| レカロがこういった限定モデルを発売するのは珍しい |
高性能かつ高品質なシート製造で知られる「レカロ」が限定シート発売を発表。
レカロがこういったアナウンスを行うことは非常に珍しいと思いますが、その限定モデルとは「スポーツスターCS ニュルブルクリンク・エディション(Sportster CS Nurburgring Edition)」。
限定脚数は999、レカロによると「ニュルブルクリンクにおいて必要とされるサポート性に加え、最大限の快適性を実現した」。
限定モデルはブラックにレッドのカラーリング
基本構造はベースとなるスポーツスターCSと変わらず、樹脂製の超軽量構造にスリムなバックレストを採用。
これに加えてブラックの高品質なレザー、そしてコントラストステッチが与えられることとなっています。
そして座面と背もたれの一部にはレッドレザーを使用したアクセントも。
ヘッドレストにはもちろん「RECARO」、そしてニュルブルクリンクのコースをかたどった刺繍も入り、気分を高めてくれます。
シートバックには3本のストライプ。
用意されるのは「運転席」と助手席ですが、合計999脚なのか、運転席と助手席とが「それぞれ」999脚なのかは不明です。
実物はニュルブルクリンク24時間の開催にあわせ、サーキット内に開設するレカロブースに展示される、とのこと。
なお、日本での販売が行われるかどうかは不明。
日本ではベースとなる「Sportster AN100H」が205,200円、「Sprtster CL100H」が259,200円で販売されているようですね。
レカロ(RECARO)とはなんぞや
なお、レカロは「ブレンボ」「ビルシュタイン」と並ぶ三種の神器に数えられるとぼくは考えていますが、クルマのシートだけではなく、旅客機のシートやスタジアム(競技場)のシートに採用される例も。
レカロの公式サイトには「ブランドプロミス」「スタジアムシート」「自動車への採用実績」といったコンテンツがあり、これらによるとレカロは1906年、ドイツにて創業された、とあります。
このときは「馬車製造社ロイター」としてのスタートで、その後「ロイター・シュトゥットガルト車体製造会社」へと社名を変更して自動車の車体製造を開始。
当時はポルシェ356を製造していたことでも知られますが、同時にシートのみをメルセデス・ベンツなどドイツの自動車メーカーへと納入するようになっています。
その後1963年にシート製造部門を除く車体製造や内装部門をポルシェに売却し、「シート専業」メーカー「レカロ(Recaro)」として再スタートを切ったのが現代のレカロの始まり。
なお、その後カイパー社に買収され、その際に現在の社名「Keiper Recaro GmbH & Co」へと変更され、今に至るまでこれが続くことになっています。
レカロのシートは非常に高価
レカロのシートは非常に高価ではあるものの、「高級」というよりは機能性を追求したらその価格になってしまったというたぐいの製品で、つまりもともと高級を志したわけではなく(ポルシェ、ライカなどドイツ製品にはこういったものが多い)、よって機能・性能が重視されるクルマに装着される場合がほとんど。
レカロが重要視するのは「ドライバーを正しい着座姿勢へ導くということ、次にそのポジションをどんな状況下においても保持するということ、さらに運転中の疲労を抑制するということ」。
これを見てもわかるとおり、主には「ドラポジ重要」なスポーツカー向けということになりますが、レカロによると純正装着された例として「マツダ・ロードスターRS」「メルセデス・ベンツA45MAG」「ロータス・エヴォーラ」「キャデラックCTS-V」「フォード・マスタング」「日産GT-R NISMO」「スバルBRZ tS」など。
快適性とホールド性とを両立させた「スポーツ系」から、エヴォーラ用のように「ほとんどフレームだけ」で軽量性を重視したレーシングシートまで揃うのが特徴ですね。※自動車メーカー別の純正/オプションRECARO採用実績はこちら
そのほか、「スタジアムシート」としての採用も多く、レカロによると現在16カ国以上、60箇所に設置済み。
選手用ベンチシート、VIPシート、サポーター向けシートなどに採用されており、イーグルス、名古屋オーシャンズ、川崎フロンターレ、大阪市長居陸上競技場、ヤフオクドーム、ユアテックスタジアム仙台(シートヒーターつき!)などが導入しているようですね。