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【動画】ヤマハがハイパーカー用エレクトリックモーター市場に参入!「すでに多くの問い合わせを頂いている」。将来的に自動車メーカーの内製率はどんどん下がりそう

2021/04/14

ヤマハがハイパーカー用エレクトリックモーター市場に参入

| ここ最近の自動車業界の変化の流れは思ったよりもかなり速い |

さて、ヤマハが350kWh(約470馬力)の自動車用エレクトリックモーター製造に参入する、と発表。

え?もうヤマハは電気モーター市場に参入しているんじゃないの?と思ったのですが、これまでに手がけていたのはさほど出力が高くない(35~200kWh)モーターであり、しかし今回は「高出力モーター市場に参入」ということになるようです。

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小型でハイパーカーに最適

なお、ヤマハによると、このエレクトリックモーターは「ハイパーカーに使用することを想定」。

作動電圧は(ポルシェ・タイカンにも採用され、主流になりつつある)800V、そしてメリットとして挙げられているのが「小型であること」。

このモーターは電気部品(インバーターなど)と機械部品(ギアなど)を一体化しており、全体としてシステムがコンパクトに収まると紹介していますが、これを使用する自動車メーカー側としては、「このユニットひとつで、必要な多くのパーツをまとめて内包するので」、設計上そしてメンテナンス上のメリットを感じるのかもしれません。

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単体だと470馬力にとどまるものの、後輪に2モーター(940馬力)、さらにフロントに1モーターもしくは2モーターを追加してゆくと全体では相当に高い出力を達成することができ、いずれはこのヤマハ製ユニットを採用するハイパーカーが出てくる可能性もありそうです。

ちなみにヤマハは、このエレクトリックモーター含むコンポーネント(アッセンブリー)について「e-アクスル」と呼んでおり、これはトヨタが先般発表したエレクトリックパワートレーンと同じ名称。

トヨタとヤマハは昔から関係が深く、よってトヨタのEVもヤマハのエレクトリックモーターを採用するのかと考えたものの、トヨタが公開した(上の)システムを見ると、ヤマハのそれとは形状が異なるようで、現時点では両者の関係性については謎といったところです。

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ヤマハはかつてエレクトリックスポーツを計画していたことも

なお、なぜヤマハがモーターを?ということですが、ヤマハはかつてエレクトリックスポーツ(4輪)の発売を計画していたことがあり、しかし2019年には「(完成車としての)4輪プロジェクトを廃止し、今後一切参入することはない」とコメント。

ただしその際に注入した資金の回収、そして得られた知見を生かし「新規事業」として考えたのがこのエレクトリックモーターなのかもしれません。

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EV時代になればサプライヤーとメーカーとの関係が大きく変わる

そして今後考えられるのが「自動車業界の変化」。

EV時代になると、バッテリーやモーターを内製化する”自動車メーカー”は少なくなると思われ、その多くはバッテリーやモーターなどの主要パーツを外部からの供給に頼ることになるものと思われます。

さらにフォルクスワーゲンは「ID」シリーズに採用しているエレクトリックプラットフォームを他社に販売可能だとしており、実際にフォードはこれを購入することで契約を締結したとも報じられます。

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加えてアウディ、ポルシェもそのEVアーキテクチャ「PPE」のライセンス供与についても前向きだと報じられており、世界中の自動車メーカーの使用するパーツやプラットフォームが「共通化」へ向かって動くことになるのも間違いなさそう。

よって、自動車「メーカー」といえど、将来的には「他社から購入した車体や、パーツを組み立てるだけの」アッセンブリー工場となるケースも多々出てくるものと思われ、内製化率が一気に下がるのかもしれません。

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となれば、自動車メーカー各社とも、ほかメーカーとの差異を打ち出すことが難しくなり、今とは異なるブランディング、マーケティングを展開する必要が出てきそうです。

これについては、世界規模で見た「効率化」の観点からは喜ぶべきだとは思うものの、けっこうな失業者が出るんじゃないかと考えたりしますが、エレクトリック化に伴う新しい需要も発生するため、結局はうまく回ってゆくのでしょうね。

ヤマハによる「高出力モーター」の紹介はこちら

参照:Yamaha Motor Global

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