSの使用料を支払う必要があるものの、それでもEVの販売を伸ばせるとなると、これらの自動車メーカーにとっては「規格の使用料なぞは安いもの」だとも考えられます。

テスラ

一方のテスラは自社製品以外の充電による追加収入(スーパーチャージャー利用料)を得ることが可能となりますが、現在(全体の利益の)10%程度とされる”充電にかかわる利益”をさらに伸ばせる可能性が出てきます(現段階では他社のEVがさほど普及していないので大きく伸びることはないだろうが、長期的には莫大な収入になるはずである。加えて、テスラはこのために特別な投資を行う必要はなく、これまで通りスーパーチャージャーを増やすだけでいい)。

テキサス州はアメリカで2番めに大きな州であると同時にテスラの本拠地でもありますが、今回の決定は「他の州への(同様の決定を行うようにという)プレッシャーになる」という意見もあり、「事実上、NACSが新たな充電標準になる」ための第一歩だとも見られています。

それでもテスラは新たな充電方法を模索

そしてテスラはもう「次の」ステップへと歩みを進めようとしており、「ワイヤレス充電技術を専門とするドイツの新興企業の買収交渉に入っている」という報道も。

この動きによって、テスラの顧客が「ケーブルによる充電以外」の方法でチャージできるようになり、つまり手動でケーブルを接続しなくてもバッテリーへの充電ができるようになるわけですね。

テスラ

この報道によると、テスラはドイツのフライブルクにある小さな会社ウィフェリオンと交渉中、もしくはすでに買収した可能性があるとされ、このウィフェリオン社は電気自動車やロボット用のワイヤレス充電パッドを製造することを目的に2016年に設立され、実際に2018年から製品を販売しています。

なお、テスラは「人の手を介さない充電」を目指しているといわれ、しかし今のところなんら製品化もしくは実用化がなされていない状態です。

ただし今回の買収が現実ともなるとテスラの掲げた構想のひとつが実現することになり、こちらについても他社製品へと(充電を)開放することで新たな収入源となる可能性を秘めており、なによりもユーザーの充電エクスペリエンスを劇的に改善できるかもしれません。

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参照:Reuters, Business Insider

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