
| バンクシーは作品で語られるべきではなく、その態度にて語られるべきだ |
さて、バンクシー展「天才か反逆者か」へ行ってきたのでその様子を紹介したいと思います。
現在は大阪にて開催中ですが、「密」を避けるために開催期間が延長され、かつ予約制。
まずは公式サイトからチケットを予約し、同時に支払いを済ませるとQRコードが送られてくるので、そのQRコードを会場にて見せれば入場可能となります。
時間帯によっては当日券もあるようですが、こちらは不確実性をはらむので、やはり予約していったほうが良さそうですね。
バンクシー展の会場周辺はこんな感じ
なお、会場周辺にはバンクシーの「絵の一部」になれる仕掛けがいくつか。
かの有名な「ガール・ウィズ・バルーン(風船と少女)」になることができる、というもの。
ただ、周囲に人が多く、衆目にさらされながらもトライする人は少ないようです。

こちらは会場のトイレ脇に貼ってあったポスター。
下側に例の「シュレッダー」が再現されていますが、これはおそらく会場の人(開催側)が楽しみながらやってみたんじゃないかと思います(この一枚しかこの仕様がなかったので)。

バンクシー展の会場内はこんな感じ
このバンクシー展の会場内は「撮影OK」。
これ(撮影OK)が展示会をヒットさせた大きな理由なんじゃないかとも言われていますね(現時点で190万人を動員したらしい)。
こちらは壁一面に映し出されるバンクシーのイメージムービー。
座り込んで食い入るように見る人も多く、バンクシーの熱狂的ファンも多数来場しているようです。

コロナウイルスのパンデミック中に公開された「トイレ」。

バンクシーの工房?

展示はいくつかのテーマごとに分かれています。

展示作品は全部で70点ほど。
こちらは「バーコード」。
バンクシーは対象消費社会に対しても疑問を投げかけており、これもその一つだと思われます。
そのほか、「キリスト・ウィズ・ショッピング・バッグズ」も。

平面作品のほか、立体作品、映像やインスタレーションも。
これはブラーのアルバムジャケットに使用された「シンク・タンク」。

とにかくバンクシーは何に対しても「怒り」持っているんだろうな、と感じさせられる作品が多数。

サルの議会、モンキー・パーラメント。

人気シリーズ「ポリス(POLICE)」も
そしてこちらは人気シリーズ、ポリス。

バンクシーは警察からの摘発を逃れつつストリートアートを描いていたという過去を持っていて、警察の横暴に対しては許すことができないというレベルの感情を持っているように感じられます。
そして警察の「命令されたらこうしている」という態度が気に入らないようですね。

警察同様に、兵士に対しても「権力のいいなり」という印象を抱いている模様。
こちらは兵士の顔をスマイリーに置き換えた「ハブ・ア・ナイス・デイ!」。

壁面にはバンクシーからのメッセージも。
なお、スマートフォンに専用アプリをインストールしておけば、自分のスマホ経由にて作品の解説を聞くことも可能です。

CCTVシリーズ
こちらは監視カメラ、そして監視社会に対する反旗、「ワン・ネイション・アンダー・CCTV・フォトグラフ」。

モニター、そして映像を使用した展示も。

メッセージ性の強い「抗議(PROTEST)」
バンクシーというとやはり「抗議」。
こちらは最も人気のある作品のひとつ、「ラブ・イズ・イン・ジ・エアー」。

「ラフ・ナウ」。

その他にはこんなバンクシーの作品も
こちらはバンクシーがパレスチナにオープンさせた、「世界一眺めの悪いホテル」、ウォールドオフホテルの一室を再現したもの。
かなりに人気コンテンツです。

悪夢のテーマパーク、「ディズマランド」。
ディズニーランドへの風刺ですが、よくこんなことをしてディズニーランドから怒られなかったな、という驚きも。

バンクシーが好んで用いる動物、「ラット(ドブネズミ)」。
底辺層を意味すると同時に、都会に適応して巧妙に生きるさまを「社会のシステムをかいくぐって生きる人々」になぞらえているようですね。

このほかにも紹介しきれないほどの展示物がありますが、上述の通り、とにかくバンクシーは日々強い怒りとともに生きているんだろうな、ということがわかる展示内容だったと思います。
そしておそらくバンクシーは「世の中のほとんどの事象や人が嫌いで」、一番嫌いなのはバンクシー作品をありがたがったり、バンクシーを崇拝する人々であり、こういった展示会にお金を払ってやってくる人々なのかもしれません。
他の画像はFacebookのアルバム「バンクシー展 / BANKSY EXHIBITION」に保存中です(211枚)。