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まさに夢の道路!スウェーデンが「走りながらEVの充電ができる」Eモーターウェイ計画を発表。実現すればEVのバッテリー容量を70%削減可能

2023/05/21

まさに夢の道路!スウェーデンが「走りながらEVの充電ができる」Eモーターウェイ計画を発表。実現すればEVのバッテリー容量を70%削減可能

| 現在は幹線道路含む3,000kmの道路を「Eモーターウェイ」へと改装する計画が進行中 |

ただし実現に際してはいくつかの課題を解決する必要も

スウェーデンが2025年までに、「走行中の電気自動車を充電できる高速道路、”Eモーターウェイ”を完成させるという計画を進めているもよう。

これは文字通り「走行中に充電できる」という夢のような設備であり、実現できれば電気自動車が充電ステーションに行って充電する必要がなくなるという画期的なシステムです。

そしてこのメリットは「充電しに行かなくていい」だけではなく、常に充電がなされるために「EVのバッテリーサイズを小さくできる」という利点もあり、車体を軽く作ることができるために効率性が増し、さらには価格も低く抑えることが可能となるわけですね。

なお、試算によれば(スウェーデンでの平均的な運転スタイルをもとにすると)既存の道路の25%を作り直すだけでEVのバッテリーを70%小さくできるといい、そう聞くと非常に有用という気もしてきます。

まずは欧州の「ルート20」からテストを開始

そして驚くべきは、すでにこの計画がはじまっているということで、まずは欧州のルート20にて「走りながら充電」が実現されるといい、現在はその方法について検証を行っているとされ、今の段階では3つの方式が候補に挙がっているとのこと。

それら3つとはカテナリー方式、地上伝導方式、誘導方式で、たとえば地上伝導方式は「レールを使った充電方式であり、走行中にレールに接触するスティックを介して充電を行う」ことになるようですね(ただし車両の改造が必要になる)。

誘導充電方式だと道路の下にある装置で電気をEVのコイルに伝え、そのコイルでバッテリーを充電することになり、しかしバスや路面電車など特殊な大型車両にしか対応できないといった問題もあるもよう。

こういった感じでいずれの方法も一長一短であり、この実現に関しては自動車メーカーも巻き込んでの検証が必要となるのかもしれません。

EV-Charge (2)

すでに一部「道路の電化」に取り組み中

なお、ルート20のような幹線道路ではなく「ローカルな」道路だとすでに実験が始まっているそうですが、2018年には2キロといった短い範囲ではあるものの地上伝導方式を導入しており、これは「公道では世界初」。

現時点では(3つのうち)いずれの方式が採用されるのかはわからないものの、スウェーデン運輸局のヤン・ペッターソン氏は、「私たちは、電化ソリューションが運輸部門の脱炭素化のために進むべき道だと考えており、さまざまな企業と協力しています」と述べ、スウェーデンの3つの主要都市( ストックホルム、マルメ、ヨーテボリ)を結ぶ、約3,000キロにおよぶ道路を「走りながら充電可能な」仕様へと変更すると主張しています。

EV-Charge (3)

ちなみにですが、同様のプロジェクトはこれまでにもいくつか報じられていて、イスラエルでは「無線充電(詳しい方法は明かされていない)」、アメリカでも2021年にインディアナ州交通局(INDOT)が「道路にワイヤレス充電技術を装備する」という計画を公表済み。

ただしいずれの場合も「道路を整備しただけ」では不十分であり、車両がその充電方式に対応しなければ全く意味をなさないため、どこかが(国が)音頭を取ってすすめることが実現への近道だと考えられます。

参考までに、「停止状態での」ワイヤレス充電についてはすでに対応済みの車種も登場しており、道路に加え、公共の駐車場にこれを設置することもずいぶん有効なのかもしれませんね。

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参照:CARBUZZ

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