
| 一説では馬1頭で7馬力くらいを発生するという話も |
そして人間でも1馬力程度を発生させるのは驚きである
さて、クルマの性能を測るのに用いられる指標のひとつが「馬力」。
ちなみにこの馬力には仏馬力(PS / CV)と英馬力(HP / bhp)とがあり、英馬力の起源は「フィート」、そして仏馬力はこれを「メートル法」を用いることで換算したもので、両者の間には若干の差があります。
よって1仏馬力=英馬力=0.986仏馬力となっていて、つまり同じ出力であっても仏馬力の方が大きく表示され、1,000仏馬力(PS / CV)=986英馬力(HP / bhp)ということになるわけですね。※日本では一般に仏馬力が採用されている
一体馬力は「どうやって決まったのか」
そこで気になるのがこの馬力がどうやって決まったのか。
馬力という用語の発生は2世紀以上前、英国の発明家、ジェームス・ワットが新しい蒸気エンジンの出力とビール醸造所で製粉機を回すのに使用される荷馬の出力を比較するというアイデアを思いついた1700年代後半に遡ることができ、ジェームス・ワットは、「1馬力とは、550ポンド (250 kg) の重量を1秒間に1フィート (300mm) 持ち上げることができる」と計算したことに始まります。

そこで今回ドーナツメディアは「実際の馬は1馬力なのか」を正確に算出しようと考えてこれを実行に移すことになりますが、まずどうやって馬の力を馬力として算出するかを思案することに。

実際に馬をシャシーダイナモに載せてローラーを回させるわけにもゆかず、なんとか馬のパワーを馬力に換算する方法を考え・・・・

ロサンゼルスに本拠を置くエンジニアリング会社、モティーボと協力して「馬の力を馬力としての数値に換算するデバイス」を実際に制作開始。

これをホンダ・シビックへと組み込み・・・。

馬にワイヤーを引っ張らせ、その力をクランク→トランスミッション→ローラーへと伝達して馬力を計測し、それらシステムのロスを差し引いて正確な「馬力」を算出するという仕組みです。

参考までに、人間が自転車に乗ってシャシーダイナモのローラーを回すと「1.16馬力」を発生することが確認されています。

いったい一頭の馬は何馬力を発生させるのか?
そしてここからはいよいよ「馬力の計測」ですが、ジェームス・ワットが考えた「製粉機を回す」のに近い形で動作するこのデバイスを用いて・・・。

馬にこれを引いてもらうことに。

ちょっと馬には大変な仕事であったと思いますが、頑張ってこれを引いてもらい・・・。

その結果は・・・。

すべての損失を考慮に入れて5.7馬力!

もちろん馬によっても個体差があるかと思われますが、今回精度の高い計測方法によって1頭の馬が5.7馬力を発生させることがわかり、よって「1,000馬力のクルマは175頭ぶんの馬に相当する」ということになりますね。
科学的に「馬力」を検証する動画はこちら
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参照:Donut