| フェラーリファンが急にアンチになる例はこれだけではない |
フェラーリコレクターにして映画監督、はたまた起業家と知られるジェームズ・グリッケンハウス氏。
自ら「スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス」を主宰してスーパーカーの発売を行っていますが、今回フェラーリが発表したハイブリッドモデル「SF90ストラダーレ」に対して納得が行かなかったようで、自身が発売しているスーパーカーのほうがずっといい、と自身のFacebookへと投稿しています。
これほどの自身アリアリ発言も珍しい
今回の投稿においては、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスの「SCG004CS」はハイブリッドシステムを持たないにもかかわらず800馬力(これはオプションですが)を発生し、しかしフェラーリF90ストラダーレはハイブリッドシステムを持つ割に986馬力にとどまり、ハイブリッドカーのため重量が重いということについて言及。
これについては多くの反発を招くこととなっていますが、「宣伝」としては一定の効果があったのかもしれません。
なお、ジェームズ・グリッケンハウス氏は生粋のフェラーリファンであったはずで、これまでも自身のエンツォフェラーリを、ピニンファリーナにて「ワンオフでの」カスタムに出し、”フェラーリP4/5”を作らせたことも。
さらにはかつてのコンセプトカー「フェラーリ・モデューロ」を購入し、レストアして実走させたという実績も持っています。
さらに自身が発表したスーパーカー「SCG004」もクラシックフェラーリをモチーフにしたことは明らかであり、フェラーリに対してはかなり愛情のある人物であった、とぼくは認識しているわけですね。
こちらはフェラーリSF90ストラダーレ。
こちらはSCG004CS。
やはり似ている、とは思います。
なぜフェラーリファンはアンチに転じることがあるのか
そして気になるのは、なぜこれほどまでフェラーリを愛した男が「アンチになったのか」ということ。
自身のクルマの宣伝のための「炎上マーケティング」的側面もあったのかもしれませんが、それでもフェラーリを貶めるのはファンにあるまじき行為だとも考えています。
こういった「急進派アンチに転じる」例はジェームズ・グリッケンハウス氏だけではなく、過去にも高名なフェラーリコレクターがフェラーリに対してネガティブキャンペーンを開始した例も。
こういった背景にあるのは「フェラーリが”重要”と考える顧客の性質が変わり始めた」ということがあるとぼくは考えていて、これまでは(たぶん)購入台数に応じて限定モデルを振り分けていたものの、最近では「新規」顧客でもSNS等での影響力がある人、ネット上での価値が高い人に限定モデルを優先販売する傾向が強くなっています。
これはフェラーリが「表に出ないロイヤルカスタマー」より「多くの人に影響がある若い顧客」をより重要だと認識しはじめた結果だと思われますが、反面これまでの重要顧客の一部が切り捨てられるという現象も発生している模様。
よって、もしかするとジェームズ・グリッケンハウス氏も「限定モデルを売ってもらえなかった」「フェラーリに邪険に扱われた」のかもしれず、それが”可愛さ余って憎さ百倍”状態なのかもしれない、と考えたりします。