| 今後クラシックカーにおいては同様のエレクトロモッドがより普及することになるのかも |
現時点では「コストがあまりに高すぎる」のが問題である
さて、エレクトロモッドのスペシャリストであるルナズがアストンマーティンDB6をベースにした新しいエレクトリック・クラシックをリリース。
ちなみに英国ではこういったエレクトロモッドが脚光を浴びていて、というのも日本や米国とは異なってガソリン車に対する風当たりが強いとされ、よって(とくに環境に優しくないと信じられている)クラシックカーオーナーが周囲の目を気にして自身の所有する車のパワートレーンを「電動」へと入れ替える例が少なくないとも報じられているため。
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アストンマーティンDB6のエレクトロモッドはこんなクルマ
ルナズ(Lunaz)はこれまでにもクラシックなグランドツアラーをいくつか電動化していますが、このDB6においてはそのレベルを一段階引き上げており、たとえば環境に優しくリサイクルされた内装素材などを採用し、持続可能性を強く意識しています。
もちろんオリジナルの282馬力を発生する4リッター直列6気筒エンジンは取り外され、そのかわりにインストールされるのは自社開発による独自のモジュール式エレクトリックドライブトレイン。
同社によると、電動DB6は375馬力を発生し、バッテリーサイズは80~120kWh、一回の満充電あたりの航続距離は約410km。
そのイノベーションはインテリアにも見られ、内装は豪華で持続可能なテキスタイルによってトリミングされ、シートや、トランスミッショントンネル、パーセルシェルフなどには”世界で最も低炭素な”レザーが使用されています。
ドアインナーパネルのアクセントとシート上部には再生繊維が使用され、この 生地はリサイクルコットン(66%)、ポリエステル(27%)、レーヨン(6%)、ナイロン(11%)の混紡素材。
この素材は高い耐久性を持つといい、摩耗や損傷が最も起こりやすいエリアに使用されています。
シートセンターには混合リサイクル生地が用いられ、これは主にリサイクル ポリエステル (54%) で構成されるといい、さらにはウール (35%) とナイロン (11%) を織り込んだスポーティなシェブロンパターン(プレミアムな外観と感触を持つ、と説明されている)。
ドアインナーパネル、シート、ヘッドライニングに採用されるパイピングなどはリンゴの搾りかすから作られた代替皮革で仕上げられ(サイダーやジュースの製造の副産物なので環境に優しい)、これを水性ポリウレタンと木材パルプの裏地と組み合わせていますが、この代替皮革は 「見た目も感触も本物の革に似た柔らかい質感を持つ」のだそう。
さらにはウッドパネルですら卵とナッツの殻から作られた生分解性複合材料に取って代わられ、 有機バインダーを組み合わせることによって大理石のような表情を作り出す、と説明されています。
そしてこの合成木材は100% 堆肥化可能、そして100%天然です。
カーペットには植物由来の原料を使用した生地を採用し、半光沢感のあるオーガニックな風合いが特徴となっていますが、多層仕上げによって高級感や耐久性を犠牲にすることなく「より少ない原材料で作れるようになったと紹介されています。
そのほか、廃棄されたマット、ペットボトル、漁網から再生されたナイロンも用いられており、とにかく「環境に優しい」のがこのDB6であるようですね。
この車両は今のところコンセプトのままですが、ルナズによればこれらの持続可能な素材を間もなく提供する準備が整う、とのこと。
こういったエレクトロモッドがもっと一般的になり、社会的にも「環境にやさしい」と認知されるようになれば、クラシックカーオーナーも周囲の目を気にせずにクルマを楽しめるようになるのかもしれませんね。
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