| 充電器を目にする機会が増えれば、もっと「EVを買おう」とする人が増えるかも |
既存EVオーナーの不満、EV購入者の不安における最大の要素が「充電」である
さて、セブンイレブンが米国にて電気自動車の充電ネットワーク「7Charge(セブンチャージ)」を展開すると発表。
現在世界ではEVの普及が進んでいる状況ですが、この「充電」について、既存EVオーナーは「不満」を述べ、ガソリン車オーナーは「(将来的にEVを購入するとなれば)不安がある」と語るなど、充電体験はEV普及にとってのひとつの「壁」となっているのは間違いない、という状況です。
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セブンイレブンによる「セブンチャージ」はこんなサービス
今回発表されたセブンチャージにつき、セブンイレブンいわく「便利で信頼できる急速充電体験になる」とのことで、この充電ステーションは米国内のセブン-イレブン各店舗で利用できるようになるほか、カナダにも拡大する予定なのだそう。※壊れていて充電ができない充電器も少なくはない
セブンイレブンは北米の小売業者の中で最大級の急速充電ネットワーク構築を目指しており、すでにカリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、テキサス州でこのサービスを提供していますが、一般的なCHAdeMOまたはCCS(Combined Charging System)プラグタイプに対応していれば、あらゆるEV(BMW i7やヒョンデ・アイオニック5、日産リーフなど)の所有者がこの施設で充電できるようになるといい、Google PlayまたはApp Storeから「7Chargeアプリ」をダウンロードすることでユーザー登録を行い、その後に充電が可能となるもよう。
さらにセブンイレブンCEO、ジョー・デピント氏は「われわれセブン-イレブンは、95年以上にわたり、お客様のニーズに応えるため、お客様が望む場所、時間、方法で利便性を提供するため、常に革新を継続してきました。私たちは、EVドライバーに未来の利便性を提供するために事業を拡大し、再びイノベーションを起こそうとしています」と述べており、「今回の充電ネットワークの目玉は、これまで充電設備がなかった地域でもEV充電が可能になることです。特に電気自動車が普及するにつれて、アメリカではこの問題が残っており、我々がそれを解決します」とも。
つまりセブンイレブンはすでに存在する店舗を活用し、そして「コンビニエンスストア」としての性格を応用して充電ネットワークサービスにも進出するということになりますが、身近に充電器が増えることで既存EVオーナーの不満を解決し、これからEVを購入しようと考える人の不安を払拭することになるのかもしれません。
現時点でこのプロジェクトはまだまだ初期段階ではあるものの、セブンイレブンによると、この拡張工事が完了すれば、「北米の小売業者の中で最も大きく、最も互換性のある急速充電ネットワークを持つことになるといい、ぜひ日本のセブンイレブンにおいても同様のサービス導入を期待したいところですね(ただし駐車場を長時間専有されてしまうことが問題になるとは思う)。
EVの普及に際し、今後は「充電ネットワーク戦争」が勃発か
なお、アメリカにおけるEV普及率は想定を上回るペースで進んでいると報じられていますが、ここで問題となるのが充電器不足。
すでにアメリカでは充電ネットワークを提供する企業がいくつか存在するものの、すでに顕在化している充電器不足を解消するに至っていないと言われます。
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そのため様々な企業がこのギャップを埋めようと名乗りを挙げており、今回のセブンイレブンのほかにはスターバックスも充電器を設置すると発表しており(ただしデンバーと本社のあるシアトルの間に位置する15カ所にとどまる)、イケアも同様のプロジェクトに着手し、18州にわたる25店舗に急速充電器を導入する予定だと発表済み。
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さらにはサブウェイも新しく充電パークを設置するという声明を出したほか、メルセデス・ベンツも自前の充電設備拡充に注力するとコメントしており、こういった「充電器設置競争」が加熱し、行く先々で充電器を目にするようになれば、徐々に人々の(EVに対する)考え方も変わってきそうですね。
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