「農夫とユーチューバー」を両立させ、ポルシェほかランボルギーニやフェラーリなどスーパーカーの大規模コレクションを手に入れた男がいた！Evoマガジン創業者はこんな人

｜ Evoマガジン創業者、ハリー・メトカーフがそんなバックボーンを持っていたとは ｜

様々な方面で成功しているところを見るに、商才があったのは間違いない

さて、自動車関連記事を漁っていると必ず出くわす名が「ハリー・メトカーフ」。

EVOマガジンの創業者としても有名なカーコレクターであり、数々のポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、そのほかロータスやジャガーなど多数のクルマを所有していることで知られます（それらのメンテナンス動画で有名）。

最近だとユーチューバーとしての活動に力を入れており、チャンネル登録者数は56万を超えていますが、今回ポルシェのオーナー向け機関誌、クリストフォーラスがハリー・メトカーフに関する記事を公開しており、これを読むとけっこう意外なバックボーンを持っている人物であるようですね。

ハリー・メトカーフはもともと農夫だった（そして今も農夫である）

クリストフォーラスによると、ハリー・メトカーフはもともと（今も）農夫であり、祖父が農業を営んでいたことから農業に親しみを持っていたものの、実際にはクルマのエンジニアになりたかったといい、しかし「数学が苦手で試験に落ちてしまった」。

そこで農業系の大学へと進学し穀物バイヤーという職からキャリアをはじめ、その後1990年代に入って農場を経営することになったのだそう。

稼いだお金を本業である農業に投資し事業を拡大する一方、余剰金は自身のカーコレクション拡充へと注ぐことになり、やがては多くのカーメディアが彼のコレクションに注目することになります。

やがてハリー・メトカーフはメディアとの関係性を深める傍ら1998年にスーパーカーに特化したメディア「Evo」を創刊することになりますが（この後のことしかぼくは知らない）、これによってさらなる成功を収め、しかし2014年に自身のYoutubeチャンネル「Harry's Garage」をスタートさせ、こちらに注力するためか今ではEvoから身を引いているそうですが、Evoでの仕事を辞めた後はいろいろなしがらみが無くなったのか自身の好きなクルマに没頭するようになり、そのひとつが「ポルシェ911」である、と紹介されています。

もともとハリー・メトカーフがポルシェに興味を持ったのは、15歳の頃に父親のもとで働いていた従業員が（当時発売されたばかりの）ポルシェ911（930）ターボの話ばかりしていたからだといい、その後は993ターボ、930ターボなど様々なクルマを乗り継いでいて、最近ガレージに加えたのがこの1989年製の911ターボS。

この911ターボSにはグループ4をイメージしたフロントスポイラー、容量を拡大したオイルクーラー、4本出しエキゾーストパイプ、ポルシェ959のシートやステアリングホイール、17インチホイール、なによりノーマルよりも30％も強力な400馬力オーバーのエンジンなどが搭載されている、とのこと。

「クルマはゆっくり走らせることができないとダメだ」

そしてハリー・メトカーフは「走っていれば、至福の絶頂です」とも語っていて、興味深いのは「クルマはゆっくり走らせることができないとダメだ」という信念を持っていること。

その点911ターボは「のんびり走らせることができる」クルマだといい、しかしいったん鞭をくれてやれば「極限状態までロケットのような加速を見せる」。

ポルシェファンというとRS系やシンプルなノンターボの911を好む人が多く、「ターボを愛する」人はそう多くないといった印象を持っていますが、さらに「クルマはゆっくり走らせることができないとダメだ」という意見は極めて稀。

ただ、ぼくも「ゆっくり走って楽しい車はどんな環境で走らせても楽しい」という信条を持っていて、その観点からすると911ターボは間違いなく「ゆっくり走っても楽しいクルマだと思います（スパルタンなスポーツカーというよりも、快適なGTカーを目指して設計されており、その意味において911GT3とは根本的に異なる）。

そしてこのハリー・メトカーフのさらに面白いところは今でも農業を続けているところで、イギリス南部のコッツウォルズにて122ヘクタールの農場経営者でもあること。

実際のところ農業専門Youtubeチャンネル「Harry's Firm」も運営しており、農業とスポーツカー両方を同じように愛しているようですね。

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参照：Christophorus